どんよりと…
早朝、台所から音が聞こえてきた。
母が動き出したのだ。
少しの間そのままにしておく。
カチャカチャと嫌な音が聞こえる。
流石に寝室から起き上がり、台所へ行くと
ガスコンロを点火しようとしていた。
ガスの元栓は寝る前に閉めて蓋をしているので
火がつくことはない。
が、もし元栓を閉め忘れた場合を想像したら
恐ろしくなった。
火がついても怖いし(鍋に火をかけそのまま放置)
火がうまくつかずガスだけ開いていて
ガスが充満して爆発…なんてのも恐ろしすぎる。
火を見ながら料理したいのでガスを選んでしまったが、やはりIHにすべきだったのだろうか…
なんにせよ、台所への侵入は防がなければならない。以前からの課題であった。
引越ししてから母が台所に入ることも
冷蔵庫を開けることもなかったので、
すっかり油断していた。
とりあえず母をその場から移動させ、
寝るように促した。
台所を見ると
昨日買った里芋の皮が全て剥かれており
煮物にしようと思ったらしく鍋に入っていた。
冷蔵庫から醤油を入れ、少し水も入っていた。
大根の先の方を切り落とし、
なぜだか大根おろしにしている。
何が食べたかったのだろうか…
炊飯器は内釜を別の部屋に隠しているので
お米は炊けない。
とうとうここまで(台所)きたか…
はてさて、どうしたものか…
母を注意して
いくら台所には入らないでね!
と言ったところで効力はない。
私達にご飯を作ってくれようとしてるので
責めてもしょうがない。
すっかり慣れてしまって忘れていた。
今が一番しっかりしている母だという事を…
そうだった!
この状態がずっと続くわけじゃないのだ。
これから先、少しずつ母の認知障害は進んでいくのだった。
と、現実を突きつけられた日曜の朝。
なるようになるさ!と言い聞かせるが
色々と想像したらちょっと怖くなった日曜の朝。
空模様と同じどんよりとした1日を過ごしてしまった。
さぁ、台所問題をどうするか。
ゆっくりお風呂に入って考えよう…
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