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軽井沢でランチ

前回に引き続き晩秋の旅記録である。

伊香保を満喫し、群馬でどうしても立ち寄りたかった石窯パンのお店に立ち寄る。「four a bois」フール・ア・ボアと読むらしい。

フリッツアートセンターという所の一角ににあって、小さな可愛いパン屋さんだった。外には薪が重ねられている。
開店時間ちょうどに到着し、ワクワクしながら小さな小ケースを覗くと「すみません。もう少ししたらパンが徐々に並ぶと思います。」と奥さんらしき女性に声をかけられた。オーブンと違い、薪のオーブンで焼いているから出来上がり時間もゆったり構えて待ったほうが良さそうだ。

待ち時間に絵本屋「TIN TIN BOX」に入ってみた。ドーム型をした店舗は、正面が赤い格子状の柵で覆われていて、目を惹く外観だ。ガラスの周りに太い白い枠が施された入り口ドア。赤い縦長の取手。そこに、TINTINと相棒ワンコを施したクリスマスリース飾られており、ワクワク度が急上昇。
「可愛い!」
店内に入ると手前はまさにTINTIN一色!グッズから絵本、お土産やフィギュアなどもある。オーナーのTINTINへの愛情深さが感じられる。

奥には子供の頃に手に取った絵本がいくつもあった。お互いに小さい時にどんな絵本を読んだかや、この絵本のどんなところが好きだったかを話している間にあっという間に一時間近く経過していた。
そろそろかなぁ、とパン屋さんに戻ってみると先ほどより3種類くらいパンが追加されていた。シンプルなフランスパンに類似したパンと、胡桃がゴロゴロ入ったパン。そしてアンチョビとオリーブが入ったパンを購入した。

群馬県。初めてきたけれど関東とは思えないほどのんびりしていて、人々が優しい。またお気に入りの場所が増えた。また来るね。

さて、旅行二日目である。
昨日、明日どこに行こうかと話していた時、意外と軽井沢まで近いよ。と言うことになり足を伸ばしてみた。

着くころにはランチの時間。お目当ての素敵なお店がGoogle先生によれば営業中となっているではないか。いざ目的地に到着して嫌な予感。電気が付いておらず、入り口前に立て看板。
「火曜日定休 水曜ランチ定休」。
あろうことか、今日は水曜日。お店のホームページから営業日を確認したにも関わらずお休みだった。最近はお店のHPよりもインスタで営業情報を調べなければいけないらしい。

気を取り直して向かったのが旧軽井沢のメイン通りに程近い「BAKERY&RESTAURANT SAWAMURA」。入り口が二つあり、レストラン側の入り口から入店した。すでに満席で、多くの家族づれやお友達グループ、カップルがお話に花を咲かせている。中央にバーカウンターとレジブースがあり、お酒のボトルやグラスが整然と並べられていた。
二階席もあり、吹き抜けの先には裏の林を眺められる窓が施してある。
店内と外の一体感が出るように、室内の天井材と軒先の材料が統一されていてなかなかおつである。
二階席の手すり部分にはおしゃれなスワッグがいくつも吊り下げられていて、おしゃれな店内を見渡すだけでも楽しい。
店員さんもこざっぱりした印象の方が多く、オープンキッチンで作業段階が席から眺められるのもいい。

「素敵なランチになりそう!」

お目当てのラザニアは売り切れだったので、私はグリーンマスタードのポークグリル(確かそんなネーミングだった)、彼はチキンのソテー(トマトソースだった)を頼んだ。

程なくして料理が運ばれてきた。
鮮やかなグリーグリーンのマスタードソースの上にグリルしたキャベツ。その上に主役の肩ロースポークのグリルが鎮座していた。
ほのかな酸味がアクセントになっていて、ポークの甘い油をうまくまとめ上げている。
彼のチキンソテーも一口もらったのだが、トマトソースにチーズっぽいコクがあり、まろやかでこちらもすごく美味しい。
何が入っているかわからないお料理ほど美味しいと思うタイプだが、二品ともまさにそれである。

優雅な空間と軽井沢の空気。
そして美味しいランチにうっとり。

振り向けばさりげなく目に入るグリーンと、西日に傾きかけた日差しが心地よく差し込む店内。
そして美味しいパンとお食事。

カチコチに固まっていた心がふわっと優しくなる。日常でそのふわっとした優しい何かを思い出すたびに、カチこちの心を溶解してくれるに違いない。改めて旅の魅力を感じた。


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