23年前にフジテレビで放送されたドラマ「アフリカの夜」。鈴木京香さん、佐藤浩市さんはじめ、室井滋さん、松雪泰子さん、ともさかりえさんなどが出演している。
それだけでも鼻血もんだが、加えて、演出家は宮本理江子さん、河毛俊作さん、水田成英さん。鼻血もよだれも出放題。
「アフリカの夜」の面白さは、何と言っても「道は開かれている」という主題に関わるシーン。だけど、それだけじゃない。これまで19回書いてきたけど、それでも書き尽くせない魅力がある。
閑話休題として今日は小ネタを集めてみた。
これは、みづほがアフリカから逃亡した時のシーン。駅から下りて、宿に入る。逃亡に関わることだから、トーンは暗いはずなのに、「よりにして、よりに」である。
普通、身を隠す逃亡犯なら、こんなこと言わないでしょ?だけど、みづほは、黒い服を着て、顔をうつむかせていながら、こういう相手が引っかかる言葉を言っちゃうんだよね。それがみづほのキャラクター。
殺人の逃亡犯の、こういうおばちゃん的な一面を見ると、ホッとする。
次は、医者と警官のやりとりが面白い。
亀田伸枝が捕まえられず、福井県警がじりじりしている頃の話。テレビで、亀田伸枝が整形手術をしていると聞いた医者が、自分が執刀したことに気付く。
医者が表通りに着くと、女性警官がちょうど違反を取り締まっていた。
小学生のケンカみたいなやりとりに、思わず笑ってしまう。こういう男子と女子、いるいる。
だけど、こんな子供じみたことがきっかけで、亀田伸枝は逃げることができる。亀田は、強運の持ち主という設定なのだ。
次は、八重子にもユーモアがあったんだねと思ったシーン。
八重子は管理人として見学者を案内している。なよなよっとした男子大学生とその母。
真面目な八重子がこういうことを言うのが面白い。最後、よっしゃ、という八重子の表情がまたいい。
次は、みづほが逃亡した時。みづほが逃げるシーンと福井県警捜査本部のシーンが交互に流れる。
本部長が仏頂面で、恋のフーガに合わせて腕を降っている。その様子と、必死に逃げるみづほが交互に出て来る取り合わせの妙。
「アフリカの夜」について書き出したら、止まらない。まだまだ、好きな所がある。