30代で心筋梗塞になって思ったこと~入院見舞い編~
今日も外からは救急車のサイレンの音がする。今夜もか…と思いながら、消灯時間の過ぎた暗がかった部屋の中、総合病院の白いベットの上。隣の糖尿病のおじさんの寝息を聴きながら、スマホを( ゚σω゚)ホジホジとイジって記事を書いてみている。
2020年の11月下旬、あたすは救急搬送にて心筋梗塞と診断され、カテーテルによる心臓の緊急手術をうけて一命を取り留めた。色々な「もし...」が重なって助かった命だ。一つ欠けていたら死んでいたかもしれないなと割と本気で思っている。パチスロやパチンコの専業だろうと、会社員の兼業だろうと、身体が資本なことには変わりない。この貴重な体験で思ったこと、できるならこんな経験しなくても良い苦しみから逃れて欲しい、症状や発作がでてしまったら(また、普段からできることはないのか)、なぜあたすは30代の若さで心筋梗塞になったのか...etc を後悔と自戒の念も込めて文章にしておきたいと心に決めた。
ここから先のコンテンツ(約5,500文字)は、有料記事にしています。物乞い乞食へのお見舞金だと思って投げ銭して頂けると嬉しいです。あたすの記事を読むことで病気が治るわけでも痩せるわけでもありませんが、生の体験が一つでも皆様の役に立てば幸いです。
1.もし、重大な病気の症状や発作を自覚したら
この項目で一番伝えたいのは【一刻も早く「適切な専門医」による処置を受ける行動を取る】ことの重要性です。
「キューっとなる血管や内蔵の痛み」「呼吸を行うことが困難」「ろれつが回らない」「冷や汗や動悸、めまい、嘔吐、手足の強烈な痺れが止まらない」「自力で立ち上がれない、歩けない、体を動かせない」...etc の重大な病気につながる症状や発作を自覚した時は時間との勝負になります。まずは自身が医療現場に迎えるように119(救急搬送)を迷うことなくしてください。今まで感じたことのない症状は特に危険です。
今回のあたすの場合は、自動車の運転中でした。「心臓がキューっとなる痛み、呼吸の苦しさ」とともに「強烈な手足のしびれ」が発生。狭心症の頓服薬(ニトロ)を服用しても治まらず、これまで経験したことのない15分を経過した時点で救急搬送をお願いしました。
また、「適切な専門医(病院)」の元へ搬送してもらうために症状や状況は焦らずしっかりと伝えましょう。
①どんな症状か:胸から背中にかけて締め付けられるように痛み、呼吸が苦しい。手足の指先が感覚を無くすくらいに痺れる。
②いつから発生したのか:3週間前から同様の発作あり。本日は15分前から発症し継続中である。
③直近の医師の診察結果:精密検査の結果は異常なし。可能性はかなり低いが狭心症かもしれない。
④自身での頓服薬等の対応状況:狭心症の頓服薬を飲むも発作が治まらず、痛みが今までよりも長く継続している。
⑤普段から掛かっている病院名(医師名)、病名、常用薬:血液検査の結果は悪く、普段から高血圧/高尿酸値/コレステロールや中性脂肪に関する薬を服用している。
あたすの場合は上記のやり取りで、「カルテが存在し、救命及び心臓循環器の専門医がいる総合病院」へ搬送され、緊急手術のうえで一命を取り留めました。救急隊から医師にうまく伝達されていなかったり、お医者さんって自分の問診しか信用してない(笑)みたいなこともあるので、搬送後に同じ問診を受けたら痛くとも苦しくとも頑張って上記の①~⑤を改めて伝えてください。
ちなみに内臓(血管)関連の痛みって、なかなか表現するの難しいんですが...虚血性失神/尿管結石/心筋梗塞の三冠を達成したあたすの体験を基に表現すると「お腹から背中に掛けて痛む」「圧迫感のある鈍痛がする」という男性でいうと金玉HIT時の悶絶や便秘時の苦しみに近い?感じです。
また、あたすみたいに「音声通話無しのSIM+IP電話アプリ」でスマホを使っている方は要注意。IP電話(050番号)からは119に掛けても繋がらないのです。そんな方は予め最寄りの消防本部や警察本部の電話番号を電話帳に登録して緊急時に備えておきましょう。本来は御迷惑を掛けてしまう行為ですが、緊急事態はやむを得ません。あたすも遠ざかる意識の中、電話帳に登録された近くの消防本部に連絡して、119が掛けられないことを詫びながらも、そのまま救急を迅速に手配してもらいました。
2.普段から重大な病気に備えるためには
(1)「適切な専門医」にたどり着けるルートを予め用意
上記にも繋がるが、適切な専門医にたどり着けるようにしておくことは重要です。何か不安な症状があって専門医に掛かりたいと思っても、まずどこに行けば良いのか悩んだり、人によっては勝手な思い込みで病院を転々としてかえって非効率になってしまったり。
あたすの体験を基にした一番効率の良い方法は...
①様々な観点から診断を行い、必要に応じて適切な専門医へと導いてくれる医師の診察を請けて紹介状を出してもらう。
②紹介された適切な専門医(病院)で高度な精密検査と診察を請ける。
というルートが一番手っ取り早いと思います。①は「普段から何かあったら相談しているかかりつけの医師」または「検査施設が充実している総合病院や大学病院の総合内科」を受診するのが良いと思います。
ちなみに、あたすの場合は、初めて違和感を感じてから3週間という時を要し、5人目の心臓循環器の専門医がカテーテル検査をして初めて、心筋梗塞という正しい病名を診断されました。各医師からの診断とあたすの評価は以下の通り。
①内科の臨時医 期待度:★☆☆☆☆
ヤブ医者 of ヤブ医者の診断です。天下布武の演出「まさかやめないでゴザるよな?!」くらい期待できにゃい。でも、様々な病院に掛かってきたあたすの私見だけど世の中には意外とヤブ医者は多い。お気をつけあれ。
プールでの水泳中。運動によるそれとは違った胸の痛みと息苦しさを初めて感じる。その後も運動時に同じ発作が続いたため、病院を受診することを決意する。いつも診てもらっている先生が休診だったため、(自称)内科の臨時医に掛かる。見た目は齢80を超えているだろうか。カルテの入力は人差し指でツンツンツンツン... 血圧計を持つ手はプルプル... 聴いてるかどうかすら怪しい聴診器をペタペタペタ... 「うーん、分からないから鎮痛剤で様子みて(˙ᗜ˙)」という問診2分での診断結果だった。
このやり取りを見ていた看護師さんから帰り際に、休診になってるかかりつけ医は別病院で勤務していること、既に連絡しておいたのでそちらも受診することを強く勧められる。これもかかりつけ医(病院)を持つことのメリットかも。看護師さん達も、あたすが余程の痛みでないと訴えない(尿管結石も結石が落ちるまで待合室で耐えきった)のを知っているので、再受診を勧めてくれたのたのだろう。
②内科のかかりつけ医 期待度:★★★☆☆
そんなこんなでいつもの先生のことを訪れることにした。この先生は普段からあたすの体調の悪いところを把握してることに加え、痛風や尿管結石を発症した時も(初診としては)的確な診断とともに適切な専門医(病院)に繋いでくれた実績がある。地域医療の範囲内では、まどマギの赤文字演出くらい信頼のおける先生だと思っている。
問診とともに心電図などで検査するも異常無し。ただし、症状から悪いとしたらほぼ心臓だろうと言われた。そして、心臓は何かあったら怖いから総合病院で検査を請けるように勧められる。紹介状を書いておくから、出来れば翌日には精密検査を請けておきなさい、と。
③総合病院の総合内科医 期待度:★★☆☆☆
かかりつけ医の指示通り、翌日には総合病院の門を叩いた。結論から言うと、この医師も心筋梗塞だと診断するには至らなかった。心電図/エコー/レントゲン/血液検査を行うも異常無し。症状からは狭心症が疑われるも、未だ30代であること、狭心症にしては発作の時間が長いこと、どの検査でも異常無しであることから、可能性は極めて低いため頓服薬(ニトロ)を処方するから様子見するように診断を請けた。エヴァのシンクロリーチくらい心もとなかったのを覚えている。
実は予約を取る際に心臓循環器科と総合内科のどちらの専門医にするかで悩んだのだが後者にしてしまった。かかりつけ医の診断を信じてドンピシャの前者を選択していれば結果は変わっていたかもしれない。また、総合内科医も狭心症にしては発作の時間が長い(心筋梗塞に症状が近い)ことや、30代でも若くから血液検査の値が悪いことをもっと汲み取っていてくれれば早期発見に繋がっていたかもしれないと思う。なんとなく楽観視されているように感じた。
④総合病院の救命医 期待度:★★★★☆
そんなこんなで様子見の指示通り、苦しくなったら頓服薬を飲み、その経過を細かく記録することにした。そして、2020年の11月下旬、自動車の運転中に発作が起こったのは前述の通り。
あたすの命が助かったのはここでもファインプレーがあったからだと思っている。カルテがある総合病院への搬送を救急隊が優先してくれたこと、そして、救命医が前回検査時の心電図と比べた時の小さな差異に気付き、心臓の専門医へと託してくれたことだ。この高設定挙動のような天国モード移行があたすの運命を分けた。
⑤総合病院の心臓循環器の専門医 期待度:★★★★★
心筋梗塞は世界の死亡原因の第1位で、発作後の死亡率は30%にも昇る。発作から心停止までの割合は1時間以内が86%を占めており、60分以内に専門医による適切な措置が生存と死亡の大きな分け目となる。あたすは、STループのような70%の振り分けで生き延びられた。
正直、心電図の差異だけでは本当に心筋梗塞か微妙な所だったらしい。それでも発作から1時間経過していることもあり、心停止のリスクを考えて医師からは緊急のカテーテル検査に踏み切ること、さらに心筋梗塞が発覚した時はそのまま心臓のカテーテル手術に移ることを告げられた。そして結果は、みなさまのご存知の通り。心筋梗塞であるということがカテーテル検査でようやく判明し、その後の手術によりあたすは一命を取り留めました。
あの時、看護師さんがかかりつけ医を勧めてくれなかったら?
あの時、かかりつけ医が紹介状を書いてくれなかったから?
あの時、救急隊がカルテのない病院へ搬送していたら?
あの時、救命医が心電図の小さな差異に気づけなかったら?
あの時、カテーテルを扱える先生が見つからない深夜帯だったら?
あの時、心臓循環器の専門医がカテーテルに踏み切ってくれなければ?
そこにあたすの命は無かったかもしれない。
(2)血液検査で引っかかる項目はとにかく早く改善
そして最後に、普段から重大な病気に備えるために必要なことの2つ目は「血液検査で引っかかった項目はとにかく早く改善する」ということです。
内科医にかかれば高血圧や高脂質・コレステロール、尿酸値などの処方薬は貰えます。でも、それはあくまで数値を下げるための暫定的な対応。お酒をやめる、深夜のラーメンをやめる、炭水化物や脂質糖質を制限する、有酸素運動をする、筋トレで鍛える...etc 「あれはダメだ、これをやった方が良い。これはダメだ、これをやった方が良い。」と皆さん好き勝手なことを言いますが、それぞれ原因が違うので対策も異なってきます。そもそも、生活習慣ではなく遺伝や体質によるもので完治しにくいものもあります。原因が何なのか把握するのは困難なのです。原因を特定するのが困難なのであれば、「何が自分に取って有効な対策となるのか?記録することで把握する。」ということが、あたす的には一番大事でした。
あたすの場合は、高血圧/高尿酸値/肝機能障害/脂質異常のオンパレード。痩せていた20代前半から全て悪かったのです。高血圧や脂質異常、喫煙の習慣が長ければ長いほど、血管の動脈硬化や心筋梗塞を招きます。あたすは若いうちから自分で爆弾を抱えてしまっていました。20歳前後の頃に小便を電車の中で漏らすような酒の飲み方をしていたからでしょうか。酒もタバコもやらない兄弟も同じような数値なので遺伝や体質もあるかもしれません。教科書どおりにお酒をやめて、食事の回数を減らし、適度な運動を行っても改善することは全くありませんでした。むしろどんどん肥えていく。そして、始めてはやめての繰り返しで記録もなく、何が自分にとって有効で、何が自分に取って効果が無いのかも分からないままでした。通風が発症しても、虚血性失神で職場で倒れて救急搬送されても、尿管結石を起こしても変わることなく、ズルズルと長期間放置してしまったこと、有効な対応が遅すぎたことが今回の心筋梗塞を引き起こしてしまったと痛感しています。
少しづつ効果が出てきたのは、この1年ほどでしょうか。スマートフォンのアプリ(「あすけん」というアプリで結構便利。無課金でも機能は充実。)を利用して記録していくことで、何をどれくらい食べたら太るのか?どんな運動をどれくらいすると痩せるのか?自分に合った方法を少しずつ模索することが出来ました。そして、あたすがたどり着いた効果的な方法は、①1,000kcal以内のカロリー摂取 ②1万歩(約8km)のウォーキング ③ウェイトトレーニング(詳細は省きます) を毎日続けるというものです。「1000kcalなんて少なすぎで筋肉つかない」「有酸素よりも筋トレを」「筋トレは毎日やってはダメ」など様々な意見はありますが、あたすは代謝が著しく悪いのでしょう。1000kcal以上取ると確実に体重に反映されていきますし、有酸素運動又はウェイトトレーニングのどちらかを行うだけでは体重が減ることはありませんでした。繰り返しになりますが、これはあくまでもあたすの原因に対する方法であり、筋トレだけで良い人や食事制限だけで良い人もいると思います。方法論に議論が集中しがちですが、あなたに合った方法を記録からあぶり出して継続することで血液検査に引っかかる項目を改善するという結果がなによりも大事なのです。
なるべく早く治した方が良いと2つの観点から痛感しています。1つ目は、内臓や血管へのダメージは「累積値」だということです。30代で初めて悪い結果が出た人と、20代からずーっと悪い結果だった人では、病気になるリスクは後者の方が強くなります。1回の健康診断の「瞬間値」で一喜一憂するよりも、長い目で見て、より健康である期間を延ばすことが大切だと思います。2つ目は、病気を発症してからの運動はとにかく辛いからです。痛風で痛む足を引きずりながら歩いたり走ったり出来ますか?尿管結石で痛む腹で腹筋が出来ますか?肝硬変でダルい身体で運動をするモチベーションが湧きますか?狭心症で痛む胸で息が切れる運動が出来ますか?全てNOです。未だ異変が起きてないうちに健康な体を治してしまいましょう。
長々となりましたが、いかがでしたでしょうか。当たり前のことばかりだったら申し訳ないです。この記事の内容が1つでも役に立ったなら光栄です。この記事の後編として、手術~入退院の体験記と医療費を抑えるための社会制度(健康保険を適用しておくことの重要性)を書こうと思っています。興味があればまた読んでくださると嬉ぴっぴです。