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演劇感想(~2023)

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2022年10月の記事一覧

『劇的な昨夜』の感想 (演劇ショーケース)

『劇的な昨夜』の感想 (演劇ショーケース)

三鷹にあるライブバー“おんがくのじかん”を舞台に6つの若手団体によるショーケース公演。
プロデュースはFUKAIPRODUCE羽衣や尾鳥ひあり等で活動する平井寛人。
平井は今年の佐藤佐吉演劇祭で初の若手発掘企画として行われた『見本市』のプロデューサーも手掛けており、見本市の兄弟企画と言っても過言ではない。
今回は3劇団ずつ2チームで構成されており
 
【αチーム】
ハコベラ(2014年結成)
みち

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劇団ヅッカ『演劇:恐怖について』の感想

劇団ヅッカ『演劇:恐怖について』の感想

構成:マツモトタクロウ
演出:渋木耀太
 シンガーソングライター、ハクビシンを見る女、恋する男。本人か別人か、(基本的に)三人による12個の断片
 
Ⅰ 暴力についての瞑想
Ⅱ ホーリー・マウンテン
Ⅲ さよならにっぽん
Ⅳ 路地裏の少年
Ⅴ 9月の海はクラゲの海
Ⅵ ラ・ジュテ
Ⅶ 夢中人
Ⅷ さよなら人類
Ⅸ 恐怖分子
Ⅹ 路地裏の宇宙少年
Ⅺ Wish You Were Here
Ⅻ Mon

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Not in service『JPN』の感想

Not in service『JPN』の感想

作・演出:not in service
会場:中野ウエストエンドスタジオ
ある団地は自殺の名所。その団地では警備員や仕事のために団地を訪れる人間、総菜屋の主人などが人間関係を作り上げている。中にある薬局で働く女性の元には奇病で急成長した少女が身を寄せる。彼女は地下で何かを見たらしい。
 
不可解が多発する怪奇演劇。観念性が強くて、幻想譚が近いか。
序盤は人々が次々登場、出入りを繰り返して要素が錯綜

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『田瓶奇譚集』の感想(演劇ショーケース)

『田瓶奇譚集』の感想(演劇ショーケース)

田瓶市という架空の地方都市を舞台にしたショーケース。
タイトルで分かる様に作品は奇譚のみというホラーに特化した企画である。
主宰の劇団肋骨蜜柑同好会が招集した4つの劇団に劇団肋骨蜜柑同好会の2作品を加えた6作品で構成される。
2チーム制でありそれぞれ
 
チーム「奇」: AURYN、Mrs.fictions、劇団肋骨蜜柑同好会
チーム「怪」: たすいち、日本のラジオ、劇団肋骨蜜柑同好会
 
として

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中野坂上デーモンズ『鬼崎叫子の数奇な一生』の感想

中野坂上デーモンズ『鬼崎叫子の数奇な一生』の感想

中野坂上デーモンズ『鬼崎叫子の数奇な一生』
会場:ザ・スズナリ
作・演出 松森モヘー

 田舎の資産家一族・鬼崎家。鬼崎龍三が全ての遺産を独り占めしようとする中、屋敷で次々と殺人事件が起こる。そしてそのカギを握るのは20年ぶりに帰ってきた女、鬼崎叫子。
 
デーモンズ初のミステリー演劇。横溝正史的世界観で描かれる、
最近のデーモンズは『死んだと思う』『安心して狂いなさい』と、特異な言語感覚をいかし

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