鴻蒙(ホンモン)は第三極となるだろうか
OS
今さらの説明ですが、Operation System(オペレーティング・システム)の略で、アプリやデバイスを動作させるための基本となるソフトウェアのことです。
PCであればWindowsやMac OSだし、スマートフォンであればAndroidやiOS、サーバであればWindows ServerやRed Hat Enterprise Linux、Cent OSなどがその大部分を占めている。
鴻蒙(ホンモン)
鴻蒙(ホンモン)とは、中国HUAWEIが独自に開発を進めているOSであり、既に昨年2019年8月には鴻蒙(ホンモン)を搭載したテレビを発売している。
中国EV大手のBYDの新型モデル「漢」にも供給されたということで、先日もニュースに取り上げられており、PC、タブレット、スマートウォッチへの搭載も進んでいるようです。
さらに今後は、スマートフォンへの搭載も2021年の新製品に照準を合わせて採用を拡大し、自前のOSによる製品展開を考えている。
鴻蒙(ホンモン)採用拡大の理由
もともと鴻蒙(ホンモン)はIoT向けに設計されたOSであり、当初はスマートフォンでの採用は想定されていなかったという。しかし、アメリカからの禁輸措置によってGoogleとの取引は打ち切られ、Android標準搭載であるGoogleMAPやGMAILといった主要アプリをHUAWEIのスマートフォンの新機種に搭載できなくなった。
AndroidOSそのものはオープンソースのため、規制対象にはならないようですが、HUAWEIとしてAndroidを使い続けるメリットが薄れたためと思われます。
鴻蒙(ホンモン)は第三極となるだろうか
既にスマートフォンOSはiOSとAndroidがほぼ100%を寡占している状況にある中、中国HUAWEIの鴻蒙(ホンモン)は第三極の勢力になりうるだろうか。
過去にもBlackBerryOS(バラックベリー)やFirefoxOS(Mozilla)など、先駆的なOSも存在していたがiOS/Androidの市場席巻とともに勢力を伸ばせず、既に開発を終了させている。
また、日本企業もNTTドコモやパナソニックも参画していたTizenプロジェクトがあったが、既にスマートフォンへの搭載は実現していないのが実態としてあります。
アーキテクチャーとしての難易度も当然あるものの、既にAppStoreやPlayStoreなどのエコシステムを形成されてしまっている市場に対してどのように割って入るのかがポイントとなってくる。全てのスマートフォンユーザと全てのスマートフォンアプリ/ハードベンダーが参加して、その世界に慣れきっている中、いかに鴻蒙(ホンモン)という新世界を認めてもらうのか。
既にHUAWEI AppGallery(以下HAP)という、独自のアプリストアを提供しており、AndroidのPlayStoreではダウンロード可能のようだが、インストールするとなぜかHAPを通じてアプリの更新等がなされてしまうようで、正直怪しい感がすごい。
本日から開催している東京ゲームショーではHAPの紹介があったが、紹介のあった数字も正直信頼のできるものなのだろうか。
過去のOS達と同様に、2強に割って入れず廃れてしまうのではないだろうか、と思う一方で、中国14億人という規模の経済に加えて、現在すでにHUAWEIがハードウェアでパイを握っている新興国を中心にアプローチをすることで、その勢力は拡大できるのではないかとも思っている。
しかし中国ではNo1と言えど、世界の市場は韓国サムスンが多くのパイを握っているので、どこまでそのパイを奪えるのかにもかかっているだろう。あるいは、サムスンを鴻蒙(ホンモン)エコシステムに加わってもらうことで、勢力拡大をはかる可能性もあるだろうか。
いずれにしても14億人+新興国を中心にどこまでそのパイを取りに行けるかが、鴻蒙(ホンモン)の行方を左右するだろう。
iOS-Android-鴻蒙(ホンモン)の3つ巴の構図が5年後に来たら、面白いと思う反面、脅威でもある。来年のHUAWEI新端末の発表が今から楽しみになってきた。
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