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僕たちはPalworldをどう評価するべきなのか

 夜でもおはようございます、K.P.K.(小池ピアノ教室)砂場です。
最近Xで話題になっているネタといえばまぁ~このポケットペアから発売されたPalworldでしょう。
発売から3日で売上本数400万とまさにモンスター級のビッグタイトルとなりました。

 私もプレイしてみたいのですがヴァロラントプラチナランクの呪縛から逃れることができておらずちょいちょいXに流れてくる動画や配信者のプレイを覗く程度となっています。
なのでこの記事もやってねぇ人間の戯言と思ってみてください。

パッと見た感じのイメージでも"オープンワールドクラフトサバイバルTPS"とでも言うようなごちゃまぜ感で、しかしながらそれらが絶妙なバランスで成立しており今までになかったゲーム体験ができているんだろうなという印象です。

 そんなユートリウム博士もびっくりな素的要素満載で大ヒットしたPalworldですがそのビジュアルに対してはケチがついてます。
多分普段さほどゲームをしない街の主婦100人にパルのデザインを見せて「これなんのキャラクターかわかりますか?」って聞いたら100人ともポケモン!って答えるでしょう。

 これは開発初期に出されたPV動画でもさんざん言われていたことで、私も当時その動画を見たとき「まぁ~た中国がしょうもないパクリゲー出すんか~」と思ってました。

国産でした

そう、ポケットペアは日本のスタートアップ企業だったのです。
インディーズとは言えこれだけ大ヒットしたパクリゲーが日本国内から出てしまったというのもショックが大きくなる一因でしょう。

 このことからもXでは連日パクリを容認できない人と面白いゲームは評価されるべきだという人の間で空中戦が繰り広げられているのです。

 先に私の結論を述べておきますとゲームなんて商売なんだから売れれば正義に決まってるだろというスタンスなのですが、大半の人にとってそれだけじゃ納得いかないと思いますので色々な視点でPalworldをどう評価すべきかを考えてみたいと思います。


Palworldを作った人たちとは

 Palworldがどのようにして作られたかは下記のポケットペアのnoteに妙にドキュメンタリー風な書き方で赤裸々に語られています。

 で、このnoteを読む前に途中で彼らがそれまでに発売したゲームについての記事が引用されています。
こちらを先に紹介します。

 この記事では電ファミの記者がポケットペアの代表溝部拓郎氏にインタビューする内容が掲載されています。
ざっくり溝部氏の略歴を記載すると

・東京工業大学卒
・pixivでアルバイト経験あり
・任天堂ゲームセミナーでのインターシップ経験あり
・JPモルガン入社
・STORYS.JP開発
・Coincheck開発
・ポケットペア立ち上げ

大体上記のような感じらしいです。
Coincheckは私も利用しているサービスなのではえ~すげぇ人なんだなぁ~という感じだったのですが読み進めていくと不穏な文章がちょくちょく目に入ります。

初任給50万円でガンガン儲かる場所ではない?


あこがれる人物にホリエモン?

 う~ん、金の亡者(笑)
まぁ起業家とか実業家としては間違いではない姿勢なのかと思いますけどYoutubeでもよく見るお金系って感じの人ですね。
本当は与沢 翼とか三崎 優太の名前も挙げたいのではないでしょうか。

ではゲームを作る姿勢はどうでしょうか。


 はい、この文章を読んでいかがでしょうか。
私には「1から作るのめんどくせぇからパクればいい、webではそうしてるし昔のゲームもそうじゃん」みたいに読み取れます。
電ファミ記者の引きつっている顔が目に浮かびます。

 一応記事はすべて読みましたがどうにかいい感じに噛み砕けば"工夫して低コストでゲームを作っている"という風には受け取ることができます。一応。

 要するにポケットペアは明確にゲームでお金儲けをしよう!という意思の元作られた会社であると思います。
それ自体は私は何も問題ないですし当たり前のことだと思ってますけどここまでぶっちゃけてさらけ出しちゃうのかよという嫌悪感は抱きますね。
Palworldに対して嫌悪感を抱いている人の中にもこの感情で叩いている人は多いのではないでしょうか。もうちょっと隠せと。

 代表に対するケチはこれくらいにして、次は改めてポケットペアのnoteを見ていきましょう。
Palworldを作るまでの過程には大きく6つの奇跡があったとのことです。


 奇跡1,2,3,5については非常に読み応えのある文章でした。
未経験の新人さん、ベテランさんともにとても人に恵まれた開発環境だったのだなと思いました。そんな人物が実在すればですけど。

 前作クラフトピアの売上分がそのまま飛んで行ってしまったということからPalworldがまさに社運を賭けたプロジェクトだったことが読み取れます。
そして奇跡6のみが疑いようのない事実であったことが現在判明しています。

 Palworldを叩くのに熱心な方へ私から伝えたいことはいかに会社と代表の思想がクソであっても作った技術者、スタッフはこれを真剣に面白くしようと粉骨砕身努力されていたことだけは間違いがないということです。
この情熱がなければ流石にあそこまで面白いゲームにはなりません。
私が一応しがないIT技術者をやってるためちょこっと身内目線みたいになっていますが、Palworldを叩くことによってきっと開発に関わった人はみんな大なり小なり不安にはなると思います。
叩くのであれば代表の溝部拓郎氏に集中することを私は強くオススメします。


パクりを叩きたくなる対象

 「人の物を取ってはいけません」というのはよっぽど実家が極太でなければ誰しも1度は親から言われたセリフではないでしょうか。
人は自分より優れた物を持っている人に憧れ、それを欲します。
だから人は盗みを働くしブランド物の価値が保証されるのだと私は考えています。

皆さん観光地でこういうTシャツを見たことはありませんか?

鯵です

 よくあるパロディTシャツですね、これが本家アディダスから訴えられるでしょうか?
正解は訴えられません!何故なら現在もネットで販売されていますし観光地に行けばどこでも売ってます、訴えられるのはスーパーコピーだけです。

な~んてことは無くパロディであっても容赦なく訴えられる時は訴えられます。

 よくネット上のパクりパクられ論争でやり玉に上げられやすいのがイラスト画像だと思います。
そこでハッキリ黒だと断定されるのがトレースした場合ですね。
いわゆるトレパクというやつなのですが最近だと古塔つみ氏のトレパクが印象深かったかなと。

 YOASOBIやポケモンなどかなり大手とコラボしていたため販売停止など結構大事になりました。
この人は有料の写真が掲載されているサイトからその写真をトレースしてイラストを描いていたことが発覚しどえらく炎上しました。

 ではジョジョ立ちが実はモデルの写真をオマージュしていたことが発覚している荒木飛呂彦先生の場合はどうでしょうか。

 荒木先生の場合はこういうしょ~もないネット掲示板で指摘されることはあっても大炎上とまではいってないと思います。
その理由はトレパクではないからということよりも荒木先生がレジェンドすぎて誰もそんな指摘ができないし炎上させようという空気にならないからだと思います。

 世界一殺害予告を受けたことで有名なのはジャスティンビーバーさんですが彼のようにいきなり出てきて超絶人気になって大金持ち!みたいな人はめ~ちゃくちゃ叩かれる傾向にあります。
今回のPalworldがまさにそんな立ち位置だと思うのですがもし株ポケがポケモントレーナーが銃を持って戦いクラフト要素のある世界で遊べるポケモンを作ってたら「これマイクラとCODのパクリじゃねぇか!!」とはならないと思うんですよね。ポケモンがレジェンドすぎるから。

 じゃあパクりの疑いがあるものは全部訴えられるべきなんじゃないのか!?
とかそういう話がしたいんじゃないんですよね、ここらへんはもう全部人間の感情の話なのでめちゃめちゃ不毛です。
さっきのアディダスパロディの通り問題があればその権利を保有している人が訴えを起こします。
 権利者が訴えを起こすのは自分の利益がパクりによって減ったりパクりによって精神的なダメージを負った場合だと思われるのでパクられていることを権利者に伝えるくらいはいいと思いますが不特定多数の人が不当に叩きまくるのはいつの世の中も「ちょっと冷静になった方がいいんじゃない?」と思ってしまいますね。
なんか配信者に対して「Palworld配信したらぜってぇ許さねぇ~!」って言ってる人を見かけましたけど普通に恥ずかしいのでやめた方がいいと思います。


法と感情

 この手の話題が渦巻くといつも頭に思い浮かぶのが転売論争についてです。
転売は一般的に本当に欲しい人が買えず企業にとっても顧客ニーズが把握し辛くなる悪いことだと思われています。
しかし法律としてはマスクやアルコール消毒製品以外は転売は禁止されていません。
こんなの当たり前のことで、じゃあ商社や卸売り業者はどうなるんだということで話は片付くはずなのですがやはりそこは人間なのでやはり不快感とか嫉妬とか妬みの感情部分で叩いてしまうんですよね。

 ちなみに早めに伝えておきますが私は転売に対しては否定派でも肯定派でもないです。
1オタクとして昔から「これはプレミアつきそうだなぁ~」という感覚で買うものを決めたりしてましたし漫画やゲームも普通に売ったことがあります。

 では商社や卸売り業者が叩かれずに転売屋が叩かれる理由は何でしょうか。
私は1つの要因として"品の無さ"というのはあると思っています。

 これが品行方正に整然と列に並びルールに則って購入しているのであればむしろ「この撮影者はなんでこいつらを撮っているんだ?」と先日のラウンジ嬢寿司事件と同じ感想になるのですがこれはよろしくないですね。

 日本だけか知りませんが品性の無さが人の神経を逆なでする場面が多く存在することをもう少し知った方がいいと思います。
インフルエンサーなんかでこういうところが欠如している人がやたら人気になっていたりしてこの感覚が薄れている現代人も多いんじゃなかなぁと思ったり。

お箸の使い方をよく躾けてくれた両親に感謝

 直球で言ってしまうとPalworldのデザインが下品であったことも叩かれている理由だと思います。
グチャグチャにかき混ぜたビビンバが滅茶苦茶美味しかったみたいなゲームなので好きな人は好き、嫌いな人は嫌いというのは仕方がないかなと。
 ただ、先ほどと同じことを言いますがこれが良いことか悪いことかを決めるのは権利者と司法です。
ちなみに著作権法絡みの判例を見る限りでは丸パクりでない限り類似性なしと判決されるかなと思います。
下記リンクのけろけろけろっぴ事件が参考になると思います。

 そもそもこの程度で企業が激怒して訴訟を起こしていたらコミケや同人文化は根絶やしにされています。
同人誌やパロディなどに興味がない人は知りませんが、自分が叩くことによって思わぬところに影響が生じることも考慮するべきでしょう。
もしかすると自分の大好きなコンテンツもそれによって死滅する可能性があるかもしれませんよ。


総評

 【どう評価すべきなのか】なんてタイトルで書きだしてしまったので結論部分は"総評"とさせてもらったのですが、まずPalworldは間違いなく日本が発売したゲームの中でも特異な存在になったと思います。
同じようなインディーズの有料ゲームで言えばUndertaleが挙げられると思いますがこちらは2023年4月時点で500万本という記録なので恐らくこれは超えれるのではないかと思います。
 ちなみにインディーズゲームで最も売れたゲームは言わずもがなMinecraftの3億本↑なので頑張ってここを目指してほしいですね。

 何よりPalworldが与える今後の影響が非常に楽しみです。
小さなゲーム会社にとってはまさに希望の星となりますし、大きな会社にとってもPalworldに負けていられない!という意識は強く持たれると思います。
これで品性0のパクリゲーが国内で量産された日には大手を振ってどこかの企業がポケットペアを訴えてほしいものですがきっとそうはならないと祈っています。

 個人的には代表に対する不信感が拭えないのでポケットペアでノウハウを得たスタッフが任天堂などに行って更に良いゲームを作ってくれるというシナリオが一番気持ちがいい展開ですね。技術者は転職するほど待遇がよくなりますし。

 Palworldをどう評価するかは申し訳ありませんが今後の国内ゲームの動向によって意見が分かれるようになるというのが結論です。
今回で開発資金も潤沢になったと思うのでポケットペアには是非次回作はオリジナリティの高いゲームを作ってほしいです。


あとがき

 今回の件で"妊娠"ってまだ元気にしてるんだなぁ~となんだか懐かしい気持ちになりました。
今の人は知らないかもしれませんがその昔2ちゃんねるではゲハ板というものが存在し日夜"妊娠"と"ゴキ"と"痴漢"がその覇権を争いしのぎを削っていたものですがゲーミングPCの普及によってこれらもとんと見かけなくなっていたところでした。
 やはり国内のゲーム業界において任天堂という会社が圧倒的ブランドを確立していることも今回の論争の種となっているのでしょう。
任天堂法務部が黙っていないぞ!」を本気で使っている人がいて失笑してしまいました。それスレのネタだったハズなんですけどね……
そもそもUndertaleなんてMOTHERのハックロムを元に作成されてたりするんですからよっぽどこっちの方が訴えられそうなもんです。
 まぁぽっと出の人気者が不当に叩かれるのはVtuberでもタレントでもいつの世も同じですね。
10代の頃はそういうことに過剰な怒りを覚えたりしてましたが30になると「これ前も似たようなことあったなぁ」なんて思って、人間ってこうやって丸くなっていくんだなぁと思ったり。
なので"キレるために格ゲーやってる"というゴジラインの格言は割と納得感ありました。

怒りはSNSではなく対戦相手にぶつけましょう

 私も毎日ヴァロラントでキレながらプラチナを目指しています。
もしよろしければこの無様な中年の沼プレイをちょこっとでも覗きに来てください。
ちなみに私のチャット欄でならいくら叩いて頂いても結構です。

内容によっては逆ギレします、もちろん俺らは抵抗するで?

ではまた

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