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さまざまな選択

 育児は選択だらけ。子どもにとって「より良い」選択はなんだろう。
親として大人として、子どもが大きくなっても葛藤する気持ちは変わらい。
 そんな中、生まれたての小さな命に対しての選択をされたお話です。
 「舌小帯」、耳慣れないこの言葉。口腔内、舌の裏側に位置する膜状の組織です。この膜が短かったり強く癒着する場合には手術が必要になる場合もあります。
 舌が短く乳頭へ舌が届かず、母乳がうまく飲めない。そんな赤ちゃんに多く出会ったのが以前の勤め先、母乳がうまく飲めないだけでなく、眠りが浅い、反り返りが強い、夜泣きがきつい、育児のしにくさにつながった症例をたくさんみました。
 それだけではなく、成長したときに滑舌が悪くなる、酸素の取り込みが悪くなる。色々な情報があるなか、ご家族は手術をするか否か小さな命を目の前に選択を迫られます。
 手術や治療は、症状やどこまで治療するのかによって様々。
 私が出会った症例では、根本治療を求めて生後1ヶ月(その時は生後まもないほうが体の負担がすくないと説明を受けておられました)、国内唯一といわれる病院まで治療に行かれた方が多くいました。手術は自費のために費用もかかり、また手術後のケアも自宅で継続されていました。
 全身麻酔は避けたいとお子さんが大きくなるまで待たれたご家族、意見が別れ断念されるご家族、大人も一緒に手術をされたご家族、その選択は本当に様々でした。
 どの選択も子のためを思い、一生懸命向き合った結果です。私は、手術をした、しない、では
なくその選択を悩みに悩んでされたそのご家族の姿がとても素晴らしく思えました。
 命に直接関わらないからこそ、選択肢がありすぎて悩みが大きくなる。出産、育児は常に選択の連続です。
 悩むことはいいこと。
ただそこに正解がありません。
だからこそ悩みにとらわれて心を壊して欲しくない。
 医学的なお話から体験談までアドバイスを求められる立場の方にも知って欲しい。どんな選択があるのか、心に寄り添い、共に悩んで、受け入れていくのか。
 さまざまな選択があるなか、選択を迫られたときの負担はとても大きくなります。悩みは相談することが、第一歩。
私の体験談が少しでもお役に立てばと思います。悩んだときには、どうぞ助産所へいらしてください。


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