コロナがなければ気付かなかった事
子供が中学校に入った頃から送り迎えの必要がなくなった事と
アフタースクールプログラムに入れる必要もなくなり、勝手にお友達と遊びに出かけてくれる様になって、私の生活は一変した。
日本だと普通の事かもしれないがアメリカでは子供が11歳(要は小学校卒業くらい)までは送り迎えが必要だし、一人で留守番もさせられない。もちろん友達との約束も親同士で連絡取り合って、どちらの家で遊ぶか親が決め、連れて行ったり迎えに行ったりととにかく用事が多い。
長年のその苦労から解放されて、お〜〜〜〜、朝一人で学校に行ってくれるし、一人で帰って来てくれる事に物凄く感動した。
そして何となく ”子育ては一段落した” と言う感じがして自分に対して ”お疲れ様でした” と自分を労った。
友達も沢山いるみたいだし、健康に育ってくれてるし成績はイマイチだけどまー良いか、、とのんびり構え私は今までの自分の人生を取り戻すかの様に忙しくしていた。
私は複数の業種をフリーランスという形で働いているのでスケジュールがバラバラだ。なので以前は本当に苦労してベビーシッターをはじめ、沢山の人達のお世話になりながら育てて来た。
その心配がなくなり、子供に手が掛からなくなってからはますます忙しく働き、育児方針は ”放任主義” でのんびりやっていた。見えてない事が多かった。
しかし、コロナになり全てが変わった。
私の仕事は殆どなくなり失業手当に頼って生活し始めた。仕事を復帰した後も殆どの業務は家で出来る様になりリモートワークへ移行。
息子の学校もリモートになり1年が過ぎた。
この1年で一番多くの気づきがあったのは息子の事だ。。彼がどの様に学習していたのかを初めて目の当たりに見てショックを受けた事。
誰かが目を光らせていないととことん怠けてしまう上にストレスに弱い。リモート学習には全く向いていなかったので、私が毎日目を光らせて宿題やその他の学習ができているかチェックしないといけなかった。
今までそこまでした事もなかったが息子の書いたエッセイを読んで、レベルの低さにびっくりしたし、宿題などは最小限しかやらないし、時にはやったふりをして遊びに行ってしまう、、などなど。
もう手遅れかと思いながらも、モチベーションを上げる方法を試行錯誤しながら
”放任主義” の私が ”にわか教育ママ” になり始めた。自分でも滑稽な具合に。。
そんな中で息子の思考パターン、得意と不得意な所が見え始めた。
彼の強み、そして弱さ。
ストレスが溜まった時の行動パターン。
そして、彼の行動パターンはある意味、自分のパターンでもある事に気づいた。
私自身も注意散漫なところがあるし、集中力が長続きせず、ストレスにも弱く、やりたくない事から目を背けて他の事で忙しくすることで誤魔化したり、、、
ストレスの多い事に向き合わないといけなくなると彼はおやつか飲み物をリクエストする。それって私が同じ状況の時に取り敢えずコーヒーやチョコレートをゲットしてからやろうとするのと同じじゃないか、、、
私も外で人と接して働いて来たから、家でのリモートワークというのは実に大変で、孤独と自分との戦いが待っている。
息子も同じだ。。リモート学習は孤独なんだ。一番しんどい”自分との闘い方” が分からないんだ。
私だってそうなんだからそりゃそうだろう。
一番効率よく、出来るだけストレス溜めないで学習できる方法を1年経った今も考えながらやっている。
前も書いたが高校入試も重なって、今まで気がつかなかった学校の事、息子にとっての”勉強する意味” とは何かとかかなり考えさせられたし、学業を通してどういう人間に育って行くのか、、これからもずっと考え続けて行く事になるだろう。
それくらい大切な事だからだ。
これまでの私が自分の複雑なスケジュールの仕事にかまけてて放任すぎて全く気づいてなかっただけだ。
手遅れかと思いながらも、それでも今気づいて良かったと思っている。
もしコロナがなかったら、きっと気づかなかったと思う。
向き合う余裕も時間もないままずっと流される様に過ごしていたと思う。
息子の悪い生活習慣も、それが私から来ていた事も。
生活習慣の悪さはやはり親のせい。
やりたくない事もルーティン化して
幾ら仕事が忙しくても完全な放任はだめだ。
もっとしっかり見てあげないとダメだ。
泣いても笑っても後4年で大学、、その後は巣立って行くのだから。
次の4年も自分の出来る限りしっかり見守っていこうと思う。
送り迎えなどが大変だった最初の ”身体的な育児” フェーズは終わったが
”人間形成” というもっと深いレベルでの次のフェーズはこれからだ。
コロナが私に与えてくれた最大の気づきはここだった。