今そこにあるサウナを愛せ

僕の趣味の1つに「サウナ」があります。2019年に複数の友人からオススメされたことと、ドラマ「サ道」にハマったことがきっかけで。今では人生に、生活に、欠かせない大事な趣味の1つです。

サウナブームはホンモノ

幸い、徒歩圏内に3件もサウナ付の銭湯があり、とても充実したサウナライフを過ごしているのですが、サウナ好きになると他のサウナも知りたくなってちょいちょい遠征してしまいます。とは言え、感染状況などもありそんなに遠方にしょっちょう行くわけにもいかず。都内がほとんど。

今週も、電車込みで30分くらいで行ける超有名銭湯サウナに行ってきたんです。平日休みの月曜日、開店時間の13時から15分ほど過ぎたタイミングにも関わらずかなりの人。サ室も多少待ちが出ていたり、僕が出たタイミングでは銭湯に入ること自体に7~8人の待ちも出ていました。待っている方の多くは若い方で、これだけ人気でるのは銭湯業界全体としても本当に素晴らしいことだなと。

そう思った一方で、この銭湯の素晴らしさと僕が普段いく銭湯の素晴らしさの違いはなんだろう?というようなことを考え始めました。

相対的に数値化するようなものじゃない

まだ好きになって3年くらいですが、いろいろなサウナや温浴施設を巡っていると一つの回答にたどり着きます。それは「自分にとってカンペキな施設はない」ということです。

ここのサ室は最高だけど外気浴が出来ないんだよなとか、逆にサ室はそうでもないけど外気浴スペースが最高なんだよねとか、水風呂の温度が自分とあってたりあってなかったり…全てが自分にとってカンペキな施設って出会えていないし、きっとこれからもないんだと思うんです(自分で作る以外には)。

これって、別に悲しいことでもなんでもなくて。だからこそ面白いということで。だからこそいろんな施設に行きたくなる。その日何がしたいか、何にポイントを置きたいかで目的地を変えることだってできる。

多様であることを喜ぶ半面、最近、雑誌でもサウナが扱われることが多くなり、そうなると必然的にサウナランキングが出ることも増えてきました。僕にサウナを教えてくれた師匠のような方は「ランキング企画には参加しない。だって、全ての施設が素晴らしいから。」と言っていて、それって最高にカッコイイし、僕もハマればハマるほど共感の気持ちが強まっていくんです。本当全ての施設が素晴らしいし、それぞれに魅力がある。それは全て違っていて、それを探すこと自体が楽しみなんんだよなと。

今そこにあるサッカーを愛せ

今回のタイトルは、サッカーJFLホンダロックSCの人気サポーター「ロック総統」の名言「今そこにあるサッカーを愛せ」のパクりです。

ちょっとロック総統について説明すると、彼はJFL、つまり日本のプロサッカーリーグのトップであるJ1から数えると、4部にあたるリーグで戦うホンダロックSCを応援しています。

ホンダロックSCはプロチームではありません。ホンダロックという企業に勤めている社員の皆さんで構成されるチームです。Jリーグ加盟を目指さないクラブなので、どれだけJFLで圧勝しようともJ3やJ2に上がることはありません。
※名前の似たクラブでホンダFCというクラブがありますが、こちらはリアルにJFL最強であり、天皇杯でJチームを倒すこともよくありますが、発足当初からJリーグ加盟を目指さないことを名言しており、Jリーグに参加しようとするチームへの最強の壁となっています。

なぜ、Jに上がることがないチームを応援するのか?という疑問が当然に湧くと思うんですが、そういう疑問に対して彼は「Jリーグ原理主義者に鉄槌をくだす!」と荒ぶります。

つまり、カテゴリーや勝負のみにこだわることを否定し「サッカーを応援できること」それ自体を尊い行為として、愛すべきと主張しているわけです。よく考えたら当然ですよね。カテゴリーを上がることは一つの目的にはなりえますが、そもそも応援する動機ではないはずです。むしろ「昇格」を至上命題にした時、無理した経営・背伸びのしすぎでもともと持っていた素晴らしさを壊してしまう可能性すらある。

これは「変化を拒否する」ということではありません。「今目の前にある幸せをきちんと幸せとして認識しよう」ということと「絶対的な素晴らしさなんてない」ということです。レベルの高い試合だったら絶対に面白い?そんなわけないことをサッカーをよく見ている人であればあるほどわかってくれるはずです。面白さは絶対的なものではなく、自ら見つけるものであり、そこに必要なのは愛です。

今そこにあるサウナを愛せ

サウナも同じなんじゃないかなと。絶対的な「素晴らしいサウナ」なんてものは存在しなくて、全てのサウナが素晴らしさを持っていて、その素晴らしさを見つけるのは楽しませてもらう僕らの役割なんだと思います。その人それぞれのポイントがあり、それぞれの楽しみ方があればいい。誰しもにあてはまる絶対的なランキングなんてあるわけがない。普段楽しんでるサウナがどれほど素晴らしいのか、それが近所にあるのならなおさら、その幸せを日々嚙みしめるべきです。

日によってはスタッフの対応にイラっとすることもあるでしょう、一緒になった客の態度にイラっとすることや、普段と違った混雑具合にモヤっとすることもある。でも、今そこにあるサウナを愛しましょう。一日でも長くそのサウナが継続してくれるにはどうしたらいいのか、愛するみんなで考えましょう。

サウナがある日常は決して「当たり前」ではありません。
今そこにあるサウナを愛せ。


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