言語的能力は自分を守る
日本人は言語的能力が低い事を指摘されています。
その理由の1つには、日本の中等教育で「アカデミックライティング能力」を教えてこなかった事と訓練させなかった事であると、言われています。
アカデミックライティングとは、かたっくるしい言い方をすると
卒業論文や研究学術論文などの学術的文章を、書く技術・書く行為・書いたものを指しています。
本質的な事を言えば、相手に正しく伝える能力の訓練って事です。
例えば、言語的能力が苦手な人の特徴は
単語を並べるだけで文脈が分かりにくい人
難しい単語(専門用語)を使うが分かりにくい人
誰かの文章を丸々コピーして話す人(つまり自分の言葉になってない人)
主張すらまわりくどい言い方をする人
結果として何を言いたいのか分からない人
核心の部分を短い言葉で表現できない人
何を伝えるべきかすら理解していな人
と、みなさんの周りにもいると思います。
逆に、言語的能力が高い人は基本的には
「例え・具体例」が非常に秀逸です。
講演会でも、司会者でも、プレゼンでも、クライアントへの説明でも、相手に合わせた例えや具体例を言語で表現する事で圧倒的に理解を進めさせることを可能にさせます。
言語的能力の根幹となるアカデミックライティングを教育・訓練させない事は言語的能力の低下を招いたでしょう。
日本の教育は当時は、先生の言う事が絶対という時代だったので、
アカデミックライティングのように生徒が能動的なstyleではなく
「ただ従順に席に座り指示を聞く」という受動的なstyleにしてしまったのです。
だからこそ教科書丸暗記とかテストをクリアする為の暗記と、言語に対して「記憶」という能力に重きを置いてしまいました。
我々の言語コミュニケーションでは記憶が重要であることはほとんどありませんし、昨今では忘れてたり知らないなら調べればいいだけなのです。
重要なのは、知識の記憶ではなく
情報に対する個人の解釈と自己構築です。
それこそがあなたらしさを創るんです。
さて
言語的能力を向上させる子供への教育として、
行われているのは
○正しい情報の伝達が必要な際に、曖昧な表現を徹底的に許さない
○抽象的な言葉がでてきたら、具体的レベルまで言語で落とし込ませる
○擬音語等で曖昧にさせず、言語で説明する
○相手の理解力に頼る話し方をやめさせ、
相手に伝わる表出方法を考えるという思考を訓練させる
どれも大切です。
文献も論文も講演等も、相手に伝わる事が重要という原則をしっかり抑えるという事です。
自分の為だけなら日記とかでいいでしょう。
普段から言語能力をトレーニングするなら
○新聞社説を何社も読み、筆者の主張を理解して、自分の解釈をいれて、自分の言葉で構築する
○論文を査読する。
実験の背景、筆者の結果の解釈、問題点、それらをキーワードで理解していく。その論文が自分にはどう活きるか考える。
例えばNOTEに記事にするもよし、誰かに話すもよし、自分が論文を書いてみるのもよし
○常に自分に、なぜ?と具体的に説明を求める
なぜ朝ごはんを食べる?なぜそのメニュー?
なぜ通勤してる?なぜ仕事をしてる?
これ、慣れていない人からしたら
固いし嫌な感じもするかもしれませんが
慣れてくると、自分が楽になります。
精神科の患者さんでは、やはり言語的な能力が
粗雑な方が多い。
なんとなく辛い。
何が辛いか聞かれても具体的に説明できない。
相手になかなか自分の想いが伝わらない。
そしてまたイライラする。
これはやはり辛い。
まだ自分が具体的に辛い原因を理解していて
相手にも適切に伝える事ができると
色んな助言や、視点をもらえたりして
新たな行動を生み出せるのですが
自分が、抽象的で曖昧なままざっくりに考えてると
原因が分からない不安に加え
他人に伝わらない
という2重苦を味わいます。
ということで
言語能力の大切さが0.1%でも伝われば
いいかなと思っています。
人間は、言葉にすると楽になるという心理が
どうもあるみたいです。
人に話したり
日記に書いたり
とね。
それは、やはりストレスになっている原因が
言語になると
はっきりと見えてくる安心もあると言われています。
勉強ってほんとは
すごく生きやすくなるためのアイテムなんですよね。
嫌いになってしまっている方
ぜひ、一度
小説でもいいので、色々な言語に触れて
色々な解釈に触れて
自分の言語も改めてみてください
では、よい1日を(人 •͈ᴗ•͈)