私設図書館もんができるまで④
前回の記事で、もんのこだわりポイントをいくつか紹介しましたが、今回は内装に関して3つにしぼって紹介したいと思います。
内装デザイン
以前紹介した構想では書いていなかったのですが、僕の中のテーマとして「境界線をなくす」ことを大切にしていると打ち合わせで伝えていきました。
それを聞いて植村さんが出してきて下さった内装案が上のものです。
ポイントをいくつかあげます。
①棚を外まで伸ばすことで、ドアを全開にした時にどこが境界線かわかりにくい
②棚がカウンターと繋げることで流れが切れない
③円卓を中心に円形のデザインを取り入れることで、空間的な区切りをつけない
建築家さんの仕事ってすごいなぁ、と当時から本当に感心しておりました。
僕が伝えた大切にしたい想いを空間として具現化するって、本当に素敵なお仕事ですよね。(今更)
内装家具
内装の家具はほとんどがオーダーメイド、手作りです。
円卓はもちろん、本棚、カウンター、キッチンの台も手作りで、工務店の方に完全お任せではなく、僕を含めてお手伝いスタッフや学生さんたちと一緒に設計図から作っていきました。
ちなみに円卓の設計は建築学科の学生さんです。
小さい人から大きい人まで一緒に使えるようにと段差をつけた円卓を設計しました。
小学生の平均身長などから計算して高さを考えたりと、一つの家具をつくるのにも様々な事を考え、その過程を丁寧に辿っていきました。
本棚に関しては素人が手出しできる難易度ではなかったので、やすりがけなどの簡単な所だけお手伝いしました。
この本棚、本当にすごいんです。
何がすごいか、一見わからないですよね?何がすごいと思いますか?
実は、本棚の本体には釘が一本も使われていないんです!
壁への固定を強化するために数本使われていますが、それだけです。
しかも、その釘も普通には見えないような位置に打たれているので、普通に見ているだけではわかりません。
職人のこだわりを感じ、感動しました。
この本棚がどのようにできているのか知りたい方は、ぜひ直接確認してみてください!
素材
素材に関するこだわりとしては、手に触れるものは極力自然素材を使うということ。
①自然素材の肌触りから感じる温かさを感じてほしい
②プラスチックなどの化学素材でできたものを避けたい(環境保護的な観点などから)
③壊れることを知ってほしい
この3点が大きな理由です。
だから、当館で出しているグラスは子どもに出すものも含めて、ガラスや陶磁器でできたものです。
落としたり、乱暴に扱ったら割れるし、割れた破片を触れば怪我もする。
子どもに優しくないと言えばその通りです。
でも、そうやって間接的にでも物を大切に扱うことを学べる機会を、暮らしの中に取り入れたかったのです。
大切に扱うという意識が、物だけでなく環境にまで広がっていけばポイ捨てだってしないだろうし、将来的に環境により優しい選択をとっていくはずだと信じています。
だから、私設図書館もんでは定期的に物が壊されています。笑
悲しいけど、仕方がないですね。