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読書感想文:『4162024830PM』という、何でもない火曜日の夜のことを95人が書いた本(はちみせ)

私も参加させてもらった「4162024830PM」の本の感想。

この本は性別や年齢、住まい、職業などバラバラな95人が2024年4月16日(火)の午後8時30分にしていたことを後で思い出しながら書いたものだ。

私は人の一日のルーティンを聞くのが大好きで、それは、ふとした時にあの人は今頃こうしてるのだな、と想像するのが好きだからなのだけど。
この本はそんな、他人の私生活を覗き知るおもしろさがあり、自分がしてる事とはまったく違うことしてる他人の様子が知れて楽しい。

私は2024年4月16日(火)の午後8時30分の「そのとき」、会社で仕事をしていた。その同じ時間に、晩酌してる人、祝ってる人、寝てる人、調子悪い人、笑う人、悲しむ人、海外にいる人、くしゃみを褒められる人、たちがいたようだ。
自分のことではなく、家族やペットの様子を書く人もいた。

お会いしてないけどこの人しょーもなくて気が合いそうだなあと笑っちゃうのもたくさんあったし、切なくてたまらなくなるのもあったし、真剣に専門的な仕事の描写をしてるのもかっこいいし。400字以内という短い文章にも人柄が表れてておもしろかった。ああみんなちゃんと生きてるなあ。

できあがった本は、この本をつくった「はちみせ」の店主・土屋遊さんからいただいた。95人もの人に声かけるのもすごいし、まとめるのもすごい。あとそもそもの発想も素敵。

本をいただいた日、電車ですこし読みながら帰ったのだけど、これは一気に読みたいな、と思いなおした。そしてある週末、横浜の海の見えるカフェでソファに埋もれ一気読みした(いま無駄に、私でもそんなオシャ時間を過ごすこともある自慢しました。普段はマックでハッピーセット)。

神の視点になれる

95人の同じときに起きた事や感情が一気に知れるって凄くないか?まるで神の視点だ。

神の視点になったからわかるのだが、「そのとき」、テレビにうつった芸能人や、4月ならではのお天気模様など、ところどころ情報がリンクして出てくるのもすごく面白かった。

ちなみに土屋遊さんに、なんであの日のあの時間だったの?と聞いたら「一番何でもない火曜日の、何でもない時間にしたかった」と言っていた。
あんまり考えたことなかったけど、土日はたいていの人にとって休日で、月曜日ははじまりで、水曜日は真ん中で、木金は週末で、確かに火曜日は一番なんでもない曜日だ。

その何でもない火曜日にあった95通りの夜、ぜひ神の視点で覗いてみてほしい。

最後に、土屋遊さん、かっこいい企画本に声かけてくれてありがとう!


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小堺丸子
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