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他者へのメモの残し方 ~正確性・メモを残した人の名前・メモを残した日時~

メモを残すだけでもマナーはある


仕事ではメモを活用する場面がたくさんある。

気になることや聞き漏らしてはいけないことを文字として残す意味もあれば、他者に何かしらの伝達をしたいときもある。

前者であれば適当で問題ない。それは自分のために残したものであって、仮に後で読んで「これってどういう意味だ?」となっても自己責任だ。

しかし、後者は適当であると少し問題が生じる。それは自分だけでなく相手にも影響があるし、場合によってはその相手の関係者にまで影響が及ぶことだってある。

そのため、他者にメモを残すときには最低限のマナーを守る必要がある。


伝達する内容は正確であるべし


では、その最低限のマナーとは何か?

まず、「伝達する内容が正確であること」というのは当然のことである。

例えば、電話応対をして当事者が職場に不在だった場合に相手から要件を受け付けることがあるが、その内容に誤りがあるとややこしくなる。先方へ折り返しの電話番号をする必要がある場合も、電話番号や組織名・担当者の名前は正確でないと後々困るのは分かるはずだ。

しかし、意外にこのあたりを忘れる人は少なくない。この例で言えば「〇〇の要件で電話がありました。折り返しお願いします」というメモを残したまではいいが、「誰からの電話で、どこに折り返し電話すればいいのか」が不明なことがある。

おそらく、電話を受け付け人にとっては「この要件を言えば相手が誰か分かるだろう」「きっと電話番号を知っているはず」と思い込んでいるかもしれない。実際、このような思い込みから「え? 知らないんですか?」と悪びれもなく言われたことがあったが、げんなりしてしまった。


メモを残した人は誰? いつのメモ?


また、他者にメモを残すにあたり意外に多くの人がやらないのは「メモを残したのは誰か」「メモを残した日時」がないことだ。

上記の外部から電話がきたことを伝達するメモを残したとして、「〇〇の要件で電話がありました。折り返しお願いします」だけ記載されたメモが残っていたとして、メモを残した人の名前が書かれていないときなど、その内容に不明点があったときに誰に聞けばいいか分からなくなる。

また、業種や業務内容によっては「いつ」のタイミングが重要になることがある。もしもメモに日時がなかったら、「これはいつの時点のメモなのだろう?」となってしまう。場合によっては緊急性を要することかもしれない。

例えば、数日職場に出ていなかった在庫管理の担当者のデスク上に「✕✕の在庫がなくなりそうなので発注お願いします」だけのメモがあったとしよう。もしもメモに日付が入っていなかったとしたら、いつの時点から在庫切れが起きそうになっていたかの判断がつかない。日付が入っていないだけで取り急ぎ注文すべきか、まだ数日は余裕があるのか分からない。

メモも情報の1つである。情報はリアルタイム性が求められていることからも、いつの情報かを明確に示すことは重要である。


他者へのメモの残し方


つまり、他者にメモを残すときのポイントは・・・

まず、「伝達する内容が正確であること」。
伝達した人以外の存在も関わっている場合、必要に応じて団体や氏名、連絡先も確認して残しておこう。

次に、「メモを残した人の名前」「メモを残した日時」。
メモを見た人がその内容に不明点がある場合など、すぐに問い合わせできる体制もチームワークである。また、情報は生ものであることから、甚大なトラブルにならないためにもメモを残した日時は残しておいたほうが良い。

これらが最低限である。何だか面倒だと思うかもしれないが、メモも1つの書類である。会議録で考えれば分かると思うが、会議録は内容の正確性が大事だし、作成者や作成日だって掲載されているのが普通だ。それによって会議録そのものに信頼性を担保している。

メモも情報伝達の媒体の1つだ。文章を書くのが苦手という人は特に、メモの残し方から訓練しても良いと思う。

なお、自分の提案や希望を伝えるときは、相手にメモを残すよりもちゃんと伝えたいことは口で言ったほうが良い。提案や希望は主観が入っていることから相手に理解されにくいことが多い。メモという小さいフレームの言葉ならばなおさら伝わりにくい。必要に応じて資料など用意したり、相手に時間を作ってもらうなどして、ちゃんと対面して言葉にしよう。

――― メモを残すことは誰でもできる。
しかし、メモのマナーを徹底するか否かで、きっと周囲からも「このメモを残した人は、ちゃんとこちらを配慮しているな」と思ってくれるだろう。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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