韓国の田舎を旅する方法プロローグ①〜私とWWOOFの出会い
それまで続けていた映像・アートディレクションの仕事を辞め、本格的に韓国料理の世界に入り1年程経った頃、勤めていた韓国料理店の料理長を任される事になりました。
場所は東京から程遠くない山の中。
参鶏湯がメインの韓国料理店、無農薬・化学肥料・動物性肥料不使用の農業、そしてゲストハウスが主な運営の柱でした。
料理長になる少し前、出勤すると知らないタイ人の女の子がいました。
日本語の話せないその子は「ウーフで来た」と英語で私に説明しました。
「ウーフ??」
別の職員も「うちもウーフのホストをする事になりましたよ」と。
「ウーフのホストをする???」
これが私とウーフの出会いだったのです。
WWOOFと書いてウーフと読む。
WWOOFとはWorld-Wide Opportunities on Organic Farmsの略で、1971年にイギリスで始まりました。
有機農家さんのもとに滞在し、お仕事の手伝いをしながら農業を始めとした各種技術、その土地の文化や知恵などを学ぶ事が出来、また受け入れるホストにとっても様々な国や地域から訪れるウーファーと交流する事が出来るのです。(
ウーフする人の事をウーファーと呼びます)
金銭のやり取りは禁止なので、報酬はお金ではなく三食のご飯と寝床の提供。
労働者として人件費を浮かせるためにウーファーを受け入れる事は禁止で基本的な労働時間は1日6時間。
現在では約60カ国にウーフの組織があるそうで(wikipedia情報)、Wwoof Japan、Wwoof Austraria、Wwoof Franceなど各国にそれぞれの事務局があり、ホストもウーファーもそれぞれの国に登録料を払います。
もし3カ国でウーフをしたい場合は3カ国それぞれに登録料を払わなければならないと言う事です。
そんなこんなで私の職場でも世界各地のウーファー達を受け入れる事になりました。
ホストによっては「日本人希望・または日本語上級者希望」と言う条件もあるのですが、うちは日本語が話せなくても誰でもウェルカム。
受け入れまでの流れとしては、ウーフを希望するウーファー達から簡単な自己紹介とウーフをしたい日程がメッセージで送られてきます。こちらからは仕事の内容や1日の大まかなスケジュールなどを返信し、双方合意したら日程を決めて当日を待つ、と言う感じなので、実際会うまでに何往復かメッセージのやり取りを繰り返しコミュニケーションを取ります。
このウーファーの受け入れに関する業務を私が一人で担当する事になったのです。