【詩】兄の口から示された未来
やっとわかった。
「お兄ちゃんが愛されてたんだ。
僕が愛されていたわけじゃなかった。」
そう思っていたから、
復讐したかったんだ。
復讐の意味もわからないまま、
自分を傷つけて、
頑張ってるけどうまくいかないフリをすることで、
どうしたって失敗する人生を歩みたかったんだ。
そうすることが、
愛してくれなかった復讐になるから。
もういいよね。
だってもう、気づいちゃったよね。
復讐しても満たされないことも。
誰にもどうしようもなかったことも。
父と母が、それでも僕を愛してくれていたことも。
自分でかけた呪いから、もう解き放たれよう。
お祝いしよう、僕という存在を。
お兄ちゃん、ありがとう。
またね。
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