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フルート奏者の津田佐代子です。伝統を守りながら、革新を起こして新しい風を
自然と人と文化が共存できる社会へ
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こんにちは。
フルート奏者の津田佐代子です。
京都生まれ京都育ちで、
実家は井筒八ツ橋本舗を営んでいます。
フルートとの出会いは中学1年生。
音楽室に置かれていたフルートを見た時に一目惚れをして
「私の人生は、これだ」と、稲妻が走ったような出会いでした。
その後、音楽の道に行くことを自分で決め、
京都市立堀川高等学校音楽科を経て
京都市立芸術大学音楽学部を卒業しました。
今は国内外でいろいろな演奏会やイベントに
出演させてもらっています。
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フルートというのは
もちろん西洋音楽で使われる木管楽器なので
ピアノや室内楽、オーケストラなどとの演奏が多いのですが
私が生まれ育った場所柄から
華道や箏曲とのコラボレーションや
伝統文化の継承者の方々と共演させていただく
イベントが数多くありました。
それらの経験を踏まえ、京都に根付いた活動を
できる限りやっていきたいと思いました。
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京都は場所であったり、人や物であったりと
素晴らしいものが凄く集まっているところです。
京都が育んできた文化を大切に
後世に伝えるとともに新しいものを生み出していく。
伝統を守っていきながら
革新を起こして新しい風を吹かせられれば
いいのではないかと考えています。
何より聞く方々にとって
洋と和それぞれの魅力を贅沢に味わうことができ
両方が融合した世界を知る機会になると思います。
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祇園祭に関して私が直接何か関わることはないのですが
親族や知り合いの子が山鉾巡行で神の使いとして先頭の鉾に乗る
「お稚児さん」になったり
同級生がある鉾で囃子方を務めています。
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また母方の祖父の会社前に鉾が建っていたりしたため
幼少時から鉾に乗せてもらったり
鉾に飾る染織物などの懸装品を見せてもらいました。
間近で見る鉾の重厚感、美しさ、荘厳さは
さながら動く美術館にいるような感じを強く抱きました。
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祇園祭から外れますが
京都には葵祭、祇園祭、時代祭という三大祭以外にも
様々なお祭りがあります。
私は京都市右京区で育ちました。
そのご縁もあり、同区にある野宮神社の斎宮行列で
斎王代をさせていただいたり
嵐山で例年五月に行われている三船祭で
清少納言を務めさせていただきました。
やはりそれぞれ関わる人たちの思いや
祭が人々に支えられて守られていることを凄く感じています。
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今回のイベントは
音楽だけではなく、会場内では
生け花や洛中に今も唯一残る蔵元で作られた
日本酒に触れる機会があります。
じっと演奏を聴くというわけではないので
京都で培われてきたいろいろなものに触れ
五感で楽しんでほしいという気持ちがあります。
私は高校時代、京都市と姉妹都市の関係にある
ウクライナの首都キーウ(キエフ)に留学していました。
今年に入り、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻も起きました。
今、テレビなどで当時、通っていた場所や
歩いた通りなど現地の映像を見たりしますが
戦争により破壊された街並みを目にすると
懐かしいよりも心を痛めることが多いです。
さらには、新型コロナウイルスの感染拡大により
外出自粛など日常生活に大きな影響が及びました。
コロナ禍とキーウ。
この二つの出来事が心に引っかかっており
このようなイベントを通して
文化の芸術の良さを広く知ってもらうとともに
皆様にも心豊かになっていただける機会になれば幸いです。
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