大事なことを思い出したスタジオ授業。社会人を経験して学ぶことについて|ミラノ工科大建築学部
こんにちは。
今回はスタジオの授業でうれしいこと、考えさせられることがありました。
スタジオクラスについて
スタジオは隔週で先生が交代で教えているのですが、片方のイラン出身の先生はとても厳しいです。study hardととにかく言います。
今週の課題は下記でした。
・建築のelementsをグループでリサーチして原稿提出する
・各辺10cmのキューブを作成
・3つは異なる材料で作成
・残りの9つはそれぞれsubtraction/ addition/ framimgをすること
*上の3つの材料からひとつ選び、それでつくること
・リーディング
このうちリーディングは間に合わず、やばいと思っていましたが、わたしと同様にほとんどの学生がリーディングまで手が回らず、またもや先生はお怒りになりました。私たちが完全に甘かったです。。。
さて、この3つの課題のうちキューブが最もハードでした。2日くらい前から睡眠を削って作業し、前日、というか当日の5時まで粘るも少し間に合わない部分がありました。
授業では建築家はprecise(正確)でなければいけない。だから、これから一個一個メジャーで測って回ります。と先生が言い、みんなomg…というリアクション。そして、正確でない、かつクリアなコンセプトがないものは不合格、また始めからスタートだと言いました。
さっそく前の席の学生から対話方式で始まりました。その間私は間に合わなかったリーディングをしていましたが、他の学生はおしゃべりしていてとてもうるさかったです。さっきあんなに言われたのにおしゃべりかーい!と心の中で思っていました。
すると、教授もまた怒り、自分のキューブが絶対合格できると思うなら喋ってもいい。とのこと。そんなわけないですよね。
そんなこんなで私は5人目の学生でした。自分の番が来た時とても緊張しましたが、先生はひとりひとりと話すときは優しかったです。私はあまりアイディアが思いつかなかったので、PinterestやLabに置いてあった石の模型などみて思ったことなどノートに書いていました。すると、先生は私の作品を見るなり、「あなたが良い建築家になりそうだと思う」と言ってくれました。とても嬉しかったです。準備したことがわかったのかな?と思います。
結局3つのベーシックなキューブは一つが合格、ひとつは合格のものほど正確ではないけどOK、もう一個の材料は熱カッターで切るべき材料だったみたいで、あらかじめこれは正確ではないと伝えましたが、面白い材料を選んだと評価されました。
そして残りの9つのキューブはtoo simple, too basicなどで却下されたものがいくつか、コンセプトと少し違うことをしていたのが1個でした。しかしそれぞれ一個ずつOKをもらい、このままimproveするように言われました。5人目だったので、私が初めてのconfirmationをもらった学生だよと言われました。
ほとんどの学生はすべてやり直しみたいです。中には泣いてしまった子もいました。ちなみに、見るからに正確でないものはもはや測りもせず、はいやり直し!と言う感じでアドバイスすらくれなかったようです。
何を思ったのか
今回、社会人を経験してから建築を学んで良かったと心底思いました。
というのも、大人になって、良いパフォーマンスをしてお金を稼ぐということがどんなに大変なことか、準備をすることの重要さを理解しているからです。若い学生はもしかしたら教授がただの厳しくてこわい先生だと思っているかもしれません。でも、私は彼が私たちを立派な建築家に育てるために必要なこと、マインドセットを教えているとわかります。そのためには甘やかして楽しいことだけではできないということもわかります。
また、なぜ彼はこのエクササイズをやらせたのか?と意図を汲んで考える癖おついていたので、材料を試して自分でその性質を知ることや実験することなどあげればキリがないですが、すごくこの先生がすきだなと思いました。
同時に、もっと勉強しないといけないし、私は建築を学びにここに来たんだ、遊ぶためではないと痛感しました。
そして、最近考えていたクラスメイトとの関係についても考えました。正直、高校を卒業したばかりの子達なので、「この人の人生めっちゃ面白い!超cool!」という人はいないです。それにそんなこと求めても不可能だと悟りました。クラスでのおしゃべりなども見ると、マインドセットを彼らと同じにしてはいけないとも思いました。これからはただただ自分のベストを尽くして、やるべきことをやって、夢をかなるんだ!!!と強く思いました。
*年下だからといって下に見ているわけではありません。彼らには英語の面でも助けてもらっていますが、時に経験の差や人生の悩みも違うなぁと違いを思い知らされるという感じです。
授業後に疲れ切っていたのでご褒美としてみんなとジェラートを食べていたのですが、正直そこまで興味のない話にずっと付き合っていて、反省しました。私は彼らより約10年歳をとっているので、その分キャリアも短いです。10年とう月日は長いです。私はそのことを常に念頭において、優先順位をつけて、時に楽しみつつ勉強しようと決意しました。
ストイックな業界にいた経験が活きていると思うと、今までの人生がすべて無駄ではなかったなと感じられ、嬉しさとやる気と圧倒的な疲れで幕を閉じた1週間でした。
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