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ちょっとした会話、暮らしの潤い

昨夜から降っていた雨は昼前には上がって、
だんだんと明るくなってきました。

二人の こざる達は、近所のスーパーへ買い物に行って、
こざるカフェへの帰り道です。

「やっぱり、ここのスーパーは いいねー。」
「うん。店員さんがいいよね。」
「ちゃんと 対話してくれるからね。」

こざるカフェの近くには、スーパーがいくつかあります。
その時によって、あっちのスーパー、
こっちのスーパーへ行ったりしますが、
よく行くスーパーは、今、行って来たお店です。

「今は どこのスーパーも ほとんどセルフレジになっているんだけど、
ここのスーパーは、セミセルフレジなんだ。」

セミセルフレジとは、店員さんが品物をスキャンしてくれて、
支払いは、お客さんが自分でやるレジです。

「セルフレジは、品物のスキャンも 自分でしないとならないんだよ。」
そうですね。
自分で、カゴから出して、ピッ!とスキャンして、
支払いも機械の指示通りに 自分で行います。

「セルフレジだと、店員さんと話すことはないんだ。」
1人で全てやりますからね。

「でも高齢のお客さんの場合、
セルフレジを使うのが難しいとか、慣れないっていうのもあるけれど、
お店に行って、店員さんと話しがしたいっていう人も多いんだよ。」

「この前、こざるカフェに来てくれた高齢のお客さんが、
最近は買い物に行っても、どこもセルフレジになっちゃって
誰とも何も話すことがなくて、つまらないって、話していたんだよね。」
「別に延々と お喋りするわけじゃないんだけど、
ちょっとした挨拶だけでも、
買ったものが美味しそうって一言だけでも話すことがないと、
寂しいわねって言ってたんだ。」

そうかもしれません。
若い時は、毎日、いくらでも、普通に会話する機会があります。
けれども、年をとると、そういう機会は少なくなってくることが多く、
一日、誰とも話をしなかったということも あるようです。

「それでね、ぼく達が今行って来たスーパーは、
店員さんも、皆、感じがよくて、
品物をパパッとスキャンしてくれながら、ちょっと話してくれるんだ。」
「あら、これ、美味しそうね、とかね。」
「ぼく達も、そうですねって言って、とっても楽しいから、
きっと高齢の方は、もっと楽しいんだと思うよ。」
「ちょっとだけでいいんだよね。」
「うん、ちょっとだけでいいんだよ。」

ちょっとした会話でいいんです。
それが日々の暮らしの潤いになります。
ロボットではなく、感情を持った生き物ですから。

「ただいまー。」
こざる達が、こざるカフェに戻ってきました。
「おかえりー。」

外は青空が広がってきました。
「りこちゃんに、晴れてきたよーって言ってくるねー。」
こざるちゃんが鼻歌を歌いながら、りこちゃんの部屋に向かいます。


こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり、
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。


読んで下さって、どうもありがとうございます。
暑かったり、涼しくなったり、雨が降ったりしながら、
気がつけば 5月もあと少しです。
よい毎日でありますように (^_^)


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