ドラマ「アフリカの夜」。みづほの本名は亀田伸枝、指名手配犯だ。1999年に作られたこのドラマ、亀田伸枝のモデルは1997年に逮捕された福田和子だ。整形手術をして逃亡を繰り返すとか、警察に捕まる間一髪のところで逃げるだとか、15年逃亡して時効直前に逮捕とか。
自分が逃亡犯で、バレそうになって逃げたなら、絶対に元の場所には帰らない。だけど、みづほはアフリカに帰ってくる。帰ってしまうの分かるよなぁという仕掛けがいっぱい。
一番大きいのは⑬で書いた良吉の取れたボタン。
良吉の思いがプラスとしたら、逆のマイナスとして
逃亡中、あわよくば、お母ちゃんに会えたらと淡い期待をして電話をしたのだろう。兄の死ね、という言葉と、アフリカの住民の自分を慕う言葉が対比される。
まずは有香への電話。
と言っても、これは兄への前に電話している。
幼児のように「丸ちゃんのお母さん」という言い方が緑らしくてかわいい。みづほも、ダメだこりゃ、みたいな顔で受話器を置く。
アフリカの方が、居心地良かっただろ?ってのが、グッとくる。嘘はつかない、でも、亀田伸枝って名前は出さない。誠実で優しい礼太郎。
実は、この時、みづほはメゾンアフリカの近くまで帰って来ていた。それでも、やっぱり帰れなくて、八重子に電話したのだろう。最後の一押しってとこだ。
みづほの気持ちが、だんだんアフリカに近づいて来る、この盛り上げ方がいい。