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人生案内

死生観の悩み

死生観で悩む人は多くいると思いますが、その程度は様々です。深刻な問題となり、坐禅に打ち込む人や出家するなどして仏教に頼りを求める人もいます。とにかく一心に仏様や神様にお祈りする方もいます。宗教でなくても、拠り所は様々でしょう。

あるお坊さんは、死というものを意識して生きていない人が多い。なぜ、死生観をもって生きないのだ、ということを述べていましたが、どうなのでしょう。私は、生きている中で悩み苦しみによって問題がないのであれば、特に宗教観をもったり、死生観をもつ必要性はないと思います。ただし、問題が現れてきたときに、どうするかです。

仏教は、その解決への方法を説いてくれますし、しかも対症療法ではなく、その人の心のあり方にアプローチし、根本的な解決へと導いてくれるものと私は考えています。

1人の不安

読売新聞の「人生案内」に、1人で家にいるのが怖い、という悩み相談が掲載されていました。60代の女性で、妹さんの配偶者が亡ったことがきっかけで、「自分が1人になったらどうしよう」と不安を感じるようになってしまったというのです。

日中は1人で家にいられず、外に出るようにし、保育士の仕事や趣味の時間ではその不安感は感じないが、誰もいない家に帰るのは苦痛であると述べています。

この悩みの場合はまず、マインドフルネス、気づきの実践によって、自分の感情をしっかりと観察することが大事です。不安な気持ちがあって、それに溺れていると何もかもがネガティブに捉えられてしまって、負の連鎖となってしまいます。瞑想や坐禅を習慣にすると良いかと思います。

また、仏教では、自分という存在はもちろんのこと、あらゆるものがそれ自体だけで存在することはないと説きます。縁起の道理にしたがって、あらゆるものは他のものに依存しているし、自分の目では認識できないものから常に影響を受け、逆に他に影響を及ぼしたりしています。この教えを信じることができれば、思い通りにならないことは当然の事なんだと思えるようになり、次第に自我の観念は薄れていき、それにともなって悩み苦しみも抑えられていくでしょう。

それと、やはり人は、人とのコミュニケーションによる共感とか信頼があってこそ、幸福感を感じる生き物です。誰かの為になっているとか、誰かに支えられている、という感覚は心身を安らかに、そして、軽やかにしてくれます。そういった意味で、家族のみならず、趣味や仕事関係において、親しい友人などの存在は重要でしょう。人とのつながりを意識した生き方が大事だと思います。

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