#143【公共事業で若者の夢は実現できるのか? その2】
(昨日のつづきとなります)
公共事業で疲弊する社員、
特に若者たちに未来や希望があるか?
についてのお話です。
例えば、
工事現場の着手前、
そして現場完成後に
役所に提出する書類の量は、
本当に膨大です。
役所は、
書類の作成や施工管理に配置する
職員分の給料は、
設計金額に見込んである、
とはいいますが、
落札金額が5億も6億する現場では
それはたくさんの人をつける余裕が
あると思います。
でも、
1億円以下の現場には、
そんな余裕はありません。
予算的に、
現場担当者は1~2名で
やらざるをえないのです。
しかも、
作成する書類の量は、
5億以上の大現場と、
それほど変わりません。
だから、
ほとんどの現場担当者は、
日中現場が終わった後に、
大残業をして
書類を作成するのです。
役所はいいます。
内部の会計監査で指摘されないために。
あるいは、
第三者の市民から
情報開示されたときに
問題ないように。
その理屈は分かりますが、
その代償として、
若い担い手は業界から離れ、
寄り付かなくなるのです。
昔からやっているし、
まあ、こんなもんだ、
書類や施工管理は大変だけど
定年までガマンしよう
というベテラン社員ばかりが
現場担当者になっているというのが
実情なのです。
しかも、
そうしたベテランの方も、
年々激しく精度を求められる
書類や施工管理に
ついていけなくなり
次々とリタイヤしてきているのです。
昨日今日と、
公共事業における建設業の実例
を紹介しましたが、
この傾向は、どの業種
どの分野においても
起こり得るところです。
全ての人が、
PCやITテクノロジーを
バリバリと使いこなせるわけでは
ありません。
より精度と品質を高く
そんなに高いレベル
が必要ではないとしても、
オーバースペックばかり
追求していくと、
しまいには、
人がついていけなくなるでしょう。
そして、
最近の若者たちは、
web3.0などの
より未来的な世界に
希望をいだき、
建設業のような
昔からある、
しかも残念ながら
旧態依然を
なかなか脱することのできない
古い体質の業界から
静かに去っていく
ことになるでしょう。
人がいない
若手が育たない
こまったこまった
と言われ続けて、
もう何年も経ってます。
国や自治体の
大きな決断やかじ取りが
今こそ必要ですね。