野原ひでおさん『【承認欲求】”1対多” の会議支援でも ”個別対応” が鍵となる理由とは?』に触発されて
野原ひでおさんが11月20日に投稿なさった記事『【承認欲求】”1対多” の会議支援でも ”個別対応” が鍵となる理由とは?』に触発されて頭に浮かんだことを綴ります。
画像出典:Gerd Altmann-pixabay
野原さんの記事はこちらです:
1. 野原さんの記事の要点(私の理解)
初めに、野原さんの記事の要点を、私の理解で説明します。私の理解なので、野原さんの本来のご主旨とはズレている可能性があります。そのようなことがありましたら、野原さんにお詫び申し上げます。
【事 例】(楠瀬が要約)
会議の終盤になっていつも反論してくる人Aさんがいて、会議のファシリテータ―Xさなんが悩んでいたけれども、このAさんは、他人から自分の価値を認められたいという承認欲求がとても強いことがわかり、その欲求に応えるような議事進行に切り換えると、会議がスムーズに進行するようになった。
【ポイント】(野原さんの記事から引用)
個別に深く観察して
個別に対応する姿勢でいく
”1対多” の ”会議支援” でも
”1対1(個別)” の気持ちで
会議支援を行っていく
2.私の経験に照らしての納得感(本質論)
私自身の経験と照らし合わせて、野原さんのご指摘に大いに納得しました。40年間の会社員生活で、ずいぶん多くの会議で進行役を務めました。研修企業で講師をしていたこともあります。
社内会議では、合意形成出来つつあるタイミングで、批判的な意見を出してこられる方が、よく、いらっしゃいました。
研修では、講師の私には、ケンカ腰に見えてしまうような態度で私に反論してこられるこられる受講者の方もいらっしゃいました。
こういう方たちに対決姿勢で臨むと、まず間違いなく、失敗しました。社内会議の常連さんであれば、野原さんの記事にあるように、①初めにその方の意見をうかがうことから始める、➁助力を求めるという接し方が役立ちました。そうすることで、私や他の参加者が見落としていた重要な論点が浮かび上がってくることも、多々ありました。
研修では、あるセッションで猛烈に反発されたら、次のセッションで、その方の意見を糸口にして議論を進めるようにすると、研修がスムーズに進むだけでなく、私が用意していなかった重要な論点が、その方の口から出て来ることも、ありました。
会議(研修)の参加者を個別に深く観察して、個別に対応する姿勢でいくこと、そして、批判的意見が多い「うるさ型」の方に対しては、その方を避けるのではなく、積極的に議事進行に関与していだだくように働きかけていくことが肝要だというのが、経験的な実感です。
3.私の経験に照らしての納得感(技術論)
”1対多” の ”会議支援” でも”1対1(個別)” の気持ちで 進めていくことには、技術的なメリットもあります。
大勢の聴衆を前に講演する場面や会合でのスピーチなどで上がってしまったり、大変な緊張を強いられたことが、ありませんか? 私は、あります。特に、研修講師としての駆け出し時代が、そうでした。
あの何とも言えない追い詰められるような感じの相当な部分は、実は、《聴衆の数の圧力》から来るのです。10人、20人、場合によっては100人単位の人たちから一身に視線を浴びせ浴びながら緊張しない人がいるとしたら(実際、いるのですが)、それは極めて幸運な少数者です。
ああいう時に、自分を落ち着かせるベストの方法は、聴衆のなかの一人に視線を合わせて、その方と1対1で話し合うような気持ちで切り出すことです。笑顔でこちらを見てくれている方に視線を合わせるのがいいですね。
そして、自分が落ち着いてきたなと思ったら、別の方に視線を移して、その方と1対1の対話をしているように、話しかけていく。
これを5人くらいの聴衆を相手に続けると、あとは、聴衆全体に視線を向けても緊張せず、落ち着いて話せるようになります。
私は、人間が話すことの基本は、1対1の会話だと思っています。複数の人間を相手に話したり、まして、議論の進行を助けるというのは、異常事態なのです。だから、基本動作である1対1の会話に出来る限り近づけることが成功の秘訣だと思っています。
以上、とりとめのない書き方になってしまいましたが、野原さんの記事に触発されて頭に浮かんだことを書いてみました。
お付き合いいただき、ありがとうございました。