つらいよね…
お昼ご飯を食べてからが勝負である。
私たちが各自仕事を始めると、ソファに座り日記を読み始める。
何度も何度も。
最近の日記には、その日の出来事3割、妄想話7割が綴られている。
妄想話では日々色々な人が登場し、色々な事をして過ごしている。
今日は比較的落ち着いて過ごしてたので、3時のおやつを食べ終え、
私は外にでて作業をしていた。夕方、母がかばんを持って
「もう帰るわね。」とはじまった。
私「気をつけてね。バス停まで歩いて3時間かかるから、がんばってね。」
母「そんなにかかるの?」
といつもはここで「じゃあ、やめるわ。」
となる。だが今日の母は違った。
一度家に入ったがまた出てきて
「やっぱり帰るわ」と聞かない。
その後このやり取りを何度か繰り返し、
さすがにイラっとしてしまい
私「バスはもう来ないから、駅まで歩いたら3日かかるよ。箱根の山超えなきゃつかないよ!」と意地悪を言ってみる。
母「すごいところね。じゃあ、やめるわ。今日はここにいるわね。」
と家に入って一件落着のはずが、家に入ってもまた帰ると言い出した。
「日記を読んで確認してごらん。」と促すと静かに日記を読み始め、納得して疲れたと横になってしまった。
夕飯の支度をしていると母が起きてきたので、
私「大丈夫?疲れちゃった?」
母「なんだかわからないけど、精神的に疲れちゃった。わけがわからないの。」とつぶやいた。
母もつらいのだ。認知症の初期の人はきっと、現実と妄想、記憶のある事とない事、出来ていたことが出来なくなる事がわかるだけにつらいのだと思う。
夕食時、いつものようににこにこして食事をした。
あの時の不安な寂しそうな表情はなく、ほっとした。
もうすぐ始まるデイサービスの話やアクリルたわしのラッピングについて
楽しそう話をして、お風呂に入って、寝室へ行った。
不安が取り除かれゆっくりぐっすり寝てくれるとよいのだが…
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