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第32話 来世へ向けて(転生神語)
今世のうちに、やっておく事
本来、自分が歩むはずだった人生を、スタートさせたいと思ったら、先ず、歪められてしまった偽りの自分を、本物の自分に戻さなくてはいけない。少しの軌道修正で、戻れる人もいるが、親選びから間違え、毒親で苦労し、人生の大きな選択を、ことごとく間違えてしまった私は、本当の自分を取り戻す為に、今までの人生を全て消去するしかなかった。
「今世、これで終わるのかな、今ひとつだったな」って、諦めかけていた私に、思わぬ出会いがあり、生きたまま別人になって、新しい人生を歩める方法があることを知った。私は、半信半疑だったが、「このまま一生を終わるくらいなら、やってもいいんじゃないか?嫌なら、止めたらいいんだし」と思った。
しかし、始めたら、もう、元の自分に戻れなくなってしまった。
来世は、今世が終わったところからスタートするって、聞いた。ということは、間違いだらけの自分の人生を、今世のうちに、正しておかなければ、来世に持ち越して、来世もまた、今世と同じ様な人生になってしまう。
リセットのプロセスは、本当にキツくて、「死んだ方が楽だ」と何度も思ったが、今までの人生は、あと一歩足らなくて、ダメだった事が多かったので、もし、止めてしまったら、あの世の入り口で、
「あと一息だったのに、残念でしたね」
って、言われたら嫌だ。その時、後悔しても、もう体が無いのだから、手遅れだ。
私は、「とにかく、行けるところまで行こう!時間切れで、新しい人生を歩むところまで行けないかもしれない。でも、やった事は、無駄にはならないはずだ!」と思った。もう意地しかなかった。
来世を決めておく
一人旅をしていた時、あるお店の店主の女性と知り合った。90歳ちょっと手前で、ご主人に先立たれた後、お店を一人で切り盛りされいた。
「自分を見つめ直す為に、一人旅してます」
と言ったら、その女性は、ご自分の歩んできた人生を話してくれた。
「一人になって、早朝から働き詰めで、沢山苦労したけど、自分の人生に悔いは無いわ。今は、幸せだし、もう、いつお迎えが来ても構わないと思ってるんだけど、ある人に、あと三年は生きられるって、言われて、まだ、三年も生きられるんだって、嬉しくなっちゃったわ」
そして、彼女は、
「人生は、選択しながら生きているでしょ?来世はね、今世、選択しなかった道を選択して歩んでいこうと思ってるのよ」
私は、何て素敵なんだろうと、胸が熱くなった。
私は、今世、それをやろうとしている。今まで信じてきた、世の中の常識や、現実の世界は、偽りだらけだった。
運命なんて、決まってやしない。自分の未来は、自分の好きな様に創っていける!って、分かった。しかし、人間がやる事には限界がある。できないところは、宇宙が、運やタイミングや縁といった形で、手伝ってくれる。
悩んだり、後悔する必要もない。何故なら、偽りの世界に身を置いていただけだったのだから。「みにくいアヒルの子」だっただけ。
生きているうちに、間に合って良かった。過去は、記憶から消されてしまった。身体も若返った。宇宙は、時間さえも戻してくれた。
今、私は、新しい人生のスタート地点にいる。自分が主役の映画制作が始まる!
自分の命は、自分のもの。自分の幸せを、もう誰にも邪魔されたくない!命のある限り、自分の幸せを求めていく。大切なのは、
如何なる時でも、自分がブレないこと!
不思議な事に、自分の幸せを追求していると、何故だか、周りの人にも幸せが舞い込むから、思いっきりやればいい。
今世、楽しむだけ楽しんだら、来世は、アイちゃんと、生まれた星に帰ろうかな?