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悦びは苦の根本である 中部#1 根本法門経 読了
2023/04/07 に 中部#1 根本法門経 Mūlapariyāyasuttaṃ を読了しました。
[凡夫、有学(預流果〜不還果)、阿羅漢(無学)、如来]が、[地水火風、生けるもの、各種天、知覚したもの等]をどのように受け取るかについて解説されています。
凡夫は〜を喜びます abhinandati
有学は〜を喜ぶべきではない mābhinandi (mā abhinandati)
阿羅漢は〜を喜ばない nābhinandati (na abhinandati)
如来は〜を喜ばない nābhinandati (na abhinandati)
abhinandati v. 大いに喜ぶ, 歓喜する
‘Nandī dukkhassa mūla’nti
悦びは苦の根本である [訳: 片山一良]
経典の名前にもなっている「根本」とは上記の事でしょう。
nandī は「歓喜」、dukkhassa は「苦の」、mūlaṃ は「根, 根本」です。
如来は「悦びは苦の根本であること」そして「有→生→老死という縁起」を知ったので悦ばないとあります。
Na te bhikkhū bhagavato bhāsitaṃ abhinandunti.
かれら比丘は、世尊が説かれたことに歓喜しなかった、と。 [訳: 片山一良]
通常、「歓喜した、abhinandunti」で結ばれるところが「歓喜しなかった、 na abhinandunti」で終わっているところが珍しいです。
長すぎず短すぎずと読むのにはちょうどよいので、今後は基本的には中部経典を順番に読んでいこうと考えています。
パーリ文: tipitaka.org
片山訳: パーリ仏典 中部 根本五十経篇I 片山一良 (大蔵出版)
パーリ語釈: 増補改訂 パーリ語辞典 水野弘元 (春秋社)
ちなみに、すでにパーリ語で読了済みの経典等は以下の通りです。
慈経 Mettasuttaṃ
吉祥経 Maṅgalasuttaṃ
ジャータカ物語 #20 サルたちと湖のオニ Naḷapānajātaka
ジャータカ物語 #316 捨身月兎 Sasapaṇḍitajātaka
中部#26 聖求経 Pāsarāsisuttaṃ
中部#38 大愛尽経 Mahātaṇhāsaṅkhayasuttaṃ
中部#2 一切煩悩経 Sabbāsavasuttaṃ
中部#9 正見経 Sammādiṭṭhisuttaṃ
中部#12 大獅子吼経 Mahāsīhanādasuttaṃ
中部#48 コーサンビヤ経 Kosambiyasuttaṃ
中部#71 三明ヴァッチャ経 Tevijjavacchasuttaṃ
中部#74 ディーガナカ経 Dīghanakhasuttaṃ