本から自分の世界を広げる試み
先日、自分と同じように活字が好きな友人が誕生日を迎えたので、プレゼントに書籍を選んでみた。
その友人とは、ことばの響きや粋な比喩表現について普段から感想を言い合っているのを思い出し、『美しい日本語の辞典』という、読み物として楽しめそうな辞典を贈った。
誰かのために本を選ぶ行為は、とても緊張する。
「その本が描く世界や主張が、相手にとって心地良いものである/プラスの影響を与える」という、確信に近いものがなければ、なかなか勇気が出ない。
「気に入らなかったらどうしよう」という不安も伴うし、「自分が相手をどんな人間だと思っているか」ということが、本の内容を通して知られてしまうような気恥ずかしさもある。
一方で、本を「贈る」よりも気軽にできるのは、本を「薦める」行為だ。
誰かに薦められた本を読んで世界を広げることは、おもしろいし比較的お手軽にできる。
わたしはビジネス書や自己啓発本の類は自分ではほぼ手を伸ばしたことがなかったけれど、シェアハウスに住むようになってから、周りが良いと言っているものはちょくちょく読んでおり、食わず嫌いであったことを感じている。
本を「贈る」という行為は、相手との関係性や状況によっては少々ハードルが高いかもしれないけれど、「薦める」ことと「薦められる」ことは積極的にやっていきたい。
(そうやって、積読の高さは記録を更新し続けているのだけど)
(579字)