【詩】あらゆるところで輝けるもの
上を見ると、星があった
綺麗とはいえないけれど、力強く瞬いていた
前を見ると、星があった
同じように、力強く瞬いていた
下を見ると、星があった
どこを見ても、星があった
そんなわけ、ないと思った。
星に、雲がかかった
どの星にも、雲がかかっていた
雲に、囲まれていた
必死で抜け出そうとして、手でかき分けても、雲は全く動かなかった
気がつくと、あらゆる方向から雨に打たれていた
いつの間にか、ひざを抱え込んで座っていた
絶望が、心を満たそうとした時、ふっと思った
あの星が見たい。
突然、雨はやんだ
もう一度、雲をかき分けた
厚く、重たくて、でも、動かせないわけじゃなかった
星が、瞬き続けているかはわからない
それでも
雲をかき分けていけたのなら、
その先には、輝く何かが、見えるのだろうか
その時には、輝く何かを、ちゃんと見ていよう
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