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ファースト世代が機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ガンダム ジークアクス)観劇で感激した話。エヴァとかも語っちゃうよ。

 今更ですが、ガンダム ジークアクスを観劇しました。

 感想を一言でいうなら「感激しました」。

 ・・・。

 それで終わらせるのもアレなので、いろいろと感想や考察といった独自解釈を語りたいと思います。


※以下は盛大にネタバレを含むので、それを承知できる方だけが読んで下さい。







 ジークアクスの上映リリースで公開されたビジュアルは以下でした。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』公式アカウント

 これを見て、食わず嫌いの僕が直感で抱いた感想は「マッチ棒にマジンガーZの頭が乗っかったようなヘンテコなガンダムだな」でした。
 この時点でファーストガンダム至上主義の僕はジークアクスを観る気はナッシングでした。

 ただ、エヴァンゲリオンも好きでもあって、脚本に庵野監督が関わっていること、キャッチコピーで「カラー×サンライズ」と煽ってくれること、SNSでもネタバレをしないよう盛り上がっていることを鑑みて、観てみようと思い立ったのです。
(それこそ「ガンダム大地に立つ」的な心境で。)

 そんな感じなので、事前情報はほとんど把握せず、ジークアクスが宇宙世紀モノだとも知らずに観たわけですよ。

 それが上映開始直後から、
「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民するようになって既に半世紀。」
「(略)人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。」
「宇宙世紀ダブルオーセブンティナイン、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り(略)」
とのお馴染みのナレーションが流れるじゃないですか!
(永井一郎さんの声じゃないケド)

 えっ! この展開って、まさかムサイ艦が一斉放射してコロニーに穴が開くやつ?とか思ったら、本当にコロニーにビームが貫通しちゃったよ、どうしてくれるんだい!

 唐突ですが、僕はファーストガンダムの初回放映をリアルタイムに観ていた世代です。
1979年年当時は小学5年生で、毎週土曜17時半にはブラウン管テレビを食い入るように観ていました。
 母親から夕食に呼ばれても、18時の放送終了まではガンとしてテレビの前から動かなかったものです。(当然ダヨネ)

 ファーストガンダムの1年戦争が2025年のガンダム最新版で再現されるのを見て、デジャビュというか、小学5年生の頃に夢中になっていた記憶がフラッシュバックしました。

マジかよ?という月並みなセリフが心の中で6回くらいリフレインしました。

 でも、その後の展開に違和感が。

 ファーストでは、サイド7に侵入するザク3機(デニム・ジーン・スレンダー)は全部グリーンのはず。
 でも目前のスクリーンには赤いのが混じっている・・・

 ガンダムで赤いモビルスーツといえば、ヤツしかいない。

 そう、キャスバル・レム・ダイクン。
 もとい、クワトロ・バジーナ。
 ・・・素直にシャア・アズナブルと言うから許して。

 愛されキャラのヤツがいきなり暴走をかますのだよね。
 若さゆえの過ちでは許されない程の破滅的行動を。

 ヤツがガンダムのコクピットに乗る様子を見て、これはトニーたけざき氏のマンガか?と思ったのは僕だけではないはず。
 それからホワイトベースの艦橋にいるパオロ艦長以下の連邦軍人をビームライフルで蒸発させて、ガンダムとペガサス級強襲揚陸艦を鹵獲しちゃうなんて、もう絶句。

 そこからの展開は、

・フラナガン機関がヤツのニュータイプ適性を検査で確認
・ジオンが鹵獲したガンダムにサイコミュを装備しちゃう
・ヤツとペアを組むニュータイプはシャリアブル(ララァは登場せず)
・ジオン軍の地球降下作戦はないっぽい(ガルマは生存)
・ソロモンは失陥してドズルは戦死(ソロモンはコンペイトウに改称)
・ドズルを葬ったのはアルテイシアソムダイクンことセイラさん(アムロは登場せず)
・マクベがビグザム艦隊?を率いてルナツーを攻略
・連邦の負けを悟ったワッケインが残存戦力でコンペイトウをグラナダへ落下を画策
・ヤツはコンペイトウに鹵獲ガンダムで侵入するが、そのままグラナダ壊滅を画策
・突然サイコミュが暴走しヤツは時の彼方に転送(失踪)キシリアは生き延びる
・連邦は宇宙拠点の喪失を機にジオンに降伏(UC0080 1月3日)

という連邦ファンなら怒り狂うストーリーになっていました。

こんなの正史として認められないとファースト原理主義者なら地団駄踏むところですが、公式がこれを作ってしまったので、本当にどうするのこれ?って感じです。
しかもジークアクスには、マンガ版ガンダムのジ・オリジンの設定も相当に採り入れていました。(RX-78-01プロトタイプとかキシリア側近トワニングの絵柄とか)

 そこから終戦直後のサイド6(カムランのいる中立サイド)で、マチュやらニャアンとかいう女子高生が非合法なモビルスーツ決闘競技《クランバトル》に巻き込まれるという展開。
 なぜかそこにコンペイトウ内で消えた鹵獲ガンダムがあって、でも乗っているのはヤツではなくシュウジという不思議な少年。
そのクランバトルを調査するシャリアブル。ここから何が起きるのか・・・

 あまりに意外な展開に頭を抱えました。
 クランバトルって何だよ、装甲騎兵ボトムズでいうところのバトリンクかよ?

 でも、面白い、続きのアニメ放映を早く観たいと思います。

 しかし、庵野監督がガンダムの脚本に参画するとこうなっちゃうのですね。
 タイトルはジークアクスじゃなくてシン・ガンダムでいいじゃんと思ったり。

 こんな宇宙世紀モノで1年戦争の勝敗を逆転させるような作品だということを事前には一切リリースせず、マジンガーZ頭のマッチ棒のビジュアルだけを前面に出して宣伝するという意外性というか鬼畜性を発揮してくれて、なんかもう鶴巻監督をはじめ制作陣の皆様にはありがとうとしか言いようがないです。

でもでも、公式の最新作でジオンが勝利したストーリーを公開しちゃったわけですから、この影響は大きいよね。
1年戦争についてジオンが勝つための戦略を力説していたガノタを何人か知っていますが彼らの積年の願いが結実してしまった(圧巻)。
いいのかよ?とは思います。

 これから1年戦争の勝者はという問いがあった時に、連邦軍と答えるのが昭和世代、ジオン軍と答えるのがZ世代や令和世代という、世代の分断を加速させてしまったかもしれない。
 昭和世代の僕としては、ただただ虚しい(笑)。

 ちなみに庵野監督のエヴァンゲリオンはとにかく難解でとっつきにくい作品でした。
 それだけにハマると、とことんまでハマってしまうのもよく知られたところです。

 そのエヴァですが、地上波アニメ版、マンガ版、旧劇場版、新劇場版(序破Qシン)とシリーズ化されていますが、それぞれ結論が異なります。
 単にアナザーストーリーを複数展開しただけとの解釈もできます。(それが一番気楽に観られる立場かも)。

 ただ、新劇場版に登場する重要キャラのカヲル君が、劇中ではまだ出会っていないシンジに対し「今度こそ君を幸せにする」とか、死に際に「また会えるよ」とか、「連環の物語」とか語るので、エヴァンゲリオンという物語はカヲル君を狂言回しにした異なる世界線(パラレルワールド)の話なんだなとの解釈もできます。

 そのパラレルワールドの世界線を行き来しているのがカヲル君で、それぞれの世界線はシンジの選択によって結論は変わって、それが輪廻転生のように連環してつながっているというわけです。
 カヲル君は様々な世界線でシンジの選択に立ち会ってきたのですが、シン・エヴァによってシンジが「エヴァのない世界」を選択したことで、物語はようやく終結して連環の輪から解放されたということです。

 このロジックをガンダムの宇宙世紀に当てはめると、地上波アニメ版、劇場版、ジ・オリジン版、ジークアクス版という世界線がパラレルワールドとして存在し、ニュータイプの一部能力(サイコミュ?)が時空を超えて異なる世界戦を行き来しているのではないだろうかとの解釈もありかなと思っています。
 既存の公式な宇宙世紀モノとしては、1年戦争後は0083、Zガンダム、逆襲のシャアへとストーリーが続いていきます。(ユニコーンや閃光のハサウェイもありますね)

 その解釈の延長線上では、ジークアクスのコンペイトウ内で暴走したサイコミュにより、シャアは劇場版「逆襲のシャア」の世界線に転送されたかもと妄想しています。
 そう、アクシズの地球落下を阻止するためにアムロとシャアのサイコフレームが共鳴した最後のシーンがありますが、そこにジークアクスのシャアが時空を超えて転送されてしまうのかもしれない(無責任な推測)。

 エヴァンゲリオンではカヲル君が複数の世界線(パラレルワールド)を連環する生き証人(死ぬことも多いけど)という立ち位置でした。
 ガンダムの宇宙世紀モノでは、シャアが複数の世界線をニュータイプ能力(サイコミュ?)によって往来する人物であって、彼の選択(ガンダムを鹵獲するか否か)によって1年戦争の結果が異なるという連環の物語なのかもしれません(これも無責任)。

 ジークアクスでは、重大な選択をしたニュータイプ能力者のシャアが1年戦争終結目前のコンペイトウ内から消えていなくなりました。
 そういえばファースト・ガンダムでもア・バオ・アークー内で消息を絶ったシャアがクアトロ・バジーナとして再出現するまでに間があったよなと思い返したところです(だから何?)。
 ジークアクスのストーリーでも、今後の重要な場面でシャアは出現するのでしょうが、それはシャアかクアトロかキャスバルなのかは予測不能です。

 シャアが不在の間は、ジークアクスではニュータイプであるシャリアブルが狂言回しの役を引き受けていそうな立ち位置でした。
 ファーストでは、シャリアブルは1年戦争で没していましたが、ジークアクスでは生き延びています。

 余談ですがコンペイトウをグラナダへ落下させる作成の指揮を執っていたワッケインについては、その後は描かれていないので生き延びていそうです。(個人的に好きなキャラなので思い入れはあったりします)。
 ガルマやマクベも生き延びているし、アムロやブライト等の連邦軍の主要キャラは登場すらしていません。存在すら無かったものとされるのか、今後登場するのか謎です。

 ただでさえ1年戦争の結果を逆転させるという荒療治をしているのに、サイコミュでシャアを時空の彼方に転送させ、マチュ等の新キャラの少女達が歴戦のMS乗りに勝ってしまう謎など、無駄に謎の風呂敷を広げ過ぎているので、これらは全て回収できるのか他人事ながら心配です。

 つらつらとそんな妄想をしたので、それを書き記しておきたくてnoteに書きました。

 ジークアクスの物語が進行すればいろいろわかってくると思いますが、庵野監督はわかりやすい結論はなかなか描いてくれないのも悩ましいところ。
 この考察が盛大に外れる確率は97%くらいだと思いますが、3%くらいはかすって当たらないかな?(そうそう当たるものではない?)

 庵野監督が描いたシン・シリーズは、エヴァは当然としてゴジラもウルトラマンも面白かったです。使徒とかゴジラとか怪獣とか災害級の厄物が出現し、人類の英知を結集して対応するという展開が好きなのですね。

 だからシン・マクロスも描いてくれないかなと。
 雄巨人のゼントラーディー軍と雌巨人のメルトランディ軍の異星人達を、プロトカルチャーの末裔である人類がミンメイアタックで撃退しているさなかに、第三勢力のLGBT軍が出現する。第三勢力には愛覚えていますかのメロディラインは効かない。
 ヤケクソ気味でQueenのボヘミアン・ラプソディのメロディでアタックをかましたら劇的効果があって圧勝した。そんなのどうでしょうか?(いろいろダメだよね)。

 とか、いろいろ蛇足で語りましたが、庵野監督に一番描いて欲しいのはナウシカですね。やはり映画版の一作だけで終わらせてはいけませんよ、あの世界観は。
 トルメキアと土鬼の不毛な大戦、巻き込まれる風の谷等の小国、腐海の謎、墓所に封印された人類再生プランの欺瞞。
 とっても観たいけど、着手したら完結までに10年くらいかかりそうなボリュームなので、なかなか難しそうです。

 書いていたら長くなってしまったので、このあたりで50代おじさんの昔観ていたアニメ語りとジークアクスの話題はおしまいにします。
 お付き合い頂いた方はありがとうございました。

 このnote記事を読んで下さりありがとうございます。最後まで読んで下さった方は相当なガノタか変態さんだと思います。
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 普段はインターネット・ビジネスに関わる事業者さん向けの契約書作成を承っており、そうした関連の話題について以下のようなnote記事を書いています。消費者法に関する小説も公開しています。


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