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食品の廃棄ロスから食料不足の可能性。高齢者への食事提供は見直すべきか?

■ 物価高騰による「食」への圧迫


世界情勢を受けて、どこもかしくも物価高騰である。

この手の物価高騰は経済の範疇の話ではあるが、各企業は経費としての値上がり分を自社の商品やサービスに上乗せしているだけであって、いわゆる需要と供給としての値上がりではない。

そのため、商品やサービスおよびインフラの価格が上がったところで、それらを供給している人たちの賃金が上がるわけではない。結局のところ、賃金は上がらないのに出費ばかりが増えるという構造になる。

特に人間が生きていくうえで重要であり、そしてベースとなる「衣食住」だって物価高騰の煽りを受けている。

一番分かりやすいのは「食」ではないか。
スーパーもコンビニも、食材もお惣菜もお菓子も飲料水も、ほとんどが値上がりしている。

それに対して、買物客からの「うわ、こんなに値上がりしたの?」とか「こんなに高いんじゃ、今度から控えようかな」といったボヤきも耳にする。


■ 廃棄ロスは変わらない?


さて、このような時世において気になることがある。

それは食品の「廃棄ロス」の問題である。
(ここで言う食品とは、生鮮食品や野菜および加工品すべてを指す)

食品が値上がりすると買い控えする人たちが増えることから、生産および店舗に陳列された食品の廃棄が増えるのではないか? と考えている。

もちろん、これは何かしらの統計に基づいているわけではない。ただの個人的な想像である。

しかし、食品の廃棄ロス問題は昔から出ているテーマだ。
社会的な問題であるにも関わらず、スーパーなどのお店を眺めていると食品の陳列が少なくなっているようには見受けられない。

もちろん、店舗や企業、そして国を挙げて食品の廃棄ロスに努めていることは知っている。しかし、キャベツの一番外側の葉を捨てることを当たり前にしているあたり、本質的な問題解決をするためには、企業や行政だけでなく国民全体が理解することが重要だと思う。

そうしないと、適切な生産量が割りだせないまま、見込みで生産する状況は続くだろう。つまり、廃棄ロスは当面続くという想定である。


■ 食料不足に陥る可能性


一方、将来的に廃棄ロス問題はなくなるとも思っている。

それは社会の食品の廃棄ロスへの認識が改善されるからではなく、世界中で「食料不足」に陥る可能性があるからだ。

エネルギー資源を保有している国同士の兵器を用いた争い、または経済的な諍い(いさかい)はいつの時代も起こっている。これにより、本来ならば循環するはずのエネルギーや食糧が回らなくなる。

さらに地球環境はどんどん悪化している。
地球温暖化によって農作物は豪雨や熱波などの自然災害で損害を受ける頻度
が増えている。

飽食の時代に甘んじてきたツケも出ている。
限りある自然でもある魚介類の乱獲によって、それまで一定数以上の産卵が行われてきた生物の数が減少している。

また、畜産における感染症もクリティカルである。
肉はもはや当たり前のように食卓に並べられるし、安価に購入できる。しかし、昨今では卵が入手しにくいという事態にもなった。

・・・なんだか不安を煽るようなことばかりを並べたが、これらは誰もが知っている事実である。

もちろん、このような現状を打破するための取り組みもある。昨今ではビルディングで野菜を育成する技術も進化している。

しかし、現代のように当たり前のように気軽に食品を得ることが難しくなる可能性にも、ちゃんと向き合うべきだと思う。下手をしたら、食品をめぐった争いだって勃発するリスクもある。


■ 高齢者への食事提供まで考えられなくなる?


そのような食品の確保が難しくなったとき、「誰がどれくらい食べるのか?
」「優先的に食品を受けとることができるのは誰か?」という話になってくるだろう。

となると、特に日本は考えなくてはいけない問題がある。
それは高齢化社会も踏まえた食料問題である。

介護業界にいる立場として、これは結構重要な話と思っている。
と言うのも、特に介護施設においては一日三食(+おやつ)の食事が提供するわけだが・・・高齢者は意外にも食べ残しをする

それは「量が多い」「好きでない」あるいは「何となく食べたくない」といった理由である。そこに悪意はない。

しかし、上記のように食料不足に陥ったとき、現状と同じように高齢者に食事の提供をできるのだろうか? 食べ残しを容認するのだろうか?

今は廃棄ロスが生じるほど余裕があるため、高齢者の栄養などを配慮するように介護施設や介護サービスに対して行政らは指導している。

もしも食料の確保が難しくなったとき、食べ残しをする人たちに対して同じように食事提供をするなんてことは不可能になるだろう。おそらく、提供する側が「残すくらいなら、始めから提供しない」となると思う。

そう考えたとき、これまた個人的な意見となるが・・・
今のうちから、やや過剰となっている高齢者への食事提供や食事管理体制は見直したほうが良いのではないかと思う。

これはもちろん、あくまで廃棄ロスおよび食べ残しを意識しての話だ。
ちゃんと食べる方は問題ないし、肉体の状態や病気的な意味から栄養面に配慮することは重要である。

しかし、食品だって限りある資源である。食べ残し前提で生産したり、皿に盛るといった行為は減らしたほうが良いと思う。


何だか説教くさくて面倒な記事となったが、ひとまずコンビニに行って頭を使わずに買物カゴに入れることを控えようと思う。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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