![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/169370430/rectangle_large_type_2_f965be71845021ac96b862d838434dbd.png?width=1200)
介護施設も「合う・合わない」はある。転居することも1つの選択
在宅から介護施設へ
自分の親が独り暮らしが困難になったとき、訪問介護といった在宅サービスを活用することも選択肢として有効である。
それでも、生活とは朝起きてから寝るまでの活動、そしてトイレも含めて寝ている間も含まれる24時間の積み重ねである。
そして高齢になると心身機能が低下したり、理解力や判断力にも乏しくなっていくことから在宅サービスにも限界は出てくる。
親と同居している方であれば、自分が仕事に行っている間にトラブルが起きていないかと心配になってくる。そうしてデイサービスなどを活用するものの、これも日数や時間の関係から限界はある。
親の面倒をずっと見ているわけにもいかず、こうして色々と試行錯誤した結果として最終的に介護施設を検討し、そして入所という流れになる。
もちろん、いきなり介護施設を検討することだって構わない。家庭の事情やご本人の身体状態は1人1人異なる。「自分ひとりで暮らせる!」と親が言っても、周囲から見れば無理だろうということだって少なくない。
ようやく入所したのに・・・
色々な事情や見学や資金面の検討を経て、介護施設を決定することになる。もちろん、入所にあたっては契約などの手続きも膨大にある。
それ以外にも事前に衣類や寝具などの身の回りの物を準備しなければいけないし、住所変更やマンションを解約することだってある。人によっては自宅を売却することもある。
これらは入所するご本人が高齢であるほど、家族が処理をしていくことになる。それらプロセスは非常に大変だし、入居する本人が納得しなくても、その子供や親族としては一人暮らしよりも安全で快適だと思って入所を進める。
こうしてようやく、自分の親が施設に入所することになって一安心・・・となれば良いが、うまくいかないことも珍しくない。その1つの現象として、入所したご本人がその施設に「合わない」ということがある。
施設にも相性はある
何を持って「合わない」かは人それぞれである。
例えば、施設というある種の共同生活の場が合わないこともある。今まで独り暮らしをしてきたのに、スタッフやら他入居者やらが壁一枚でいるわけだから落ち着かないのは仕方ないだろう。食事などの時間が決められているのも同様だ。
また、施設の雰囲気が合わないということもある。楽しいことやおしゃべりが好きなのに、自然豊かで物静かな雰囲気だと落ち着かない人だっている。反対に一人でいるのが好きなのに、スタッフがやたらレクや行事に誘ってきたりされると嫌な方だっている。
あるいは、認知症の症状によって周囲との関りがうまくいかないこともある。言動が支離滅裂だったり急に怒り出したり、幼児のような振る舞いをするなどあれば、周囲が困惑したり怯えてしまう。それはある意味で共同生活の場を乱す施設全体の問題になることもある。
それは本人のせいではない。施設に入ったところで慣れない・馴染めないことだって普通にある。人は1人1人違う。
人間同士が合う・合わないがあるように、施設と入居者(高齢者)も合う・合わないは当然あるのだ。
合わないときは転居するのも1つ
このような場合、施設の生活や雰囲気に慣れることも大切であるが、他の施設への転居を考えることも1つだと思う。
もちろん、上記でもお伝えしたように入居という取り組みは非常に大変である。しかし、入居しているご本人が合わない環境にいるのは問題である。それこそ、心身状態を崩したり認知症を引き起こす可能性だってある。
実際、その施設にご本人が合わないとのことから他施設に転居したところ、そちらのほうがご本人に合っていたということもある。
また、今まで有料老人ホームに入居していて落ち着かなかった認知症の方がグループホーム(認知症対応型共同生活介護)に転居したところ、一気に穏やかになったというケースもある。これは私の実体験でも結構ある。
そうそう転居は気軽にできるものではないが、大切なことは入居者視点だ。生活するのは家族でも介護事業者でもなく、高齢者本人であることを忘れてはいけない。
最初に入所した施設を無理に「終の棲家」にしなくてもいい。ご本人がその施設に合わなければ他施設への転居を検討するのも1つだと思う。それは施設が悪い、ご本人が悪いという話ではなく、お互いの相性の問題なのだから。
ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。