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アメリカでの転職活動について

この度、1年半勤めた在LAの日系企業から、別の日系企業に転職しました。
アメリカでの転職活動について簡単に振り返りたいと思います。
同じような境遇の人の参考になれば幸いです。


なんで転職したの?

働いていた会社が、組織としての仕組みが整っておらず、マネジメントもそれを良くしていく気がなかった、ということが主な理由です。

少人数の会社ということもあってか、人事評価などルールが整備されておらず、気まぐれで物事が決まったり、経営方針もあってないような状態だったり。それによって生じる理不尽や不公平を、是正できないのがストレスでした。

1年半の間、自分なりに制度を整えて組織を良くしようと試みましたが、改善の手ごたえを感じられず、このタイミングで転職することにしました。
SIerとしての仕事自体は、広くいろんな技術に触れられて、とても楽しかったです。(情シス→SIerへの転職で掴んだもの 参照)
また、初めて管理職を経験しましたが、部内のメンバーにも恵まれて、そのこと自体には特に大きな苦労はありませんでした。

自分の状況

2022年12月に家族3人でLAに移住、Eビザ。
日系SIerでエンジニア兼マネージャー。永住権なし。

転職活動の流れ

2月中旬 人材エージェント3社にレジュメ提出
2月下旬 人材エージェントと面談/自分でもポジション探す
3月中旬 1社と面接、オファー提示
3月下旬 オファー受諾
4月末 退職届提出
5月上旬 引き継ぎ
5月末 退社

結果的に応募したのは1社のみ、そこの会社から提示されたオファーが納得いく内容だったので、1か月で転職活動を終了しました。

応募できるポジション

大前提として、永住権も米国市民権も持っていない自分は勤めている会社のスポンサーシップがないと就労ビザ(=アメリカに滞在する許可)が得られません。
日本人にビザを出せるのは(一部例外はありますが)日系企業のみなので、必然的に日系企業の求人を探すことになります。
せっかくアメリカにいるし、米系のローカル企業という可能性も探りたかったのが正直なところなんですが、上記の理由で断念しました。

希望するポジション

以下の条件で探していました。
ポジション:事業会社の社内IT/情シス/コーポレートIT
勤務地:LAもしくはNY
重視するポイント:人事評価制度および仕組みが整っている会社

転職するにあたって「きちんとルールが整備されている組織」を念頭に置いていました。
定義や見分け方が難しいのですが、感覚的に”100人以上いる組織であればきっと今よりマシだろう”と考えていました。あとは面接や会社の雰囲気で判断するしかないので、そこに注意しながら求人を見ていました。

紹介された求人

3社のエージェントに登録して、紹介された求人は以下でした。

  1. 社内ヘルプデスク

  2. SIerのエンジニア兼マネージャー(LA)

  3. SIerのエンジニア兼マネージャー(NY)

  4. SIerのエンジニア兼マネージャー(LA)

希望するポジションとは違ったため、結局いずれの求人にも応募はしませんでした。

また、これ以外だとシカゴ、テキサスの求人が多かったです。日系企業が集まっているのがその辺りってことですね。
フルリモートの求人はここ最近減っているようで、今回紹介された中にはありませんでした。

応募した求人

・日系企業の社内IT(LA)
企業の人から直接LinkedInでスカウトメッセージをもらいました。社員数は500~1000人。カジュアル面談でお互いの要件について確認し、マッチ度合いが高かったのでそのまま応募→オファーに進みました。

希望通りの情シスポジションで自分の強みがそのまま生かせ、福利厚生も申し分ない。ルールが整備されているかどうかについても、面接で確認した限り問題なかったので、そのまま決めました。

オファーの内容

提示された金額は、手当込みでそれまでの約1.5倍でした。
元々の給与は、アメリカの一般的な給与レンジからすると安いな…?ビザサポートされてる立場だから仕方ない…?と思っていたんですが、転職でここまで上がるとは、予想外でした。

オファー受諾後の流れ

  1. 転職先企業によるバックグラウンドチェック(約1週間)
    学歴を証明するため大学の卒業証明書を送ったり、過去5年間の職歴を確認するため当時の給与明細のコピーを送ったり、書類を揃えるのが少し大変でした。

  2. 転職先企業の人事&移民弁護士によるビザ申請書類の準備(3~4週間)
    こちらも、卒業した小中高の住所・電話番号、過去の上司の氏名や連絡先、家族の職歴など情報を揃えるのに苦労しました。

  3. ビザ申請のため一時帰国(2~3週間)
    通常、アメリカ大使館での面接日程を先に決め、それに合わせて帰国します。今回私のケースでは面接は免除となりました。
    日本に一時帰国→申請書類を大使館に郵送→日本で返送されたパスポートを受け取る という流れでした。

  4. 転職先企業に入社
    ビザが承認されればようやく入社が決定します。ビザが承認されないと転職できないどころかアメリカに住み続けることすらできなくなるので、結果の通知を受け取ったときはホッとしました。

辞める、って会社にいつ言うか問題

転職先企業の人事担当者からは
「ビザが承認されるまでは辞める(転職の意思がある)ことを開示しないでください」
と言われていました。これは当然のことで、ビザが下りなければ会社を移ることができないため、確定するまでは現職に対する動きを取らない方が賢明です。

しかしながら、現職に何も言わないまま2~3週間職場を離脱する(上記3.ビザ申請のため一時帰国)のが私の置かれた状況では現実的ではありませんでした。
「もしビザが下りなかったら…?」という不安はありましたが、リスクを取って一時帰国よりも先に退職の申し入れをしました。

そして入社

無事にビザ取得、入社手続きを終え、今月から勤務を始めました。

今のところ、前職でストレスだった理不尽や不公正を感じることはなく、転職して良かったなと思ってます。

日本での転職活動と違った点

  • 求人が少ない
    何をおいてもこれです。前述のようにビザの制約があるため、そもそも応募できる求人が限られています。3つの人材エージェントに登録しましたが、いずれの会社も私が希望するような案件は持っていませんでした。

    自分は運よく希望通りのポジションについてスカウトが来ましたが、本来であればもっと辛抱強く、人材会社に登録したうえで半年~1年かけて希望するような求人が出るのを待ったり、会社に直接コンタクトして求人していないか問い合わせたり、という動きを取らないといけないのかなと思いました。

    あるいはリファラル採用を狙って、知り合い伝手でポジションを探す、というような動きが必要かもしれません。

  • 転職できるかどうか、がビザに依存する
    ポジションと自分のスキルのマッチ度合いの他に、ビザの問題をクリアする必要があります。どれだけ相性バッチリだったとしても、ビザが承認されなければ転職はできないのです。
    今回のケースはEビザを持っている状態で、Eビザをサポートできる企業への転職だったので特に難しさはありませんでした。
    企業によってはサポートできるビザの種類が限られていたり、個人が所有しているビザの種類によっては転職できる時期に制約が生じたり、ということがあるので、そのあたりは選考が進む中で応募先に確認する必要があります。

永住権が得られればこの辺りの制約は無くなるので、いずれはそこを目指したいと思っています。GCの抽選当たらないかなー



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