無事でありますように
「あ、また救急車だ。」
遠くでサイレンが鳴っています。
「もうずっと毎日 すごく暑いから、具合悪くなる人も増えるよ。」
こざる達、うんうん頷きます。
もちろん、どういう状態で救急車を呼んだのかは わかりません。
怪我なのか、病気なのか、年齢もわかりません。
「でもさー、やっぱり高齢の方が熱中症かなって思うよね。」
「そうだね、やっぱり高齢だと体調崩しやすいから。」
こざる達は、先日、りこちゃんの定期検診で一緒に病院に行った時のことを思い出しています。
「りこちゃんは、特に具合は悪くないし体調も安定しているんだけど、高齢だから 定期的に病院に行って、主治医の先生診てもらっているんだ。」
「この前は、採血検査をしたんだよ。」
「結果は完璧だったんだ!」
「どの数値も良かったんだよ。」
「りこちゃん、優秀なんだ。」
採血をする検査室の近くに救急車で運ばれてきた患者さんの処置室があります。
その時は、運ばれてきた人が それほど多い印象はありませんでしたが、
処置室から 小柄な上品な おばあさんが車椅子で出てきました。
年齢は 90近くでしょうか。
「ごめんねー。ごめんねー。」
見たところ 具合は大丈夫な様子の そのおばあさんは、廊下で待っていた施設の付き添いの女性に何度も謝っていました。
「ううん、謝らなくていいんですよー。気分悪くない? 大丈夫?」
「うん、大丈夫だけど…」
「○○さん、ベッドに横になっていて、いつもと様子が違うから、びっくりしたよー。」
「ああ、そうなの?」
「うん、全然 喋らなかったし...」
この二人の会話を思い出している こざる達。
そこへ、娘さんがやってきました。
施設から連絡がいったのでしょう。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
そう言って おばあさんは泣き崩れてしまいました。
「娘さんの顔見て ホッとしたんだよね。」
うんうん頷く こざる達。
そして おばあさんは 安心したのでしょう、車椅子に座ったまま、寝てしまいました。
施設の人は 娘さんに説明をしていました。
「無事でよかったよ!」
「以前、りこちゃんも救急車で運ばれて あの部屋に入ったから、助かって 無事で良かったって思うよね。」
そんなわけで こざる達は救急車のサイレンが聞こえると、助かりますように、無事でありますようにと祈ります。
やはり健康第一です。
こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。
読んで下さって、どうもありがとうございます。
このおばあさんは、その後、CT検査があるようで(聞こえてしまいました)、何もなく無事に済んでいますように。
よい毎日でありますように (^_^)
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