公社が2月に見たい演劇
爍綽と 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』
1/29〜2/2(会場:浅草九劇)
女優・佐久間麻由が一緒に組んでみたい演劇人と作品を作り上げるためのプロデュースユニット。今回の作・演出は萩田頌豊与(東京にこにこちゃん)。2022年に上演した作品を大きく描き直したリメイクを上演。前回は安藤奎だったし、佐久間さんナンセンス系が好きなのかしら。お話は、ロミオとジュリエット、悲劇に終わったあの話がもしかハッピーエンドで続いていたらその後どうなったのかを描く。
出演は佐久間さんに加え、にこにこちゃん常連の髙畑遊、てっぺい右利き、内田紅多(人間横丁)、吉増裕士(ナイロン100℃)、ブルー&スカイという豪華なメンバーに、萩田作品久しぶりの参加となる 東野良平 (劇団「地蔵中毒」)。
名称未設定の夢『Untitled( )』
1/30~2/2(会場:おぐセンター)
怪談やオカルトが好きなメンバーが集まったユニット。金内健樹(盛夏火)が作・演出を務める作品は、0円から無限円まで値段自由設定制。詳細は不明だが怪談好きによるユニット、チラシからしてなんとなく不穏で楽しみ。
窓の階『ここはどこかの窓のそと2』
2/6~8(会場:テルプシコール)
せんがわ劇場演劇コンクール12代目グランプリの関西ベテラン劇団 “階”。公演ごとに劇団名を変えるが、今回は窓の階。2000年に山羊の階として上演した作品の続編。図書館を舞台にした1作目と同じく、今回の舞台は休館中の図書館。本を返しに来た一人の女とその場に居合わせた人間を描く会話劇。
現代サーカス集団RUTeN『砂上の楼閣 -Re.creation』
2/7~9(会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷 スペースC)
展覧会と上演企画を公募するTOKAS毎年恒例の現代アート企画。意外と演劇と親和性の高い企画なのだが、今回は見ての通りサーカスユニット。日常で目にする素材を非日常なサーカス器具として取り入れて、想像力や記憶へのアプローチをする現代サーカス公演。
B子『まともな星』
2/11(会場:イズモギャラリー)
主流から独立した一人芝居を上演するオルタナティブ演劇人。佐藤佐吉賞候補(戯曲賞、主演俳優賞)に選ばれ注目度上昇中の中今年最初の新作。1日9回公演で上演。
悦楽歌謡シアター『蘭獄姉妹の異様な妄想』
2/12~16(会場:遊空間がざびぃ)
対照的な二人の怪女優による演劇ユニット。旗揚げの短編演劇に続き初の長編作品も松森モヘー(中野坂上デーモンズ、モヘ組)。不穏な館を舞台にした作品に、姉妹団体・劇団ドラハのメンバーや松森作品常連の佐藤昼寝、矢野杏子が出演し松森の混沌が際立ちそう。
演劇企画もじゃもじゃ『大恋愛』
2/14~16(会場:SCOOL)
昨年の若手演出家コンクールのファイナリストに選ばれた若き実力派。自作BL漫画の演劇化や静謐なSFなど幅の広い作風なのだが、今回は物販として販売している主宰・中山美里の恋愛をつづった「失恋記録簿」を演劇化するという。かなり生々しいドキュメンタリー演劇になるのではないか。
第10回東京学生演劇祭
2/20~23(会場:王子小劇場)
毎年次世代のスターが登場するお楽しみ。今回はなんといってもはねるつみきの参加。第3回全国学生演劇祭で名古屋学生演劇祭代表としてグランプリを受賞し。佐藤佐吉演劇祭にも選出された実力派。もう学生じゃないだろと思ったら、今回限り主宰と演出家と座組の7割が25歳以下の劇団であれば参加できるようで、ラストイヤーでの参加だそう。活動休止していたがこれを機に再開。そのほか、息切れカメレオン、ん坊の国と早聞きな演劇ファンから名前があがる注目団体も参加。さぁ青田買いに参加しよう。
太郎物語『洒落をきかせて』
2月20日(木)〜2月23日(日)
キッチュなビジュアルセンスを武器に活動する若手女優2人組ユニット。池袋パルコとコラボ、ファッション雑誌『装苑』でのインタビューなど演劇界通り越してサブカル界で注目が上がりつつある。しかし、きちんと演出家として非凡なテンポ感覚を持ち合わせており期待。恋人を亡くした少女をめぐる、忘れられない記憶の話。番外公演しか見たことなく本公演は未見なので大期待。
長谷川愛 没入型インスタレーション『PARALLEL TUMMY CLINIC』
2/20~3/7(会場:SHUTL)
生命科学を応用したアート作品で知られる芸術家。代表作は、実在の同性愛カップルの子供を遺伝子情報からシミュレーションして家族写真を作成し文化庁メディア芸術祭で優秀賞を受賞した『(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合』。
その芸術家が今回は空間を移動しながら鑑賞する作品を発表。2070年代、人工子宮[PARALLEL TUMMY]の活用が一般化し、誰でもあらたな生命を迎え入れることが可能になっていた。観客は「PARALLEL TUMMY CLINIC」というクリニックの患者となり、人工子宮の検討をしていく。今回の注目ポイントは山田由梨(贅沢貧乏)が脚本を務めること。気鋭の芸術家と人気演劇人のコラボ。これは見逃せない。
日本大学芸術学部演劇学科 総合実習A2 『空想科学』
2/21~22(会場:日本大学芸術学部 北棟 中ホール)
見ての通り大学の実習授業なのだが、この授業を担当する大池容子(うさぎストライプ)が2014年に上演した作品を自ら演出する。夢と現実が重なり合う世界での物語。大地の作品を無料で観れるなんてお得。そして未来の演劇界を背負う才能に出会える。
『果詩合U-29+α』
2/22(会場:丘の上工房ムジカ)
宣伝です。
詩人のハルタダイチ主催によるポエトリースラム。今回は若手詩人中心の言語だけの戦い。賞金1万円をかけてバトル。ポエトリースラムジャパン全国大会優勝者坂本樹(オトズレ)、西東京大会優勝者毎亡ヤンといった実力者から実力未知数のニューカマーまで。ゲストライブとして初代優勝者のくまねのライブ。
審査員は中堅の実力派詩人が担当し渡部裕、佐藤yuupopic、公社流体力学の3人。宣伝だけど、私は見るだけで出はしないのでここに入れます。でも審査って出るよりクタクタになるんすよ。
ポエトリーは言葉を使ったパフォーマンスなら何でもありという今最も尖ったジャンルなので演劇ファンも見てほしい。
岬企画
2/22~24(会場:イズモギャラリー)
何も分からない。Twitterみていても欽ちゃんの仮装大賞に応募していたことくらいしか分からない。どこの誰だか知らないが、なんか20作品やりますと書いてあるので短編20本だったら凄いなぁと。
はえぎわ『幸子というんだほんとはね』
2/26~3/2(会場:本多劇場)
カオティックな演劇から、現代口語の進化系へと歩み続けていたベテラン劇団の25周年記念。嘆きとエゴの演劇だという。
安住の地『暗室』
2/26~3/2(会場:アトリエ第Q藝術)
東京の演劇界隈での評価も定着してきた京都のアーティストグループ。我々の足元にある事件を写真現像にまつわる記憶と歴史を基にした物語。
さるさるさる松井絵里『心からのみこめば』
2/28~3/2(会場:水性)
多摩美出身のメンバーによって立ち上げられた団体。お風呂から上がってのどに違和感があったので掃除ロボットを飲み込む。というあらすじのとんでもなさ。メンバーに徐永行(ザジ・ズー)がいるのだが、なんか納得してしまうあらすじ
Nanori『Woodman』
2/28~3/2(会場:SCOOL)
俳優による劇場芸術の笑いを復権させるという目標を持ったユニット。狂言の系譜を目指すというが、いわゆるコント劇団は数多くある中でどう独自性を出すのか。
劇団さいおうば『ごろさすセンセイ』
2/28~3/2(会場:シアター711)
シチュエーションコメディの新星。安定した筆力で混迷する展開と怒涛の笑いですでに人気が高まっている。走れメロスをテーマにしたマフィア演劇。を上演しようとする演劇人の下にヤクザが自分の孫を主役にしてくれということから始まる騒動。劇中劇とバックステージコメディに裏社会物を混ぜ込んだ凝った設定。どう調理するか。
【宣伝】
二つあります
一つ目
1/25『公社流体力学賞2024 授賞式』
2024年の年間ベスト演劇(長編、短編)を公社が一人でリーディング。あなたが見逃した傑作をここで取り戻そう。
1/25(会場:兎亭)
料金1500円
18時開演(会場17時30分)
賞金を受賞者様に差し上げます。そしてリーディング。
あなたが見逃した傑作をたった一人で再現。私がステゴロで悪戦苦闘で上演。
二つ目
公社流体力学旗揚げ10周年記念企画 魂の3本勝負
『見てるだけならゴミだ、人殺しどもめ -Saitama JK Massacre -』
2/8、3/1,3/8(会場:兎亭)
一人の少女が死んだ。いじめられていた少女だったが、彼女ほど強い少女が自殺するはずがない。じゃあもしかして殺されたのではないか。少女たちに生まれる疑心暗鬼が破裂した時始まる、少女達だけの殺戮劇。
1本目は10年前に友人と立ち上げようとした劇団に戯曲を書き下ろしたら過激すぎるという理由で旗揚げ前なのに劇団を追放。一人芝居専門ユニット公社流体力学をやらざるを得なくなってしまった原因を作った未上演のお蔵入り作品をついに解禁。
一人芝居verアンドさらに過激にチューンナップ。
予約
尚、3本勝負は夏に2本目(再演)、秋に3本目(新作)を予定。
が、今の私はやろうと思っていた作品の再演をやる気が無くなったのでどうしようかなと。10周年記念なのでメモリアルな何かをしたいんだけど再演より新作をやりたい人なので