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[詩物語]ひなたぼっこ

柔らかな猫っ毛を
絡まないようにそっと撫でてくれる
次のページをめくる音がして
ほっ と一息、珈琲を啜る
そしてまた 優しい手がおりてくる
あたたかな縁側で 君にひざまくらされながら
僕はうとうとと幸せな夢をみる

君が微笑んでくれる夢の中
僕は目が開かないように固く閉じるんだ
どうしていなくなってしまったの?
涙が出て 名前を呼んだのに。

遠くから声が聞こえて そっと目を開けたら
僕の名前を呼んで
僕よりも泣いてるのは 君の方だった

あーあ、そうだったね
またふたりで ひなたぼっこしたいね
最後の鳴き声は 君に伝わったかな?

「ずっと大好きだよ」

僕は目を閉じて また幸せな夢を見る


お題はXにて【深夜の二時間作詩】様から「陽のあたる場所」


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