「モノ」から「コト」へ の時代~だが顧客価値はモノとコトの統合サービスである~
昨今の製造業の新規事業においてよく聞くのが
「”モノ”から”コト”」というキーワードですね。
前回の記事では「製造業のサービス化」についてお話ししましたが
「モノ売り」→「コト売り」への転換も同じテーマになります。
今回は「”モノ”から”コト”」について考えていきます。
|「モノ」から「コト」への転換とは
前回の記事で「製造業のサービス化」についてお話ししました。
記事の内容はこちらから↓
製造業のサービス化は
「モノ」→「コト」への転換
と同じことを意味しています。
端的に言えば
商品(プロダクト)の製造販売に
サービスの要素を付加するビジネスモデル
になります。
製造業が今までのように
商品(プロダクト)をつくるだけではなく
サービスという価値をつけることによって
販路を広げ、ひいては生き残りをはかる
意義は確かに大きいです。
ただ、最近の傾向は
「”モノ”ではなく”コト”」
「”モノ”からの脱却」
のように言われることがしばしばです。
「モノ」から「コト」への転換が
”モノ” を否定するような捉え方になっているように思えてなりません。
”コト”へのシフトばかりを注視するのは
ちょっと行きすぎかなと私は感じています。
|モノとコトを統合的にとらえる
ではどう考えたらいいのか。
ここでいう “コト” を単にサービス業ととらえるのではなく
“モノ” とそれに関連するすべてを含めた
“顧客体験”ととらえると分かりやすくなります。
2020年に経済産業省がまとめた
「サービスデザインをはじめるために」
に非常に分かりやすくまとめられています。
ご存じない方は一読をお勧めします。
こちらから↓
https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200420002/20200420002-1.pdf
このような記述があります。
その通りだと思います。
インターネットなどによってビジネス環境が変化した、
そしてこれからも急速に変化していくことは事実です。
ですが、言わゆるモノ、すなわちプロダクトは
未来永劫無くなることはありません。
製造業が造るモノは非常に価値があるものです。
モノを造るという原点をおざなりにして
コトだけが一人歩きしてしまっても意味がありません。
|顧客価値はモノとコトを統合するサービス全体にある
さきほどの資料にあるように、
“モノ” のみに視点をおいていたメーカーは
自社が創るモノの価値を軸にしてみましょう。
そして、どのようにお客様に
・それを知っていただくか(認知)
・買っていただくか
・サポートを提供するか
というように全体をみる必要があります。
さらに今後は利用後の廃棄や処理までを
視野にいれることも重要になってきます。
まずは
顧客や社会への価値は何か?
本質は何か?
をしっかり考えたいものです。
そうすれば
“モノ”、“コト”、さらには“サービス” というワードにとらわれず、
ビジネス全体=顧客価値・社会価値全体
をデザインできるようになります。
言うは易しで、実行するのは簡単ではないとは思いますが、
企画段階から構想はできるはずです。
“モノ”だけ、“コト”だけではない
それらを統合するサービス全体を見ていきたいですね。
ぜひ、“モノ”と“コト”を統合的にとらえ
そして、ワードに振り回されず、
本質は何か?
をしっかり考えていきましょう。
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