寂しかったことを理由にする女性たち
注:「寂しい」は「さびしい」とも読めるし、「さみしい」とも読める。そもそも「さみしい」自体が「さびしい」の音変化。
NPO法人ピルコンの理事長を務める染矢明日香は、2023年8月25日に<カジュアル化する「パパ活」のリスク――周囲が寄り添い、できることは #こどもをまもる >という記事を投稿した。
記事の一部を引用する。
この箇所を読み、筆者は複数のことを考えた。
「<たとえ被害にあったとしても、問題が表面化することを恐れて>というのは<たとえ被害にあったとしても、「自分がパパ活や援助交際に手を染めているヤバい人間であるという事実」が表面化することを恐れて>という意味なんじゃないの?」と感じたし、「SNSでは、パパ活や援助交際は気軽に始められて、若さを魅力として同世代がなかなか行けないようなお洒落でリッチな場所に連れて行ってもらい、たくさん稼げるというメッセージ」という箇所を見て、漫画を多数投稿しているダイアナなどのことを連想した。
そして「寂しかったからといってパパ活や援助交際に手を染めてよい理由にはならないよね」とも感じた。
たとえば非行に走っている男子中学生がいて、彼が「俺は家庭や学校で居場所がないんだ。自分が飲酒や喫煙に手を染めたり、反社の人を慕ったりするのは、寂しかったからなんだ」と本音を周囲の大人に打ち明けたとする。
未成年の非行を減らす上で未成年者の心理や境遇に寄り添うことが重要となってくる場面はあるだろう。
しかし、そうだとしても、「寂しかったからといって非行に走ってよいとはならないよね」という社会常識を軽視するのは誤っている。
筆者は染矢明日香の記事を読んで「自分がパパ活(P活)や援助交際をしていても、寂しかったんだから自分は悪くないんだ」などと感じてしまう女性が現れることを危惧している。
「そんなの杞憂だろ」と思う読者の方もいるかもしれない。だが、元AKB48篠田麻里子の例の騒動を思い出してほしい。
麻里子が或る男と不倫関係にあることに気づいた夫は麻里子に不倫の件を問い詰めた。
その際、麻里子は「だって…寂しかったんだもん」と衝撃的なコメントを口にしたのだった。
このコメントに対して「寂しかったからといって不倫してよい理由にはならないよね」というツッコミを入れたくなる方は多いのではないだろうか。
麻里子はAKB48に入る前キャバクラで働いていたことが報じられている。パパ活や援助交際がキャバクラ同様に水商売の一種であることは論を俟たない。
余談になるが、前述したダイアナはそこそこ読み応えのある漫画もそこそこあると筆者は感じているし、書籍デビューも果たしているようである。また、篠田麻里子の件では離婚が正式に成立したと発表されている。
パパ活や援助交際で「売る側の女性たち」と「買う側の男性たち」の両方がなくなることを願って、筆者は本記事を結ぼうと思う。