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本日も新規事業開発や商品企画のヒントになる情報をお届けします。

前回、前々回と「聴診音のAI診断支援」の企画についてお伝えしました。

その記事はこちら

この「聴診音をAI診断で支援する」という企画の中で
”プロジェクト理念”を定義したことにより
企画が加速したことを実感しました。

今回はその経験より「プロジェクト理念を定義する効果」についてお伝えしたいと思います。

◇ヒアリングだけでは思いが伝わらない◇


医療系のサービスビジネスを立ち上げるというミッションが与えられ
ソニーの技術と医療業界の課題を洗い出し
病院、医師、医療関係者へのヒアリングを行ったわけですが

最初は我々のアイデアを聞いてもらえるものの
皆さんとてもお忙しいので「面白いですね」で終わってしまっていました。

超多忙な中、
これからどうなるかも分からないプロジェクトに
そう簡単に協力してもらえるわけないですよね。

実はこのプロジェクトでは、
まだプロジェクトの理念やミッションを設定していませんでした。

ヒアリングを一巡させた後

やはり理念をつくろう!ということになり
メンバーで、ヒアリングで得た内容も元に

「俺たちは何のためにやるのか?」
「このプロジェクトの目的は何か?」

などいろいろ考えを出し合ったのです。

◇チームのベクトルが統一されたプロジェクト理念◇

おそらく1週間ほどですが
じっくりと時間をかけました。

こちらが我々が制定したプロジェクト理念です。

――――――――――――――――――
技術と新しい仕組みで、
医療従事者を支援し、
医療の質向上に貢献する。
――――――――――――――――――

技術はソニーが持つ映像や音声の技術
仕組みは我々がつくっていく事業のこと

医療従事者の方々は本当に大変な中、
パッションを持って日本の医療のために尽力されています。

その現実を目の当たりにして
我々の役目は”医療従事者を支援すること”としました。

医療の質向上” という言葉は
多くの医師の方が共通して言われていたキーワード。

我々も共に想いを1つにするためにも欠かせないワードでした。

よってそこに貢献するのが我々の役目。
プロジェクト理念を以下のように設定したのです。

https://gyazo.com/b34e2f65b895315baaad2a9b6d2e118f

いかがでしょう?
自分で言うのも何ですがよくできたプロジェクト理念だと
今でも気に入っています。

◇チームのパワーが増し顧客の熱意も上がったプロジェクト理念◇


資料によっては
”プロジェクト理念” だったり”プロジェクトミッション” だったりと
いろいろな言い方をしていますがどちらでもいいです。

大切なことは
理念を設定したことで本当に企画のパワーが増したということです。

多くの効果がありましたが、
代表的なものを3つご紹介します。

(1) 自分たちのモチベーションがあがった
(2) 社内の協力者が増えた
(3) 社外の方々の協力が格段にあがった

ひとつづつ簡単に触れると

(1)自分たちのモチベーションがあがった

目的が明確になると
やはりモチベーションがあがります。
さらに
いろいろな判断の基準となるため企画がぶれなくなります。

(2) 社内の協力者が増えた

社内でも社外でもプレゼンするときは、
表紙の次にこのプロジェクト理念を説明していました。
そうすることで
社内の多くの方の協力が得られるようになり、
さらには、
この理念に共感し
プロジェクトに入りたいと自ら上司を説得して、
プロジェクトに参加してくれるエンジニアも出てきました。

(3)社外の方々の協力が格段にあがった

なにより「社外の方々の協力が格段にあがったこと」が大きかったです。
先にもお伝えしましたが、超多忙な医師の方々。
我々にじっくり協力している時間なんてありません。

それが
この理念を示したことで
我々への協力ではなく”医療の質向上” のために
プロジェクトに参画いただけるようになりました。

目的が
”我々への協力”から
医療の質向上”に変わったわけです。

いろいろなKOL(キーオピニオンリーダー)医師もご紹介いただき
プロジェクトが一気に加速しました。

皆さんのプロジェクトもプロジェクト開始時点では
理念やミッションもボヤっとしているかもしれません。

顧客やステークホルダーのヒアリングを重ねながら
ぜひ、理念やミッションを設定してみてください。

必ずプロジェクトが加速します。

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