命がけで新しい言語を作る「ペルシャン・レッスン」
もしも命と引き換えに、新しい言語をいちから作らなければならないとしたら、そんなことできるー!?
昨日、棟上げ用の65個の弁当を作り、今日は久しぶりの何もない休日。ほんとに何もしませんでした。というより、昨晩、とある本を一晩中読んでしまい、朝方ちょこっと家事をした後、お昼寝でほぼ午後を潰す…という💦なので夜は1本映画でも観るか、と気になっていた「ペルシャン・レッスン」を見ました。
一言で言うととても良かった。ナチスの収容所、たまたま「ペルシャ語を習いたい」と思っていた大尉がいたおかげで、ペルシャ人とのハーフだと嘘をついたジルは一命を繋ぎます。
しかしそこから、大尉に毎夜ペルシャ語を教えなければならなくなります。一言もペルシャ語なんて知らないのに…
そりゃ、出鱈目な単語10個くらいなら、なんとか絞り出せそうだけど…熱心な大尉の要求は、1日4語から40語へ。新語を作りながら自分も記憶しておかなきゃいけないんですから、「いや、無理よー、そりゃ無理やー」ともうハラハラドキドキ。彼をペルシャ人でないのでは?と疑うドイツ軍部下も目を光らせています。
思いつきで言葉を作ることに限界を感じたジルは、あるリストをヒントに2000語を超える言葉を作って凌ぎます。このオリジナル言語を使って、終盤大尉が詩を作るまでになるところは、なんだかドイツ人の生真面目さが滑稽でもあります。
またこれ、ペルシャ語というところがとても絶妙。私はアラビア語と混同していたのですが、アラビア語とペルシャ語は同じ文字を使うけれど、全く別の言語(漢字を使う日本語と中国語のような関係)。使われている国もアラビア語ほど多くない。そこまで知られた言語ではないので、嘘がバレにくい。
そしてこの大尉も、自国の不利を薄々感じてテヘランに亡命したいと思っている…この言語チョイスがこの映画をよりリアルに感じさせます。
しかし長引く収容所生活の中、とうとう恐るべきことが…ペルシャ語がわかるらしい捕虜が収容所にやってきて…
最初は死にたくないためだけに嘘をついたジル。しかし日々過酷な環境に置かれ、最後には処刑されてしまう多くのユダヤ人を見るうちに彼の内面に変化が訪れます。そして彼が作り出した新語のリストは最後に…
2時間があっという間でした。