僕にとっての「新版論理的思考 論説文の読み書きにおいて」について
今回は、「新版論理的思考 論説文の読み書きにおいて」に関する感想を自身の経験談を交えて共有したい。
概要
本書籍は、看護学生に向けた論説文の読み書きに関する講義内容がまとめられている。
つまり、講義内容をベースに書籍化されている。
講義は、1~4のサイクルを繰り返すシンプルな形式である。
筆者(講師)は課題文章(新聞記事など)を学生に読ませる
学生は読んだ内容に対する論説文を一定時間内に書き上げる
筆者は学生が書き上げた論説文を読み、添削する
筆者は次回講義にて、学生の躓きどころを中心にフィードバックする
書籍には、学生の躓きどころと対応例が複数紹介されている。
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例)「私は”思考しない作業者”からの脱皮を果たし、常に思考し続ける人間でありたいと思う。」
※"思考しない作業者"というワードは課題文章に記載されている前提とする
「脱皮」とは何か?「”思考しない作業者”から常に思考し続ける人間に成長したい」などポジティブに変化する意味を持つ単語を使用すればよいのではないか。
「と思う。」などといった語尾は「と考える。」や断言する形式で文章を終えることが望ましい。
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きっかけ
そもそも本書籍を読むことになったきっかけは、前職の先輩と当時仕事していた際に紹介されたからである。6月か7月あたりに紹介され、直後に購入したもののしばらく放置していました‥
感想
まず、書籍のタイトルだけを見たとき、「これってゴリゴリの論理学に関する書籍では‥」と敬遠してしまっていたが、いざ読み始めてみるとサクサク読み進めることができた。
書籍にまとめられている講義サイクルは、議事録業務と非常に類似しているためである。
特に指摘事項のうち、「主語述語の不一致」や「不適切な言語表現」などは議事録担当ないしは議事録をレビューする立場であれば必ず意識する観点である。
自身も学生の論説文を読み、指摘事項を心に置きながら後続に記載されている筆者の指摘事項をもれなく抽出できているか確認していた。
一方で、自分自身は前職(コンサルティングファーム)で「表現がくどい」と散々指摘されていた。当時は自分のことで精いっぱいで何も考えられなかったが、いまでは2つの理由に収斂できると考えている。
日本語表現の引き出しのずれ
定義が必要な単語表現の不一致
「1.日本語表現の引き出しのずれ」だが忠実に伝えようとするあまり、小難しい単語や言い回しを使用し、かえって回りくどいわかりづらい文章を書いているのかもしれない。
今後の対応案としては、「口頭でいわれて即座に理解できる動詞のみを使用する。必要に応じて形容詞や副詞で補う。」ことで少しでもコミュニケーションで相手にストレスを与えないように努めたい。
「2.定義が必要な単語表現の不一致」だが「挑戦」と「チャレンジ」が1ファイルに混在しているケースを指す。自分自身としては、複数ページで同一表現があるとしつこいのではないか、と危惧していたが杞憂だった上にかえって混乱を招く表現方法であることがわかった。対応案はいたってシンプルで、同一表現を1つに絞り表現することで、聞き手に余計な混乱を発生させないように努めたい。