ドラマ「アフリカの夜」。なぜ23年も前のドラマに、今でも惹かれるのか。それが知りたくて、ドラマの文字起こしをしている。
このドラマの大筋は……
①礼太郎と八重子と有香の三角関係
②みづほの葛藤
逮捕されるか、時効を迎えるか、自首するか
③八重子の成長
元婚約者火野史郎=カタログ人間からの精神的脱却
④有香の葛藤
仕事と男
⑤八重子と有香の友情
そして6つ目が、「おかずの丸ちゃん」存続問題だ。
1999年は過渡期だった。個人商店が残って欲しい、私も思っていた。あれから23年どうだろう?郊外型ショッピングモールの台頭で、市街地のデパートさえ潰れる時代だ。個人商店なんて、一周回って観光地になるくらい。
「おかずの丸ちゃん」は江古田商店街にある。同じ商店街の豆腐屋さんも銀行にとられそうになるシーンがある。礼太郎は、大企業には適当なコンサルティングをして、それで稼ぎ、個人経営の店の相談には現物支給でのる。
この適当な感じが、礼太郎らしい。それなのに、なぜか重役が納得するのがおかしい。
その直後のシーン
個人商店がなくなるかもしれない場面、店主があらがう場面が、切なくなる。
礼太郎の個人商店へのまなざしがやさしい。
みづほの逃亡直前、シンクロするように個人商店問題もヒートアップする。
このシーンは長いディスカッションになっており、前半はみづほが銀行と対峙する。この銀行員の憎らしさ。「ご決断なさったのは、丸山様ご自身でございます」クッソー!!みづほも指摘する通り、丁寧に言われるほど腹が立つ。
この間、じっと聞いていた良吉が後半、思いをぶつける。前半、何も言わなかったからこそ、余計に熱い思いが伝わる。
最後のセリフ。1999年のドラマでこのセリフを書く問題意識が好き。2022年そんな町ばかりだ。とくに私の住んでいる地方都市なんかは。
普段おとなしくて、主張しない良吉がこれを言うのがぐっとくる。
結論
正義を高らかに主張してグッとくるのは、普段言わなさそうな人が言ったとき。
個人商店問題は、最終回まで続いている。
それはまた別の話……