かつては不登校児に近かった
もうあと100mで小学校なのに、座り込んでしまった。
いやだ、行きたくない。
お母さんが電話してる。
しばらくして、担任の先生が走ってきた。
わたしも、かつてはそうだった。
保育園に行かないと泣きわめいた。祖母が機嫌とりとりして、手をひいて連れて行く。保育園の前では園長先生が待っていたが、手前で座り込んだ。
いやだ、行きたくない。
園長先生が祖母の手からわたしを引き離して...
記憶はここまで。
園内に入っても泣きわめいて座っていた、らしい。そのうち、友だちが遊んでいるのを見ているうち、誘われて、そろりと仲間に入れてもらった。そのあとは普段と同じように、機嫌よく遊んでいたという。小学生になって、祖母から聞かされたことだ。
小学校に入ってからも、学校に行きたくない、という気持ちが強く前に出たことを覚えている。
風邪ひきか何かで何日か学校を休んだあと、この「行きたくない」症状が出た。学校がイヤでも、友だちが嫌いでも、いじめられたわけでもない。「行きたくない」理由が心に居座るのだった。
学校を数日休んだことで友だちとの遊びに空白ができた。それを埋めるのにどうしたらいいのか、心配になる。仲間に入れてもらえるのだろうか。授業は進んでいるだろうなあ、先生や友達に教えてもらうのも気が引ける、そんな気持ちが前に出た。
一日でも早く学校に戻れば心配は軽くてすむのに。行きたくない気持ちが前にでると、ますますそのギャップが広がっていく。
今でも「行きたくない」気持ちになることがある。出なければならない会合を1-2回欠席したあとの次の会合の時など。自分の都合で休んだことにきまりが悪くて。何ごともなかったかのようにケロッとして出席すれば済む、なのにそれがむずかしい。他人はわたしが思うようなことは、かけらも意識してないのに。
なんだ、今も保育園のときから変わってないじゃないか。