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自己紹介と韓国田舎旅

島田 梢(しまだ こずえ)

日本でもポピュラーな存在となったコチュジャン。
日本語でレシピを検索すると、同じものがないくらい様々な作り方が存在しています。
でも日本で伝えられている作り方は殆どが本来の作り方と違います。
1番の理由は日本では手に入らない食材があるから。
その事をどのくらいの人が知っているんだろう。
基本を知った上でアレンジした作り方をするのと、基本をすっ飛ばして再現性だけを重視してしまうのは、作り方が似ていたとしても本質が全然違う。
胡麻油を使えば「韓国風〇〇」。
でもチヂミは胡麻油で焼かないんです。
と、言うか、韓国で胡麻油は香り付けに使う事が殆どで、焼いたり炒めたりには使わないのです。
でも日本だとチヂミを胡麻油で焼いてしまう人が多いですよね。
食はその国や地域の文化と歴史です。
特に外国の食を扱う時は、同時に文化や歴史にも関わるわけだから慎重になる必要があると思っています。
私は、料理人としてだけでなく、自分の半分のアイデンティティでもある韓国の食が「お手軽に」日本で広がっていく様に歯痒さと寂しさを感じています。
需要は低いかもしれないけれど、韓国で見聞きした作り方や知識を出来るだけそのまま伝えたい。
韓国の田舎に身を置いて、個性豊かな農家さん達が惜しみなく与えてくれた昔から伝わる知恵。
掘れば掘る程もっと知りたい!と、常に勉強中の状態です。

韓国伝統調理・保存食研究

日本人と在日韓国人の両親の元、日本に産まれました。

両親とも実家は東京の下町で、母方の実家は祖母が一人で切り盛りする飲食店でした。
週末は母と一緒に祖母の店で過ごす事が多く、お客さんや近所の人に可愛がってもらいながら過ごす時間が大好きでした。

祖母の家は、私の家とも友達の家とも違う匂いがしていました。
生まれて初めて母と韓国の空港に降り立った時、あの匂いは韓国の匂いだったんだ、と初めて気づきました。

日本にいた時は、さして韓国に対して興味が無かったのに、高校を卒業してアメリカに渡ってから毎日の様に食べていたのは、韓国人のオッパ、オンニ達が作ってくれるキムチポックンパッ。
ホームシックになっている私に食べさせてくれたパッシルトックは母の好きなお餅。

自分で初めて作った韓国料理はトックッ。
お正月になると祖母の家で食べていた韓国のお雑煮です。
真夏の熱い時になぜだか無性に食べたくなり、コリアンタウンに材料を買いに行って、母に電話で作り方を聞きながら初めて自分で作った家の味。

アメリカでは3年ほど過ごしMedia Artsの勉強をし、ギャラリーで勤めた後日本に帰国しました。
映像、アートディレクションの仕事を経て、2014年より韓国料理の世界へと移りました。
「薬食同源」「食治」の世界に興味があったけど、仕事の関係でなかなか踏み出せず、調整をしながら徐々に徐々にシフトしていき、料理一本になったのがこの頃でした。

都心のど真ん中にある韓国料理店、神奈川の山の中にある韓国料理店と真逆の環境で掛け持ちをした後、神奈川のお店で料理長になりました。
山を切り開いた広い土地で参鶏湯を売りとした韓国料理店。
私が働き始める少し前に前任の料理長さんが辞めてしまい、韓国料理の料理人がいないけど、残った人たちで頑張って店を閉めないようにしている状態でした。

お店を安定させるために、色々な先生の元を訪れて勉強させてもらったり、気になる参鶏湯があれば自費で韓国に食べに行ったり、店のために一生懸命ではあったけど、何より自分がとても楽しかったので、どんなに忙しくても全く苦にはならなかったのです。
また、最初に参鶏湯を食べに行った時に、ついでに食材を買って来たことが、後の半年に一度の食材買い付け出張に繋がり、半年に一度の食材出張が生産地を訪ねる旅に繋がり...と、お店のためにと思って尽くしていた事が後々の自分の活動へと繋がっていきました。

飲食業の他に農業、6次産業、民泊を運営し、wwoofのホストも経験出来、ここでの満4年の経験はとても糧になりました。

出張を繰り返しながら、料理だけでなく昔から伝わる韓国の味噌、醤油、コチュジャンなどの調味料の伝統製法、田舎で食べられる滋味深いご飯達への関心がどんどんと募っていきました。
もっと教わりたい、もっと学びたい。

2017年に、それまでホストだったwwoofで今度は自分がウーファーとなり韓国の農家さんの元を初めて訪れました。
wwoofを利用し何度か行ったり来たりしている中で、自然と人の繋がりが出来たり、SNSで見かけた気になる農家さんに直接コンタクトを取り会いに行くようにもなっていました。

今までお世話になった場所
・慶州北道チョンソン 先祖代々の土地で農業とレストランを営む、最初にお世話になった農家さん
・江原道ヨンウォル 自宅もセルフビルドしてしまう、全てに置いてセンスが良すぎる自給自足農家さん
・江原道チョルウォン 都会から引っ越し伝統的な製法で調味料を作っている農家さん
・江原道チョルウォン 建築家から転身し、地元のデザイン仕事も請け負いながら野菜も作る農家さん
・京畿道ヨンチョン キャラが強烈な山の中の野草農家さん
・京畿道ヨンピョン 日本の自然農を実践しているソウルから移住した同年代の農家さん
・忠清南道ノンサン 若き農家と料理家が集まる、豆腐工場を改装したレストランも素敵なセンス抜群農家さん
・全羅南道イムジャ島 30年前から不純物ゼロで天日塩を生産している塩田農家さん

この合間にも小さな旅があり、小さな出会いが沢山ありました。
このnoteでは、小さな旅から大きな旅まで順を追って記しています。

現在は、主に韓国調味料などのワークショップ、食事会を開催しています。2021年からは日本料理家・発酵調味料研究家の阿部舜と共に、日韓の発酵、保存食、伝統調味料などについて発信するYouTubeチャンネル「発酵農園」も開設しています。

また、2016年より韓方茶で心と体を整えるティーセラピーの勉強を開始し、東医宝鑑アカデミー ティーセラピー専門課程修了。

長い自己紹介を最後まで読んで頂きありがとうございました☺︎

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