ホクレン士別5000m
13’52”39。自己ベストを5秒更新することができた。
試合に向けて練習していた3月の段階では、まさか初戦が7月になるとは思っていなかった。今も大変な状況でレースが開催できたことに感謝している。
緊急事態宣言が発令されたのが3月末。4月からはチームでの練習は一切なくなり個人単位での練習が2ヶ月間続いた。
集団で質の高い練習ができないことはマイナスだが、その分プラスの影響もあったし、そう捉えるようにした。
試合がない期間で、持続可能なトレーニングサイクルを確立させたことと、フィジカルの強化を行えたという収穫があった。
試合が当分ないので、調整をしたり、特定の距離・ペースに特化した練習を行う必要がなくなった。いつ試合があるかもわからないので、リスクを背負って練習することや、どこかにピークを持っていく必要もなくなる。緩やかで構わないから、確実に実力をつけることが何より優先された。
4月5月は
3’20/km程度での21km走
5000m〜10000mレースペースでの1000m or 500mのインターバル
25km程度のロングジョグ
を週1回ずつ行い、週間180~200km(月間800〜850km)を目標に距離を踏んでいた。この時期の練習メニュー自体に工夫はなかったし、する必要もないと思っていた。同じことを10週間くらい繰り返していた。
これまでは常に何かしらのレースに向けて練習をしていたので、まんべんなく能力を鍛える機会というのがあまりなかった。土台づくりをするにはいい機会だった。
試合計画が立つまでは汎用性の高い練習で土台を作っておき、試合が決まり次第ある方向に研ぎ澄ましていくイメージだった。特定の距離に強くなるわけではないが、5000m〜ハーフマラソンならどれも1ヶ月あれば自己ベストまで持っていける手応えはあった。その手応えを持って試合に向けた練習に入れたのは大きいと思う。
フィジカル面では
週2回チームでのコアトレーニング
週2回下半身のトレーニング
を行なった。
これまで大学院に通っている関係でチームでやっているコアトレに参加できていなかったが、オンライン実施となったことで参加できるようになった。また、ランジ系の動作を中心とした下半身トレーニングもパーソナルで実施した。
緊急事態宣言中は治療にかかれないためケア面が手薄になるが、身体を鍛えてダメージに対するキャパを大きくしたことで、故障せずに練習が継続できたのだと思う。フィジカル強化をほとんどしていなかった大学時代は月400〜500kmの練習でも故障してしまっていたので、恩恵は明らかである。
フィジカルトレーニングは誰かに見張ってもらうと1人でやるより楽なので、これからもオンラインを積極的に使っていこうと思った。
緊急事態宣言中にスポーツ報知様から取材を受ける機会があり、このようなことを話した。
この言葉を体現するために、絶対に自己ベストでシーズンインしなくてはならないと思っていた。今の自分から少しずつ積み上げていけば、自己ベストは狙えるのだから。目標がなくなり自分に向き合わざるを得ない期間こそ、自分の強みが出せると信じていた。自己満足でしかないが、自分なりのテーマが達成できて安心している。