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その立場でない人の言うことを真に受ける必要はない

職場とは色々な価値観や視点が飛び交う場所である。

それは仕事において重要な要素である。1つの価値観や視点よりも、色々な意見が出たほうが物事は発展する。意見を出すときには、役職やキャリアの垣根を超えて遠慮なく伝え合うことが大切である。

それは何も、会議などの意見を出し合う場面だけでない。休憩中や喫煙所などでスタッフ同士であーだこーだと言い合う場面も当然ある。

しかし、ここで注意してほしいのは「その立場にない人の発言を真に受けないほうが良い」ということだ。

ここで言う「立場」とは、役職だけでなく、スキルや実績などの実力の有無も含めていただきたい。 


 
先日、とあるスタッフから相談を受けた。このスタッフは、短時間勤務で主に施設内の掃除と洗濯を行うために雇用している方だ。

相談内容は次のようなものだ。

「同じ施設スタッフのAさんから『周りのスタッフは利用者の介助で大変だって見て分かるでしょう? 同じ施設で働いているんだから、掃除と洗濯だけでなく、あなたも介助業務もやるべきでは?』と言われて困ってしまった」

とのこと。

おそらく、このAさんは利用者の介助が大変だから「こっちは忙しいのに、掃除と洗濯なんて空き時間でできる仕事ばかりしやがって」と怒りを覚えたのかもしれない。

――― この相談をしてきたスタッフに対して私から次の回答をした。

「気にしなくていいよ」
「Aさんは、誰がどう働くのかを決める立場じゃないから」

何だかAさんを突き放すような回答だが、実際のところ、このAさんは管理者でもなければ人事担当でもない。そこそこ勤続年数が長いだけの介護職員として雇われている立場だ。

そのような立場の人が、そこで働いている他スタッフの労働条件をあーだこーだと口出しすることなんてできない。それは越権行為というか勘違い発言である。 


 
そのスタッフは「また言われたらどうしよう。手伝ってあげたいけれど、私も業務時間もあるし、掃除と洗濯も終わらなくなる」と不安そうだった。

そのため、「またAさんに言われたら『私では判断できないので、Aさんから上の人に相談してはどうでしょう?』と返せばいいよ」と伝えた。

それに対して安心したようだったが・・・それからAさんからは何も話はやってこない。まぁ、それは予想通りと言えば予想通りだ。おそらく、Aさんは言いやすい人に対して突っかかっただけと思われる。

だから、このような立場のない人の言うことを、いちいち真に受ける必要はない。ハッキリ言って時間の無駄だ。

そもそも、もしも本当に掃除と洗濯以外に介助を手伝ってほしいと思うならば、それは本人に言うのではなく、管理者や人事権のある立場に言うのが筋である。

しかし、立場のない人ほど、実力のない人ほど、その筋を通そうとしない。それは筋の通し方(社会のあり方)を知らないからだ。だから、陰口を言ったり、誰かに言ってもらおうと下手な根回しをするしかない。

そのくらいのことしかできない人の言うことに、いちいち感情を乱すことはないのだ。スルーするのが適切だ。 


 
もしも、本記事を読んで不快に思われた方がいるならば、それはおそらく本記事におけるAさんのようなタイプだと思う。

つまり、特に役職もなければ目を見張る実力もない、それなりの勤続年数やキャリアだけで発言できると勘違いしているタイプである。

果たして、そのような人の言うことに周囲が耳を傾けるだろうか? 「あたなも別な労働をすべきだ」と言って「そうですね」なんて応じるだろうか?

それでも「職場が大変ならば手伝うほうが筋だろう!」なんて言うならば、個々の労働条件や雇用契約を人事をすっ飛ばして別な業務を押し付けようとすることは、現代では「パワハラ」ということをご理解いただきた。

通すべき筋を通さないとトラブルになるのが現代であり、その筋を法律や職場体制などのルール通すのが社会人の流儀だ。

それに、実際に役職や人事などの立場になれば分かるだろう。「職場が大変だから、あなたも手伝ってよ」なんて気軽に言えなくなることに・・・。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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