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自信をなくしたら良いことを思い出せ

『アンパンマンたいそう』の歌詞には

 もし自信をなくして くじけそうになったら
 いいことだけ いいことだけ 思い出せ

と冒頭にあります。

よっぽどの楽観的な人でもなければ
自信をなくして落ち込んだことがない
という人はいないでしょう。

期待通りの結果が得られなかったり
大きな失敗をした時

自分の言動や行動が他人に
否定された時

自分より優れた他人と比較して
自分の力が劣っていると感じた時

環境が変化したり未知の状況に
置かれた時

我々は、
以上のような状況に遭遇した際に
自信を失してしまう恐れがあります。

特に努力家であれば
その努力が報われず踏みにじられるような
経験をすれば、尚更かもしれません。

あるいは
普段、周りからの評価を気にしていない
承認欲求があまりないと思っていても
何らかのきっかけで自信をなくし
自暴自棄になることもありえます。

そんなときにこの歌詞は
力を与えてくれそうです。

自信を失くし
落ち込んでしまったときは

とにかく自分が好きなこと
楽しかった過去のこと

を思い出して
気持ちを晴れやかにしましょう、

と訴える歌詞であろうと思います。

自信過剰が過ぎると悪い結果も起こり得ますが
自信をまったく失った状態でも
悩み苦しみが大きくなります。

酷い場合には精神的な問題へと
発展することもあります。

そのように自分への愛情を高め
ポジティブになるための教えとして
素晴らしい歌詞だと感じます。

これには、仏教瞑想における
「慈悲の瞑想」の内容に似た部分があります。

慈悲の瞑想は
仏教の瞑想実践の基本にあります。

「慈悲」の瞑想ですから
他者への慈しみの心を養っていくことに
主眼があるのですが

この瞑想ではまず初めに
自分自身に対して慈悲の心を向けることを
イメージするという点に特徴があります。

自分自身が健康であり、心安らかであり
悩みなく、幸せでありますように

などと願います。

その後に、
自分にとって大切な存在や
逆に嫌いな存在、
最後に生きとし生けるすべての存在へと
慈悲の心をイメージしていくのですが

まず最初に自分自身に
慈悲の心を向ける、という点が
重要なのです。

このような点で
アンパンマンの曲との共通点を感じます。

やはり何事においても
落ち込んだ状態が続くのは
避けたいものです。

自信をなくしたり落ち込むことは
決して避けられることではないですが
そうなってしまった時の解決法は
いくつか持っておくと良いのかもしれません。

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真言宗のお坊さんKの小話
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