2020年10月の耳が惹かれたアルバム16枚(クラシック・ジャズ・ポップス)と天穂のサクナヒメいい…って話
10月はこれら16枚を聴きました。どれもオススメです。
忙しい人のためのSpotifyプレイリストはこちら。(主に1曲目を封入)
16枚のジャンルの内訳は
Classicalが7枚
Jazzが4枚
R&B/Soulが2枚
J-POPが1枚
Popが1枚
HipHop/Rapが1枚
(※分類はApple Musicに準ずる)
またそれとは別に
合唱は4枚
古楽は4枚
日本語詞は2枚
(※重複あり ※分類は個人の裁量に準ずる適当)
今年公開されたアルバムは16枚
今年以前のアルバムは0枚
選ぶ基準は
「(自分が今)何度も聴きたいか」
「(今聴いて)落ち着くか・頭が整理されるか・頭の雑音が消えるか」
です。
あくまでも自分本位です。肉体的に分かりやすいのを好みます。
音楽の効能・効果、用法・用量は人それぞれですので、あくまでも目安に。以下、順不同に感想とメモ。
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01. Here I Stand - iSing Silicon Valley
Date First Available : August 28, 2020
Manufacturer : Innova
Genre : Classical
シリコンバレーの子供合唱団。響きが繊細で落ち着く。美しい 。アルバム聴いた後の後味がいい。
曲目は現代作曲家がほとんど。合唱的に一般の耳馴染みのある作曲家だと8.のボブ・チルコットや、10.のドビュッシー(これは言わずもがな近代)がある。あと1.のEriks Esenvaldsもかも(前に取り上げるまで知らなかった)。
公式サイト見たら団体が力を入れてる三本柱の一つに視唱と聴音と音楽理論が含まれていた。これは音楽教育の基礎の基礎でどこでもやってる当たり前っちゃ当たり前なことなんだけど、やっぱこういうのを固めるのは大事だなあとしみじみ思う。カリキュラムの詳細キボンヌ。
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02. Chansons à boire et à danser - Airs de cour (ボワイエ: 酒と踊りの歌、宮廷歌曲)- Ratas del viejo Mundo
Date First Available : September 28, 2020
Manufacturer : Ramée
Genre : Classical
17世紀フランスの宮廷作曲家ジャン・ボワイエ(Jean Boyer)の作品集。
落ち着く。丁寧に抑制されて演奏された音楽。歌い散らかしてない、鳴らし散らかしてない演奏いいよね。それでいて不自然のない抑揚や畳み掛けるグルーヴもあり心を揺さぶられる。いい。
録音はベルギー、アントウェルペンの聖アウグスティヌス教会にて。
美しい歌曲と抑制の効いた舞曲は上品さを帯びたものですが、シターンやカンテレ、地声での歌などの響きが妖しいアクセントとなり、人々の集うところに生まれる様々な思惑も感じさせ、彼らならではの奥深さを音楽に与えています。
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03. 音楽と密談 (Music and Private Conversation) - 浦上想起 (Urakami Souki)
Date First Available : October 23, 2020
Manufacturer : 美しすぎた牛レコード
Genre : J-POP
最高。面白い。落ち着く。響きの移り変わりが幸せすぎる。どの曲も響きが琴線にくる。ベース好き。エモい。
あとMikikiによる本人へのインタビューはこちら(2019.10.11)
現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?
「Alan MenkenやJoni Mitchellや日本の古いポップスや、その他全員の楽曲です」
ここすき
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04. Babel - Calidore String Quartet
Date First Available : September 28, 2020
Manufacturer : Signum Records
Genre : Classical
これも最高。最初の一音の響きからぐっと引き込まれる。その後は楽器同士の会話が自然なリズム、自然な間でやりとりされていく。一音一音、一旋律一旋律の会話を互いに味わうように鳴らしてる。そういう弾き方だともし初めて聴く曲でもただただ音の会話として楽しめるのがいいよね、舞台演劇や漫才のように。
あと楽器の音いいなあ。このザリザリ感とふくよかさと流麗さが入れ代わり立ち代わりする演奏好き。
曲はシューマンの3番とショスタコーヴィチのE♭メジャーの9番とキャロライン・ショウ(Caroline Shaw)の曲。
キャロライン・ショウは1982年生まれのアメリカで活動する作曲家、兼バイオリニスト、兼歌手。
去年のアタッカ四重奏団による演奏で知ってる人も多いかも。というか自分がそれで知った。なんかTwitterなどでベストアルバムにあげてた人が去年チラホラいた印象。
3.のシューマンの弦楽四重奏3番の3楽章のアダージョモルトがめっちゃよかった。というかシューマンいいなあ。ねちっこいと食わず嫌いしてたかも知れない。
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05. Pick Me Up Off The Floor - Norah Jones
Date First Available : June 12, 2020
Manufacturer : Blue Note Records
Genre : Pop
ご存知ノラ・ジョーンズ。
なぜか一回聴いたきりでスルーしてた。再び聴いたらとてもよかった。
落ち着く。全ての楽器と声が調和してて心地良い。ストレスなく聴ける。調度いい。
ノラ・ジョーンズ、1979年生まれのアメリカで活躍する歌手、兼ピアニスト。1時間を超える生演奏を含んだデラックス版のアルバムもよかったです。
タワレコのアルバム紹介説明ページはこちら
本人のアルバムについてのインタビューはこちら(ARBAN)
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06. Plays the Music of Buddy Montgomery - Isaiah J. Thompson
Date First Available : September 4, 2020
Manufacturer : Wj3 Records
Genre : Jazz
スタンダードなピアノトリオ。
全てのフレーズが楽しい。バディー・モンゴメリー(1930–2009)の曲を演奏している。
リーダーのIsaiah J.Thompsonはアメリカで活動するジャズピアニスト。
アルバム紹介説明はこちら byキャットフィッシュレコード(福岡のジャズCD屋さん)
2019年8月27,28日Van Gelder Recording Studios(米ニュージャージー州イングルウッド・クリフ)録音
録音のヴァン・ゲルダー・スタジオってこれかな。歴史あるとこなのね。へええ。
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07. Down to the Lowest Terms: The Soul Sessions - Steve Arrington
Date First Available : September 18, 2020
Manufacturer : Stones Throw Records
Genre : R&B/Soul
落ち着く。ゆるいグルーヴが心地良い。くぐもった暖かい楽器の音色も落ち着く。
Steve Arrington(スティーブ・アーリントン)は1956年生まれの作曲家兼、歌手兼、ドラム奏者。アメリカで活動している。Slaveというファンクバンドで過去に活動していた。
この人調べてみるとレジェンドというのは分かった。でも全然レジェンドっぽくないなあ。いい意味で今でも通用する今風の感じだった。いやR&B界隈知らないから変なこと言わないでおこ。
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08. 武満徹ソングブック コンプリート - ショーロクラブ (Choro Club)
Date First Available : October 23, 2020
Manufacturer : 日本コロムビア
Genre : Jazz
作曲家、武満徹の歌モノ集。
うわああ来たああ。Disc1は2011年にリリースされたもので、Disc2は新しい収録となっている。Disc1すっごい良いんですよ。アン・サリーが歌う2.めぐり逢いは当時事あるごとに聴いて精神リセットしてた。落ち着く。どの曲も落ち着く。どれもいい曲だなあ。もちろん追加のDisc2も同じくらいいいです。
歌手も演奏のショーロクラブの編成もよく馴染んでる。落ち着く。
ショーロクラブは笹子重治(アコースティック・ギター)秋岡欧(バンドリン)沢田穣治(コントラバス)の3人によって89年に結成された弦楽ユニット。
アニメオタクへの説明としてはARIA(2005-08年)や、ヨコハマ買い出し紀行(2002-03年)のサントラ演奏を手掛けたことで有名。※なおヨコハマ買い出し紀行の1998年のセル画な方はゴンチチが演奏してる。
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09. Johann Sebastian Bach: Motets - Pygmalion and Raphaël Pichon
Date First Available : September 12, 2020
Manufacturer : harmonia mundi
Genre : Classical
バッハのモテット+α。
響きがいい。周囲に広がる音の洪水で幸せになる。演奏としては音同士の会話というよりは、ヌルヌル進んでいく。それはそれで音の情報量がワッと畳み掛けるようで気持ちいい。心地いい。
Ensemble Pygmalion(アンサンブル・ピグマリオン)は2005年に設立したフランスで活動してる合唱とオケを内包した古楽団体。代表はRaphaël Pichon(ラファエル・ピション)。
いま最もフランス古楽界で注目されている1984年生まれのラファエル・ピション。
そうなのね。バッハのFメジャーミサBWV233を歌う時に(他多数のアルバムと共に)ヘビロテしてたので感慨深い。
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10. Mare Balticum, Vol. 3: Wizlav von Rügen - Wizlav Von Rügen, Various artists
Date First Available : October 2, 2020
Manufacturer : TACET Musikproduktion
Genre : Classical
中世バルト海の音楽。
倍音バリバリ。拍からの自由になってる具合が調度いい。落ち着く。
このアルバムの過去にリリースされた第1弾「中世デンマークの音楽」、第2弾「中世フィンランドとスウェーデンの音楽」もよかったです。
Ensemble Peregrina(アンサンブル・ペレグリナ)は1997年にスイス、バーゼルで設立された中世音楽演奏団体。設立者はAgnieszkaBudzińska-Bennett(アグニエシュカ・ブジンスカ=ベネット)で、音楽学者兼、ボーカル兼、ハープ兼、指揮をしている。
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11. High Heart - Ben Wendel
Date First Available : September 15, 2020
Manufacturer : Edition Records
Genre : Jazz
ベンウェンデルのアルバム。前作に引き続き今作もよかった。
コーラスが良いね。落ち着く。心地いい。
コーラスはマイケル・マヨ(Michael Mayo)。この人はソロではアルバム出してなかった。Kneebodyのアルバムには参加してた。
全ての楽器がいい感じに調和してる。ドラムのNATE WOOD(ネイト・ウッド)のドコドコ・カチャカチャ感好き。
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12. The Queen's Delight (English Songs and Country Dances of the 17th and 18th Centuries)/女王のお楽しみ - Les Musiciens de Saint-Julien, François Lazarevitch
Date First Available : September 4, 2020
Manufacturer : Alpha
Genre : Classical
バロック期英国の歌と舞曲。
ヴォーカルが力強い。舞曲だからか原始的というか本能的に効く。癒やされる。落ち着く。バグパイプの倍音いい。
演奏はLes Musiciens de Saint-Julien(レ・ミュジシャン・ド・サン=ジュリアン)。2006年フランスで設立されたバロック音楽の演奏団体。
創設者はFrançois Lazarevitch(フランソワ・ラザレヴィチ)、フランスで活動するフルート奏者。
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13. A Day in a Yellow Beat - Yellow Days
Date First Available : May 18, 2020
Manufacturer : Columbia
Genre : R&B / Soul
グルーヴかっけえ。大きい波のグルーヴ。心地いい。落ち着く。
Yellow DaysはUK・ロンドンを拠点に活動しているネオソウル・アーティスト。
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14. Say No More, Amore - Shushi Matsuura
Date First Available : January 7, 2020
Manufacturer : Puti-dream
Genre : HipHop / Rap
Asami tonoのアルバムを聴いてたら参加者にいたので聴いた。よかった。
この手のジャンルは長いこと聴いてなかったので比較は出来ないがよかった。落ち着く。唸りのような低音がズレて入るのが気持ちいい。音響効果でグルーヴ作るのいいね。心地いい。先に上げたAsamiTonoのアルバムもよかった。
マツウラシュウシ、仙台生まれ活動場所は京都の某アパートのビートメーカー。レコードサンプリングは使わない手作りHIPHOP。(本文ママ)
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15. Sylvain Luc by Renaud Letang - Sylvain Luc
Date First Available : September 25, 2020
Manufacturer : Just Looking Productions
Genre : Jazz
推しギタリストです。シルヴァン・リュック。
今回のアルバムもよかったです。
とにかく自然で調和していて落ち着くギター。グルーヴも心地いい。暖かみのあるメロディックな旋律も好き。
シルヴァン・リュックは1965年生まれのフランスで活動するギタリスト。
去年のアルバム「2.0」も去年の個人的ベスト10に入るぐらいよかったので布教。
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16. Florian Ross: Architexture - David Helm, Fabian Arends, Florian Ross, Sebastian Gille, The Event Wind Ensemble feat. Susanne Blumenthal
Date First Available : September 25, 2020
Manufacturer : Naxos
Genre : Classical
各地の建物とその建築家を音で描いたアルバム。
音と演奏がよかったのがヘビロテしたなによりの第一理由だが、たまには標題音楽を標題音楽として聴いてみるのもいいと思った。建築いいよね。
リーダーはドイツで活動する1972年生まれのジャズピアニストFlorian Ross(フローリアン・ロス)。
軽く何曲か紹介
1.Alvaro は ポルトガルの建築家アルヴァロ・シザ(1933年-)から。1998リスボン万博のポルトガル国立パビリオンがこの曲の着想元。
2.Richard はオーストリアのユダヤ系ドイツ人のアメリカの建築家リチャード・ノイトラ(1892-1970年)から。この曲の着想元は1946年のカウフマン邸。個人的に好きな建築家の一人。「建築家は人間を自然との調和の中に戻す治療者」という言葉いいよね。
4.Antoni はご存知スペインの建築家アントニオ・ガウディ。
5.Development1 はブラジル リオデジャネイロの都市計画と建築群から。実際に行ったことなくVRでしか体験してないが新旧の建物が入り乱れてそれを取りまとめるでっかい像が丘の上にあるのいいよね格好いい。あとブックレットでは言及されてないがリオのオスカー・ニーマイヤーの建築もいいよね。
他の曲はの解説はアルバムのブックレットPDFにあるのでどうぞ。
アルバム関係ないが建築といえば鹿島出版のSD選書がKindle化されてないのつらみ。今なんとなく読みたくなったが、秒でポチって読めないつらさある。
あとNHK-BSで昔(13年ぐらい前?)、20世紀の名住宅物語という番組があったことを思い出した。レイ・ハラカミの音楽に載せて近代の住宅と建築家を語る番組。これ再放送してくれないかな。上手く言えないがその演出の静謐さが癖になって、高校生の頃夢中になって見てた。
閑話休題。
タワレコのアルバム紹介説明ページはこちら
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以上
番号は便宜上の数字です。順不同です。
ジャンルはApple Musicを参照してます。
リリース日などの情報は可能な限りamazon.com(米国)に従っています。
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ゲームの話をします。
米は力だ!稲を育てて強くなる和風アクションRPG『天穂のサクナヒメ』 PlayStation4,Nintendo Switch,PCにて好評発売中!なんですよ。面白いんですよ。
ベガ立ちかつ後方彼氏面してる田右衛門は田を耕すのぐらいやってくれよ!って常々思ったり。しかし稲作会議では重要だったりで観察眼はあるじゃねえか見直したぞ兄貴!だったり。農業ゲーのはずがアクションがとんでもなく面白かったりで久々にこんなにハマったんですよ。
リリースされた直後で掲示板のスレで語りながら手探りで攻略法を探してる今がバフかかって楽しいからというのもハマってる理由にあるかもしれない。
あとワガママなお子様主人公(ネットだとクソガキやわからせなど散々言われてる)が都落ちしてヒイヒイいいながら虫と芋粥だけ食べて田を耕し、最終的には精神的かつ肉体的に成長するというストーリーが魅力的だからハマってるのかもしれない。いわゆる貴種流離譚(またの名をはじめてのおつかいベリーハード)の王道の面白さに惹かれたかもしれない。
都落ち前のぐうたら
都落ち後のつらい日々(時々楽しい)
という訳でサクナヒメいいよサクナヒメ
追記 11/23 深夜にクリアしました。
難易度イージーでクリア一直線を目指して30時間でした。
うわあ良いゲームだった。
涙腺ゆるゆるだよ。
あとアクションが最初から最後まで飽きずに楽しめたのもよかった。
サクナヒメがここまで成長してくれてワシも鼻が高いよ…。
おすすめのアルバム、要望、訂正、質問などあればここへ気軽にマシュマロを投げてくださいませ。
オワリ
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