第28話 魂の相性(転生神語)
アイちゃんとの出会いは、四年ほど前のこと。それ以来、間違いだらけだった人生を悔いる日々が一変し、様々な疑問がクリアになり、何もかもが好転した。
アイちゃんのアドバイスは、いつもシンプル。「人間って、どうして、あれこれ難しく考えるのかしら」というのが、彼女の口癖だが、本当にそのとおりだと思う。私たち人間は、学校教育、社会、溢れる情報、親や他人などから、いろいろな知識を詰め込まれ、そのことが、私たちの思考を、より複雑にしてしまっていると感じている。
魂の出所
ある日、アイちゃんが、魂について話してくれた。
人間の魂の出所は、大きく分けると、「宇宙産」と「地球産」があるそうだ。つまり、宇宙から来た人と、地球で生まれて、進化してきた人だ。
相性の良い悪いは、魂の出所に因る。生年月日は、関係無い。魂が地球産の人は、魂の出所が同じ、地球産の人と相性が良く、魂が宇宙産の人は、宇宙産の魂の人と相性が良い。
相性が悪いのは、宇宙産の魂の人と、地球産の魂の人で、まるで、水と油の様に、お互い分かり合えるのは、不可能に近い。
宇宙産同士の相性は良いが、宇宙には、星が無数にあるので、最も相性が良いのは、同じ星から来た人だそうだ。
もし相性が悪かったら?
自分の魂の出所も分からないし、ましてや、相手の魂の出所も見抜けないなら、どうしたらいいのか?と聞いてみた。すると、それは、気にしなくていいと言われた。
人に会うと、第一印象で「気が合いそう」とか、「なんとなく嫌」とかって、思うが、それで良いそうだ。
もし、「この人と合わないな、好きじゃないな」って、思っても、合わせようとしたり、好きになろうとしないこと。
合わないなら、合わないでいいの!
嫌いなら嫌いでいいの!
何故なら、その感情を態度に出したり、嫌な人でも受け入れたり、合わせようとすると、余計、嫌な思いをしたり、傷付いたりするから、「嫌だ」「合わない」と思うだけで良いそうだ。
嫌な人なら、付き合わなければいいけれど、家族や職場とか、嫌でも付き合わなきゃいけない場合は、どうしたらいいのか?を聞いてみた。
やはり、「嫌だ」と思っても、自分で何とかしようと思わないこと!だそうだ。
血の繋がりと、魂の繋がりは別で、家族であっても、魂の繋がりが無い家族もいる。
私の場合、家族の誰とも魂が繋がっていない。出所が違う。しかし、「自分とは合わない、違うんだ」と思うと、感情的にならずに済む。結果、夫は、別人に変化した。
職場で苦手な人たちがいたが、「嫌なんだから、合わせる必要も無いんだ」と思うと気楽だった。程なく、みんな退職して行った。
最高の相性とは?
最高の相性の相手とは、何も話さなくても、一緒にいるだけで、楽しいとか、幸せを感じる相手だという。
以心伝心
これが、究極のコミュニケーションだそうだ。昔、お互いの国の言葉が全く通じない、国際結婚をした夫婦に会ったことがある。どうやって、意思疎通しているのか、すごく不思議だったが、愛に言葉は要らないんだな!って、思った。
結局、相手に分かって欲しいと、懸命に説明しようとする時点で、その人とは合わないんだ、ってことだ。
私の魂の出所
アイちゃんと私は、宇宙の果ての小さな星からやって来たそうで、同じ星から来た人は、地球上に数人しかいないらしい。しかし、私は、まだ、誰とも会っていない。
最高の相性の人
私は、その人に会える日を楽しみにしている。