言葉を、取り戻せ。
■「言葉が奪われる」ということ
自分の言葉を奪われると思考が出来なくなる。奪われたところに相手の言葉を置かれると、洗脳される。たとえ洗脳に気づいたとしても、一度置かれた言葉はそのままだ。相手の言葉を取り外し、自分の言葉を置き直さない限り、洗脳は解けない。
私達の周りには、人の言葉を平気で奪う人間がいる。時間を、労力を、精神を。何食わぬ顔で奪う人間がいる。一見すると、ただワガママなだけに見えるそいつは、悪魔にも劣る非道極まりない存在だ。自分が持て囃されることを当たり前にし、そうしない人たちを全否定する。
■言葉を奪われ洗脳される
人間の皮を被ったそいつらは、時として甘い顔を見せる。興が乗っている間だけ、悦ばせようとしてくる。少しは人の気持ちがあるのかというと、そうではない。
DV加害者は、そのほとんどが暴力を働いた後に謝罪し優しさを見せる。
飴と鞭によって振り回された人たちは、いつしか自分で考えることが出来なくなってしまう。これは、奴らが人々を思考停止させることで、自分の奴隷とすることが目的だからだ。カルト宗教やネズミ講と何ら変わらないが、わかりやすく直接的な被害にならない限り表面化しにくい。
こうして出来上がるのが、心と体が支配された都合の良い人たちである。この人たちの肩書は、友人・恋人(元、が多い)・セフレなど、常人が理解しやすい関係に見えるが、実のところ奴隷に過ぎない。そしてこの奴隷化の厄介なところは、互いの関係性以外にも悪影響が出るということだ。
相手がどう思うかについて考えることを止めているため、感受性が鈍ってしまう。まともな論理を放棄せざるを得なくなっているため、常識から離れた行為をしてしまう。
やがて周りには、助けてあげられる人がいなくなる。
特殊な話をしているように見えるが、実のところこうしたケースは少なくない。仕事上のパワハラや、地域のコミュニティにおける対立などは、これが原因ともいえる。
また色恋沙汰による思考停止は、事態が複雑になりやすい。とはいえそれは色恋ではなく、単なる性欲を勘違いしているパターンも多いが。
■その言葉はあなたのものか
いずれにせよ、言葉を奪われ思考停止するということは現実に、いやあなたのそばに存在する話なのだ。
もしかしたらあなた自身も、誰かに言葉を奪われているかもしれない。
ちなみに確かめる方法はあって、普段よく使う口癖や行動パターンをチェックするといい。その言動の由来を探ることだ。
何気なく使っている「可愛い」や「面白い」は、本当にあなたの言葉だろうか。もしかしたら、誰かに植え付けられた概念ではないだろうか。
私もまた、自分の言葉を確かめ続けている。なぜなら私も、思考停止をしていたからだ。
私のような人が、これ以上増えないことを願って、これを書き記す。
言葉を、取り戻せ。