【ボッコちゃん】祝NHKドラマ化!星新一の傑作をあらすじ・感想つきでレビュー!
ちょっと今回はミステリからジャンル越境しましてSFをレビューしてみようと思います。SFレビュー第1回目はボッコちゃん/星新一です。日本のSF作家御三家。"ショートショートの神様"で愛読する人も多い本作をレビューします。
※尚、予告後にネタバレがあります。
1.基本データとあらすじ
1-1.基本データ
1-2.あらすじ
2.主観的評点と向き/不向き
2-1.主観的評点とポジショニング・マップ
主観的評点は以下の通りです。
ポジショニング・マップは以下の通りです。
2-2.向き/不向き
3.ネタバレと感想
以下、核心の部分に触れておりますので未読の方はご注意ください。
3-1.結末(ネタバレ)
(ショートショートのうち"おーい でてこーいの結末です")
流されてしまった社の付近で発見された穴はゆうは数千メートルはある穴。村人が「おーい、でてこーい」と叫び小石を投げるも何の反応も無い。
学者や記者、警察達で究明しようとするが正体は分からない。そこに利権屋が社を建て替える代わりに穴を使わせて欲しいと申し出る。
利権屋は新しい社を村のために建て、同時に廃棄ビジネスを始める。原子炉の燃えカスや国家機密書類、死体や汚物等が捨て出される。
数年後、幾らかキレイになった街でビル建設に励む作業員。上から「おーいでてこーい」と声がし小石が落ちて来る。
村人の多くが便利な廃棄所として使っていた穴は実は自分たちの世界を無限に繋げる穴に過ぎなかったのだ。
3-2.ネタバレ感想
実は今まで一冊通して読んだ事が無かった星新一さん。一遍一遍が読みやすくどれも起承転結がしっかりしていて見事に回収する傑作群だと思いました。
"難しい用語を使わず、登場人物も沢山出さず、かつ5〜6ページで完成度高く終わらせる"と言うのはむしろ難易度の高い作業だと思います(裏返すと3百ページ以上有る本で世界観を作れていないSFは頁の無駄遣いとも言える)。
おーいでてこーい、殺し屋ですのよ、暑さ、親善キッス、なぞめいた女がお気に入りです。星新一の面白さの背景にあるのは、ユーモアセンス、社会風刺ですね。オススメです。